WRCメキシコ:オジエが今シーズン2勝目でドライバー選手権首位に立つ。エバンスは総合3位、ロバンペラは総合4位でフィニッシュ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCメキシコ:オジエが今シーズン2勝目でドライバー選手権首位に立つ。エバンスは総合3位、ロバンペラは総合4位でフィニッシュ

©Toyota Gazoo Racing WRT

3月19日(日)、WRC第3戦メキシコの競技最終日となるデイ4がメキシコ中央高原のレオンを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/バンサン・ランデが総合優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが総合3位、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが総合4位でフィニッシュしました。また、金曜日のデイリタイアから挽回を続けてきたTGR WRCチャレンジプログラムから4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストンは、総合23位でラリーを終えました。

(以下チームリリース)


Toyota Gazoo Racing WRT

3月19日(日)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「ラリー・メキシコ」の最終日デイ4がメキシコ中央高原のレオンを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合3位で、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は総合4位でフィニッシュしました。

ラリー最終日となるデイ4は、サービスパークが置かれるレオン周辺の山岳地帯を中心とする4本のステージを走行。その合計距離は61.53kmでした。最終日も比較的天気は良く、一日を通してドライコンディションでの戦いになりました。

デイ3終了時点で総合2位エバンスに35.8秒差を築いていた首位オジエは、リスクを排した確実性の高い走りを続け、今大会最長となる35.63kmのSS21「オタテス」は3番手タイムでクリア。続くSS22では4番手タイムとなり、エバンスとの差は22.5秒に縮まりました。しかし、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージ、SS23「エル・ブリンコ」でオジエは今大会5回目となるベストタイムを記録し優勝。開幕戦ラリー・モンテカルロ、そして今回のラリー・メキシコと2戦2勝を達成しました。また、ボーナスポイントも最大の5ポイントを獲得した結果、第2戦ラリー・スウェーデンに出場しなかったにも関わらずドライバー選手権でトップに立ち、2番手のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に3ポイントのリードを築きました。オジエはヤリスWRCで獲得した2020年大会の優勝も含め、これまでに6回ラリー・メキシコを制していましたが、今回の勝利により通算優勝回数を7に更新しました。なお、先シーズンの最終戦からオジエとコンビを組むランデにとっては、ラリー・メキシコ初出場での優勝になりました。

デイ3で、総合3位のヌービルと僅差の戦いを続けた総合2位のエバンスは、最長ステージのSS21で今大会初のベストタイムを記録。ただし、サスペンションにダメージを負ってしまい、それをリエゾン(移動区間)で自力で修理して戦いを続けました。エバンスはヌービルを2.7秒リードした状態で最終ステージに臨みましたが、逆転を許し総合3位でフィニッシュ。総合2位ヌービルとは0.4秒差でした。

Toyota Gazoo Racing WRT

不利な早い出走順により、デイ2で首位オジエに1分近い遅れをとったロバンペラは、デイ3終了時点で総合4位まで順位を挽回しました。しかし前後のライバルと大きなタイム差がついていたため、ロバンペラは最終日の目標をパワーステージに定め、フルアタックを敢行。コーナーで走行ラインがワイドになりリヤウイングに大きなダメージを負うも4番手タイムを記録し、総合4位でフィニッシュすると共にボーナスの2ポイントを獲得しました。しかし、ドライバー選手権ではランキング首位に立ったオジエと4ポイント差の3位に後退しました。

Toyota Gazoo Racing WRT

TGR WRCチャレンジプログラムから4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、デイ2でのデイリタイアを経てデイ3で再出走。デイ4の4本のステージを確実に走りきり、初出場のラリー・メキシコを総合23位で終えました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
驚くべき結果です。昨年は、このような暑くて路面が荒れているグラベルラリーではペースが上がらず、チームの誰もがここメキシコでどうなるのか確信を持てずにいました。しかし、このイベントの前に開発エンジニアが行った全ての作業が状況を一変させ、ラリーで勝ち、パワーステージを制することができるクルマになったのです。本当に嬉しいですし、チームを誇りに思います。最終ステージでは多くの感動があり、セブがステージを制したのは信じられないようなことでした。エルフィンは最後の最後で少しアンラッキーでしたが、再び表彰台に上れたことは今後に向けて大きな自信になりますし、カッレもチャンピオンシップとポイントのことを考えていい仕事をしたと思います。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
自分たちにとっては、簡単な週末ではありませんでした。金曜日に早い出走順で走行した時に勝機を失い、その後はひたすら後方で戦っていました。パワーステージではできるだけ多くのボーナスポイントを獲得しようとハードに攻め、ベストを尽くして走りましたが、コーナーでリヤウイングを失ってしまいました。それでも、早いスタート順だったにも関わらず総合4位でフィニッシュし、それなりのポイントを獲得できました。この週末、素晴らしい仕事をしたセブを祝福したいと思います。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
最終日はとてもいいスタートを切ることができましたが、残念ながらロングステージの終了間際にサスペンションアームにダメージを負ってしまいました。リエゾン区間で修理をすることができましたが、最後の2本のステージは少し慎重に走らなければならないと思い、ティエリーを抑えきることができませんでした。最後は本当に僅差でしたが、少しだけ足りませんでした。それでも、全体的にはいい週末でした。総合2位につけるスピードがありましたし、長い間立つことができなかった表彰台に復帰できたのはポジティブに思えることです。そして、グラベルでのクルマのフィーリングにも満足しています。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
本当に素晴らしい週末になり、優勝することができてとても幸せです。メキシコには、優勝するという明確な目標を持って臨みました。今回はクルマが素晴らしく、我々にとっては完璧な週末になり、チームにとっても力強い戦いができた週末でした。30ポイントを獲得できたのですから、間違いなく完璧な週末だったといえます。必要に応じて速さを発揮することも、状況を上手くマネージメントをすることもできました。あのようなタイム差を管理するのは決して簡単なことではありませんでしたし、今日はこの週末で最もタフなステージ群だったと思います。多少のタイムロスは許容しながらも、集中力を保つことが重要でした。そして、最後のパワーステージに関しては私が好きなステージでしたし、チームのためにポイントを獲得することも重要だったので、頑張らなければならないと思いました。記録や数字を残すのはいいことですし、もちろん誇りに思いますが、自分にとって一番大切なのは優勝することです。

ラリー・メキシコの結果
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 3h16m09.4s
2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +27.5s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +27.9s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m55.3s
5 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m58.8s
6 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +12m31.5s
7 エミル・リンドホルム/レータ・ハマライネン (シュコダ Fabia Rally2 evo) +13m04.4s
8 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +13m37.7s
9 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +15m19.6s
10 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia Rally2 evo) +15m56.6s
(現地時間3月19日15時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

次回のイベント情報
WRC次戦は、4月20日から23日にかけて、クロアチアの首都ザグレブを中心に開催される「クロアチア・ラリー」です。2021年に初めてWRCとして開催されたこのイベントは、今年で3年目。路面はターマック(舗装路)となり、ステージは高速なセクションとテクニカルなセクションの両方を含みます。また、路面の舗装状態が頻繁に変化するためグリップが安定せず、コーナーイン側の未舗装路部分をショートカットする「インカット走行」により、多くの砂利や泥が舗装路の上に掻き出されます。そのため非常に滑りやすく、難しいラリーとして知られています。



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