WRCクロアチア事前情報:路面コンディションの変化が激しいターマックラリー – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCクロアチア事前情報:路面コンディションの変化が激しいターマックラリー

©Toyota Gazoo Racing WRT

前戦ラリースウェーデンが2月27日にフィニッシュしてから8週間のブレイクを経て迎える第3戦クロアチアラリーは、ラリー1マシンにとって初めてのフルターマックラリーとなる。

2021年4月に初めてWRCカレンダーに登場したクロアチアラリーは、2010年のラリーブルガリア以来となる東ヨーロッパでのWRCイベントとなったが、グリップレベルや路面コンディションの変化が激しく、ドライバーにもチームにも大きな試練を与えた。首都ザグレブを拠点として開催された昨年は、最終パワーステージまで激闘が展開され、トヨタのセバスチャン・オジエがチームメイトであるエルフィン・エバンスのミスを逃さず、わずか0.6秒差で退けて優勝を飾った。

WRCラウンドとして開催される2度目、チームはラリー1マシンにとって初のクロアチアに向けて、イベントで登場する道と同じ性格のコースでテストを重ねてきた。クロアチアは今月の初めから季節外れの寒さが続いていたが、ラリーの週末は温暖な天気が予想されている。それでも、特にデイ2、デイ3はスタートの時間が早く、ステージが市街地周辺の丘陵地帯にあることから、朝は寒く湿気が多くなりタイヤ戦略がラリーの勝敗を左右する可能性も出てくる。

WRCの公式タイヤサプライヤー、ピレリは、クロアチアラリーにはP Zero HA(ハード)とSA(ソフト)を供給する。メインの選択となるのは、暖かくドライコンディション向けに設計されたハードコンパウンド。気温が低く路面が湿っていれば、ソフトが選択肢となる。大雨に見舞われた場合は、ウエットタイヤのCinturatoを使うことができる。ラリー1マシン勢がイベント中に使用できるタイヤ本数は、28本(シェイクダウン用の4本を含む)。

■エントリー状況
クロアチアラリーには、シーズン最多タイとなる11台のラリー1マシンがエントリー。2019年のWRC2チャンピオンであるピエール‐ルイ・ルーベ/バンサン・ランデは、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1をドライブ。ルーベにとってこれがラリー1マシンでの初参戦となる。Mスポーツ・フォード勢はそのほか、クレイグ・ブリーン/ポール・ネイグル、アドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア、ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソンをエントリーした。ブリーンは1月に開催された開幕戦ラリーモンテカルロでポディウムに上がっている。フルモーにとってクロアチアは昨年、WRカーデビューを飾った思い出の舞台だ。フルモーは今月上旬にNACAM選手権と併催されたメキシコのラリーオブネイションズ・グアナファトにも参戦している。

トヨタGRヤリス・ラリー1は4台が走行する。選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム、そして勝田貴元/アーロン・ジョンストンだ。エバンスと勝田は2021年のクロアチアラリーを走り切っているが、ロバンペラは開幕ステージでクラッシュしてリタイアを喫しており、ラッピはスポット参戦のプログラムだった昨年、クロアチアは予定に入っていなかった。

ヒョンデ勢は、前戦スウェーデンでティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグがポディウムに上がった勢いをつなげたいところ。ヌービルは昨年のクロアチアではデイ1を終えた時点で首位に立った後、計6SSでベストタイムをマークして総合3位でのフィニッシュを果たしている。そのほかオィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ、スウェーデンでは総合6位に食い込んだオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンソンと、ヒョンデは開幕から3戦続けて同じラインナップで臨む。ソルベルグは、これが初めてのクロアチア参戦となる。

■サポートカテゴリー
総合優勝争いと同様、クロアチアラリーではラリー2マシン対象のWRC2、ラリー3マシン対象のWRC3の両選手権も開催される。

WRC2で現在選手権首位に立つのは、フォード・フィエスタ・ラリー2 Mk IIを駆るYacco ACCRチームのエリック・カイス。迎え撃つのは、エリック・カミリ(サンロック・ジュニアチーム)、ステファン・ルフェーブル、ヨアン・ロッセルのシトロエンC3ラリー2勢、トクスポーツWRTのニコライ・グリアジン、エミル・リンドホルムと、カエタン・カエタノビッチ、クリス・イングラムのシュコダ・ファビア・ラリー2 Evo勢、Mスポーツ・フォードのヤリ・フッツネン、ALMモータースポーツのゲオルグ・リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)、グレゴワール・ミュンスター(ヒョンデi20 Nラリー2)、今戦からWRC2参戦を開始するポーランドチャンピオンのミコ・マルチェクらが揃う。

WRC3では、2021年のジュニアWRCチャンピオン、サミ・パヤリがWRC3オープンで首位に立っており、ラウリ・ヨーナ、ヤン・チェルニーが続いている。Mスポーツ・ポーランドが製作するフォード・フィエスタ・ラリー3とピレリタイヤのワンメイクシリーズ、ジュニアWRCにはクロアチアが今季2戦目となり、7台がエントリー。選手権首位に立っているのはジョン・アームストロング。そのほか、ウィリアム・クレイトン、マクレー・キマチ、ロベルト・ビルベスも登場する。大けがから復帰したジャン・バティスト・フランチェスキは、2021年ジュニアERC3タイトル獲得の特典としてエントリーしている。

また地元クロアチアからは、ニコ・プリック、イビカ・シラディックがそれぞれWRC2、WRC3にエントリーしている。なおWRC2 Open/Mastersには日本から福永修/齊田美早子も参戦。シュコダ・ファビア・ラリー2 Evoをドライブする。

■ラリールート

TOYOTA

WRCとして2度目の開催となる今季のクロアチアラリーには、首都ザグレブを拠点に20SS・291.84kmのステージが設定される。競技初日となる4月22日金曜日は、ザグレブの南西および西部のサモボル丘陵、ズンベラク、カルロバクに設定される4SSを、ザグレブでのサービスを挟んで2ループする。Mali Lipovec – Grdanjciは現地時間8時33分にスタート。20.77kmのStojdraga – Gornja Vasは、ステージを通してコーナーが連続するステージだ。土曜日もザグレブの西部を走る4SSを2ループする構成。この日最初のKostanjevac – Petruš Vrh(23.76km)はイベント最長ステージだ。この日は、アドリア海の南西部に近い新設ステージのPlatakも登場する。日曜日のスタートは朝が早く、今戦2本目の新ステージでイベント最北を走るTrakošćan – Vrbnoのスタートは7時18分。Zagorska Sela – Kumrovecの2回目の走行はパワーステージに指定されている。21日木曜日9時01分から行われる3.65kmのシェイクダウンステージも昨年から変更となり、古都オキック近郊に設定される。

■ラリーデータ
開催日:2022年4月21-24日
サービスパーク設置場所:ザグレブ
総走行距離:1642.18km
総ステージ走行距離:291.84km(SS比率17.77%)
総SS数:20

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ (#69)
エルフィン・エバンス (#33)
エサペッカ・ラッピ (#4)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
オリバー・ソルベルグ(#2)

[Mスポーツ・フォードWRT]
クレイグ・ブリーン(#42)
ガス・グリーンスミス(#44)
アドリアン・フルモー(#16)

■2021年クロアチアラリー最終結果
1 S.オジエ/J.イングラシア(トヨタ・ヤリスWRC) 2:51:22.9
2 E.エバンス/S.マーティン(トヨタ・ヤリスWRC) +0.6
3 T.ヌービル/M.ウィダグ(ヒョンデi20クーペWRC) +8.1

■近年のウイナー
2021年 S.オジエ/J.イングラシア(トヨタ・ヤリスWRC)
*2020年 D.ボッカ/M.メステルハジ(シュコダ・ファビアR5)
*2017年 V.マチェルチャク/M.ベジャツコバ(フォード・フィエスタR5)
*2016年 M.ボスタンキ/O.バタンセーバー(フォード・フィエスタR5)
*2015年 J.セバルジ/T.クリンク(三菱ランサーエボリューションX)
*WRC以外での開催



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