WRCポルトガル事前情報:今季グラベル初戦で“セバスチャン対決”再び – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCポルトガル事前情報:今季グラベル初戦で“セバスチャン対決”再び

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRCは今週第4戦ラリーポルトガルが5月19〜22日に開催され、WRCのビッグネーム、セバスチャン・オジエとセバスチャン・ローブが再び顔を揃える。

この2022年でシリーズ50周年を迎えるWRCは、開催55回目のラリーポルトガルを記念すべき節目の祝典の舞台として選択。往年のスタードライバーやマシンがポルトに展示されることになった。FIA総裁のモハメド・ビン・スライエム、FIAスポーツ担当の副総裁ロバート・レイド、FIAヨーロッパスポーツ担当副総裁アンナ・ノルドクビストのほか、ミキ・ビアジオン、マーカス・グロンホルム、バルター・ロール、カルロス・サインツ、ペター・ソルベルグ、アリ・バタネンなどのWRCチャンピオンが招かれている。また、WRCの歴代車両が数台展示され、デモランも行われる。

今回のポルトガルは、選手権の輝かしい過去を振り返るとともに、今年の初めに導入されたハイブリッドのラリー1規定のマシンにもスポットライトを当て、WRCのエキサイティングで持続可能な未来を示す。ラリー1マシンにとって初めてのグラベルラリーとなるこのポルトガルには、今季最多となる12台のラリー1マシンがエントリーしている。

WRC9連覇王者のローブとタイトルを8回獲得しているオジエは、それぞれMスポーツ・フォード、トヨタから今季2度目の参戦。両者ともラリー1マシンでのグラベル走行の経験は限定的だが、1月のラリーモンテカルロでの激しい優勝争いを見てもそのペースに疑いはない。この時はローブが10.5秒差でオジエを退けている。グラベルの今回は初日、走行順が後になることから、ドライコンディションでは砂利が掃けてより安定したグリップを得られる恩恵も受けられる。もしオジエが今回優勝することができればラリーポルトガルでの勝利数は6回となり、史上最多となるほか、自身の通算勝利数は55に到達する。一方のローブは、モンテカルロでの勝利が80勝目だった。

WRCが創設された1973年からカレンダーに入っていたラリーポルトガルは、チャレンジングなステージと多彩な路面、変わりやすい天候という試練が待つシリーズ伝統の一戦として存在してきた。また、ファンにとっても人気イベントのひとつで、何千人もの情熱的なスペクテイターがマシンの走りに熱狂し、ラリーを大いに盛り上げる。

■エントリー状況
12台のラリー1マシンがエントリーする今回のラリーポルトガル。現在、ポイントランキングでトップに立つのは、第2戦スウェーデン、第3戦クロアチアで連勝を飾ったトヨタGRヤリス・ラリー1のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン。トヨタのチームメイトはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン、現WRCチャンピオンのセバスチャン・オジエはバンジャマン・ベイヤをコ・ドライバーに迎える。日本の勝田貴元は、トヨタ・ガズーレーシングWRT NGから、アーロン・ジョンストンとともに4台目のGRヤリス・ラリー1を駆る。

ヒョンデは今季初めて、ダニ・ソルド/カンディード・カレラを起用する。さらにティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ、オィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤがヒョンデi20 Nラリー1をドライブする。

Mスポーツ・フォードは、初めて一戦に5台のラリー1マシンをエントリーさせるマニュファクチャラーとなる。開幕戦モンテカルロを制したセバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュは、再びフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1をドライブ。現在選手権で3番手につけるクレイグ・ブリーン/ポール・ネイグル、アドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア、ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン、ピエール‐ルイ・ルーベ/バンサン・ランデもチームからエントリーする。

■サポートカテゴリー
WRC2には、ディフェンディングチャンピオンのアンドレアス・ミケルセンがトクスポーツWRTのシュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで登場。チームメイトのマルコ・ブラシア、ニコライ・グリアジン、カエタン・カエタノビッチ、クリス・イングラムもファビア・ラリー2 Evoをドライブする。ヒョンデ・モータースポーツNは、テーム・スニネンとオリバー・ソルベルグをヒョンデi20 Nラリー2のドライバーに投入。そのほかPHスポールのヨアン・ロッセル、ヤン・ソランス、エリック・カミリ(サンロック・ジュニアチーム)、ステファン・ルフェーブルはシトロエンC3ラリー2でエントリー。フォルクスワーゲン・ポロGTIラリー2勢はゲオルグ・リンナマエ(ALMモータースポーツ)とエイリーク・ピエタリネン、ヤッコACCRチームのエリック・カイスはフォード・フィエスタ・ラリー2 MkIIで参戦する。アルミンド・アラウジョ(ファビア・ラリー2 Evo)、ホセ・ペドロ・フォンテス(C3ラリー2)、ブルーノ・マガラエス、地元ポルトガルチャンピオンのリカルド・テオドシオ(いずれもi20 Nラリー2)のほか、ポルトガルから多くのドライバーがWRC2にエントリーしている。

ラリー2のカテゴリーは2022年、再編が行われ、チームズ、ドライバーズ、コ・ドライバーズに加え、ジュニアドライバー、ジュニアコ・ドライバーがそれぞれ別のカテゴリーとなった。マスターズカップは、1972年1月1日以降生まれのドライバー/コ・ドライバーの最上位に贈られる。

フォード・フィエスタ・ラリー3にピレリタイヤのワンメイクとなるWRC3ジュニアクラスには、ジョン・アームストロング、ウィリアム・クレイトン、ラウリ・ヨーナ、マクレー・キマチ、サミ・パヤリ、ロベルト・ビルベスの6人がエントリー。クレイトン、ヨーナ、キマチ、パヤリはWRC3オープンにもノミネートしている。

■ラリールート

TOYOTA

ラリーは5月19日木曜日、コインブラでセレモニアルスタートを行った後、郊外に設定された新設のスーパーSS(2.82km)が現地時間19時3分にスタート。金曜日はラリー拠点のマトジニョスの南部に設定される。Lousa、Gois、Arganilの3本を2ループした後、Mortaguaを1回走行。その後、ロウサダのラリークロスコースを走る2台並走のスーパーSSを行う。土曜日のほとんどは、マトジニョスの北東部にあるカブレイラ山脈を中心に設定される。この日の総ステージ走行距離は164.98kmにおよび、イベント最長の37.24km、Amaranteは2回走行。Vieira do Minho とCabeceiras de Bastoも2回ずつ設定されている。この日は、沿岸の町ポルト・フォズの市街地ステージで締めくくる。日曜日はFelgueirasとMontimを走行した後、伝統のジャンプ、Pedra Sentadaが待つ名物ステージ、ファフェが登場する。地元ではLameirinhaの名で知られるこの11.18kmのステージは、Felgueirasの2回目の走行を挟んで2回設定されている。2回目のファフェは、パワーステージにも指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2022年5月19-22日
サービスパーク設置場所:マトジニョス
総走行距離:1522.89km
総ステージ走行距離:338.34km(SS比率22.21%)
総SS数:21

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#1)
エルフィン・エバンス(#33)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
ダニ・ソルド(#6)

[Mスポーツ・フォードWRT]
クレイグ・ブリーン(#42)
セバスチャン・ローブ(#19)
アドリアン・フルモー(#16)

■2021年ラリーポルトガル最終結果
1 E.エバンス/S.マーティン(トヨタ・ヤリスWRC) 3:38:26.2
2 D.ソルド/B.ロサダ(ヒョンデi20クーペWRC) +28.3
3 S.オジエ/J.イングラシア(トヨタ・ヤリスWRC) +1:23.6

■近年のウイナー
2021年 E.エバンス/S.マーティン(トヨタ・ヤリスWRC)
2019年 O.タナック/M.ヤルベオヤ(トヨタ・ヤリスWRC)
2018年 T.ヌービル/N.ジルスール(ヒョンデi20 クーペWRC)
2017年 S.オジエ/J.イングラシア(フォード・フィエスタWRC)
2016年 K.ミーク/P.ネイグル(シトロエンDS3 WRC)



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