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WRCエストニア:競技2日目を終えてロバンペラが総合首位、勝田はバリットの負傷でリタイアを決断

©TOYOTA

WRC第7戦エストニアは7月16日(金)のSS9までを終えて、トヨタのカッレ・ロバンペラが総合首位に立っている。2番手にはヒュンダイのクレイグ・ブリーン、3番手は同じくヒュンダイのティエリー・ヌービル。勝田貴元は一時総合3番手に浮上したものの、コ・ドライバーのダニエル・バリットが首と背中の痛みを訴えたため、SS4終了後に大事を取ってリタイアを決めた。

この日はSS2〜SS9の8SS、SS距離128.24km。タルトゥ南部のエリアを中心に、4SSを2回走行する構成となっている。午前中のセクションはワールドラリーカー全車がソフトコンパウンドタイヤ5本をチョイスし、曇り空のもとステージへと向かっていった。

オープニングステージのSS2でベストを獲ったのは、地元のオィット・タナック。SS2番手にはブリーン、SS3番手にロバンペラが入っており、この時点でタナックが総合トップに立った。0.3秒差で総合2番手にブリーン、1.3秒差の総合3番手でロバンペラが続くかたちだ。ところが次のSS3では、そのタナックを不運が襲う。タナックは右フロントタイヤを失ってしまい、大きくタイムロス。SSを走り切ったものの総合7番手まで後退し、上位争いから脱落する結果となった。ここではロバンペラがベストタイムを刻み、トヨタのセバスチャン・オジエ、ヌービル、勝田が続いた。

Mスポーツ・フォードのガス・グリーンスミスはウォーターポンプのトラブルに見舞われ、たびたび停車を余儀なくされる事態に。最下位でこのステージは走り切ったが、上位入賞の希望は潰えた。一方、ロバンペラと上位を争うブリーンは、前を走るグリーンスミスのダストで視界を奪われ、タイムロス。しかし主催者の裁定により、ブリーンにはベストタイムのロバンペラと同等のタイムが与えられた。この結果、総合トップにブリーン、総合2番手に1.0秒差でロバンペラというオーダーになっている。

HYUNDAI


ドラマはSS4でも続く。タナックはコースオフした際に2本パンクを喫してしまい、競技続行が不可能に。ヌービルも左リヤタイヤのパンクに見舞われて総合3番手から5番手に順位を落としている。グリーンスミスは再びマシンがトラブルを起こし、後続のブリーンはグリーンスミスをパスするため再度の減速を余儀なくされ、SS3に続き主催者からタイムを与えられることとなった。

この結果、SS3に続いてSS4でもベストタイムをマークしたロバンペラが総合トップ、0.2秒差でブリーンが続き、20.5秒差で勝田が総合3番手という順位になった。しかし勝田のコ・ドライバーを務めるバリットがジャンプの着地時に強い衝撃を受けたことで、首と背中の痛みを訴えたため、勝田は、このSS4を終えたあと大事をとってリタイア。医師の診断を受けた結果、骨折はないものの安静を求められたため土曜日に再スタートはしないという。
なお勝田は検査ののち自らのツイッターを更新。「病院で精密検査を受けた結果、骨や脳などに異常はないそうで安心しました。
コ・ドライバーはラリーにおいて非常に重要な存在なので、ダンに大きな怪我がなくてよかったです」と、気持ちを綴っている。

ロバンペラは午前中最後のSS5でも一番時計。総合2番手のブリーンに4.8秒差、総合3番手のオジエに33.5秒差をつけて、トップでサービスへと戻ってきた。その勢いは午後のステージでも衰えない。コースの一部で雨が落ち始めたSS6、続くSS7も連続ベストタイムでまとめ、追いすがるブリーンに対してじわじわと差を広げていく。SS8ではブリーンが今大会初の“自力”一番時計で一矢を報いるが、総合でのタイム差は6.7秒ロバンペラがリードしている。また、このSS8ではヌービルがオジエを逆転し、0.5秒差ながら総合3番手にポジションを上げている。

この日最後のSS9では、再びロバンペラがステージウインを獲得。ブリーンも1.8秒差のSS2番手タイムで食い下がるが、ふたりの総合タイム差は8.5秒に拡大することとなった。総合3番手はヌービル、4番手にオジエ、5番手にトヨタのエルフィン・エバンス、6番手にMスポーツ・フォードのテーム・スニネンが続くオーダーとなっているが、ロバンペラと3番手ヌービルの差は53.4秒にまで広がっており、明日以降はロバンペラとブリーンのふたりによるバトルがラリーの焦点となりそうだ。

M-SPORT


競技3日目はSS10〜SS18の9SS、SS距離132.18km。4SSを2回走行し、最後にサービスに隣接した公園内のステージを走る構成だ。タルトゥの北部に2SS(SS10/14、SS11/15)、南部に2SS(SS12/16、SS13/17)が配置され、このうちSS10/14とSS12/16は20kmを越えるステージとなっている。オープニングのSS10は日本時間17日の14時06分スタート。

WRCエストニア SS9後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) 1:06:54.4
2. C.ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC) +8.5
3. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +53.4
4. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +59.4
5. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) +1:15.1
6. T.スニネン(フォード・フィエスタWRC) +3:14.9
7. P.ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC) +3:21.5
8. A.ルキヤナク(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +3:45.0
9. A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +4:04.9
10. E.リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +4:29.6



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