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2025年シーズン全日本ラリー選手権第6戦「RALLY HOKKAIDO」の初日は、9月6日(土曜日)に8カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、新井大輝/立久井大輝(シュコダ・ファビアR5)が、奴田原文雄/東 駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)に16.9秒差をつけて、初日トップに立った。2分11秒0差の3番手には福永修/斉田美早子(シュコダ・ファビアRSラリー2)がつけている。
シーズン初のグラベルイベント第5戦カムイから約2カ月のインターバルを経て、帯広・十勝を舞台とするビッグイベント、ラリー北海道を迎えた。SS総距離が100kmを超えるラリー北海道のポイント係数は1.5、レグポイントを合わせて、最大33点を獲得できるシーズンの天王山となる。
ラリー初日は、午前中に「パウセカムイ・ショート(9.47km)」と「リクベツ・ロング(4.63km)」を、「ヤム・ワッカ・リバース(23.53km)」を挟んで2回走行。陸別に設けられた20分のリモートサービスを経て、午後は2回目の「ヤム・ワッカ・リバース」、3回目の「パウセカムイ・ショート」と「リクベツ・ロング」を走る8SS、89.36km。ラリーの山場となるロングステージのヤム・ワッカは、久しぶりに逆走ルートが採用された。
5日金曜日に、恒例となったラリーショーとセレモニアルスタートを帯広駅前で実施。6日土曜日から本格的なラリーが幕を上げた。他のイベントであれば、ひとつのイベントに相当する距離を1日で走行する初日、レッキの段階ではウエットが残っていたものの、天候は快晴。コンディションはほぼドライとなった。
オープニングのSS1は勝田範彦/保井隆宏(トヨタ・GRヤリス・ラリー2)が、奴田と新井大輝に1.9秒をつけるベストタイム。鎌田卓麻/松本優一(シュコダ・ファビアR5)が2.5秒差の4番手、新井敏弘/小坂典嵩(スバルWRX VBH)に5.1秒差の5番手で続く。このステージ、スタートから2km地点で4速を失いながらも、6.7秒差の6番手で走り切ったヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタ・GRヤリス・ラリー2)だったが、SS2へと向かうリエゾンでギヤボックストラブルからストップ。レグ離脱を余儀なくされている。
多くの観戦エリアが用意されたSS2、奴田原が新井大輝に0.7秒、勝田に1.7秒、右フロントをイン側にヒットした鎌田に3.4秒差をつけるベスト。ラリー最長の23.53kmを走行するSS3は、新井大輝が奴田原に5.5秒、勝田に19.1秒差をつける一番時計をたたき出し、一気にトップへと駆け上がった。勝田は奴田原にも抜かれ、総合3番手にドロップしている。また、総合4番手につけていた鎌田がコースオフを喫して、ラリー続行を断念している。
新井大輝はSS4でも連続ベストを刻み、総合2番手の奴田原との差を6.2秒に拡大。午前中を締めくくるSS5は奴田原が新井大輝を0.4秒上まわり、その差を5.8秒に縮めた。22.8秒差の総合3番手に勝田、1分10秒0差の総合4番手に新井敏弘、1分11秒4差の総合5番手に福永修/斉田美早子(シュコダ・ファビアRSラリー2)がつけている。
陸別での20分間のリモートサービスを挟んだ午後のセクション。2回目のヤム・ワッカ・リバースを走るSS6、新井大輝が奴田原を9.8秒突き放すベストタイムをマークし、その差を一気に15.6秒差まで拡大した。ここまで総合3番手をキープしていた勝田は、スタートから19km地点でコースオフ。コース復帰は叶わず、レグ離脱となった。これで新井敏弘が総合3番手、福永が総合4番手とひとつずつポジションを上げている。
SS7も新井大輝が奴田原を0.6秒かわし、この日4度目のベストタイムをマークし、奴田原との差を16.2秒に拡大した。総合3番手の新井敏弘はステージ中にエンジンにトラブルが発生し、痛恨のストップ。これで福永が2分11秒0差の総合3番手に順位を上げた。続くSS8も、ベストは新井大輝。奴田原が0.7秒差でSS2番手、福永が9.8秒差のSS3番手で続くかたちとなった。
荒れた展開のなか、しっかりと首位の座を守った新井大輝は「中間サービスでアライメント取りにミスがあったことで、午後はアライメントに問題がある状態で走らざるを得ませんでした。それでも、初日で10秒くらいリードを築いておきたいと思っていたので、なんとか及第点ですね」と、冷静に振り返った。
合計タイムでは、5分05秒2差の4番手に今井聡/高橋芙悠(シトロエンC3 R5)、5分20秒7差の5番手にJN-2クラスとMORIZO Challenge Cup(MCC)に参戦する大竹直生/橋本美咲(トヨタGRヤリス)がつけている。