
©ERC
今季のERCは、10月3日〜5日に開催される最終戦クロアチアラリー(ターマック)で、3人のドライバーによるタイトル争いが展開される。
現在、ポイントランキングでタイトル獲得の可能性を残しているのは、ミコ・マルチェク、アンドレア・マベリーニ(いずれもシュコダ・ファビアRSラリー2)、ジョン・アームストロング(フォード・フィエスタ・ラリー2)の3人だ。
今季ここまでの7戦を終えて、首位に立っているのはポーランドのマルチェク。イタリアのマベリーニは、有効6戦のドロップイベントを計算したうえで、わずか2ポイント差の2番手につけている。アイルランドのアームストロングは、マベリーニと18ポイント差の3番手だ。
タイトルを獲るためには、アームストロングはクロアチアで34ポイントとほぼ完璧な勝利を収めることが求められ、マルチェクが7位以上、マベリーニが6位以上でフィニッシュしないことが条件となる。英国で開催された前戦ケレディギオンで勝利を収めているアームストロングは、クロアチアには過去2回の参戦経験を持っているが、マルチェクが参戦したことがあるのは1回、マベリーニにとってはザグレブ拠点のこのイベントに参戦するのは、これが初めてとなる。
「タイトルを獲るのは難しいが、クロアチアはスリッパリーなイベント。1年のこの時期は泥や落ち葉、いろいろなものが道に落ちているので、何かが起きても不思議ではない」と語るアームストロングは、現在30歳。
29歳のマルチェクは「1年を通して一貫性のあるいい走りをしてきたが、クロアチアではよりそれを高めていかなくてはならない。それが目標。1点1点が重要で、いつもその気持ちで努めてきた。自分のアドバンテージをフルに活かして、不利な部分を帳消しにしていく」と意気込みを語る。
3人のなかでは最年少26歳のマベリーニは、ケレディギオンではパワーステージを制して5ポイントを追加し、タイトル争いに臨みをつなげた。「あのパワーステージで、タイトルの可能性が残るか消えるかの山場だったが、最大ポイントを獲得した。気持ちの面では、とても強さを見せられたと思う。もちろんタイトルを狙っていく。舞台は整った。あとは行くだけだね」とマベリーニ。
このクロアチアでは、ERCのほかにERC3、ERC4、ERCチーム、ERCタイヤサプライヤー選手権も決戦を迎える。ERC forチームは、チームMRFトMスポーツ・フォードが17ポイント差で争っている。創立2年目のタイヤサプライヤー選手権は、ピレリがミシュランを11ポイントリードしている。