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ERC第3戦ロイヤル・ラリーオブスカンジナビア（グラベル）が5月29日〜31日にスウェーデンで開催され、ノルウェーのエイビン・ブリニルドセン（トヨタGRヤリス・ラリー2）がERC初優勝を飾った。
一時はフォルクスワーゲンのワークスドライバーの候補にも挙がったことのあるブリニルドセンは、現在37歳。グラベル版ラリースウェーデンとも評される高速ステージでは、スウェーデンの新鋭、21歳のイザック・レイエルセン（シュコダ・ファビアRSラリー2）と優勝争いを展開した。
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競技初日の金曜日を終えて、レイエルセンにわずか5.1秒差というわずかなリードを握って最終日を迎えたブリニルドセンだったが、オリバー・ソルベルグの幼なじみというメカニックとともに調整を行ったレイエルセンが、最初の2本でベストタイムを連発。両者の差は3.8秒に縮まって、午後に残す最後の4本に臨んだ。
午後に入ってもレイエルセンは猛追の手を緩めず、最初の20.06kmで、ブリニルドセンとの差を2.8秒にまで詰める。しかし、最終ループのためにフレッシュタイヤを温存していたブリニルドセンは、続く7.82kmのSS15で応戦。両者は同じ左コーナーで2輪状態になる場面もあったが、ここはブリニルドセンがベストタイムをマークして、リードを6.1秒に広げた。ブリニルドセンは、SS16でもレイエルセンに0.9秒先行すると、最終パワーステージではしっかりペースをコントロールし、このステージでベストタイムをたたき出して追い上げてきたルーペ・コルホネン（GRヤリス・ラリー2）を4.9秒退けて優勝を飾った。
「アメージングだよ」とブリニルドセン。
「開幕戦のスペインでは、今回参戦できることさえ不可能だと思っていたから、勝てたなんて信じられない。大変な努力だったし、本当にホッとしている。最後の数kmは、すごく苦戦した。自分は隣のノルウェー出身で、半年ごとにラリー車に乗るようなペースだから、自分のキャリアですごく特別な、最高の瞬間だよ」
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恒常的に資金難に悩まされ、イベント前はポディウムを目標に掲げていたレイエルセンは、SS15の時点でフィニッシュを目前にクラッシュするよりもペースを落とすことを選択。コルホネンのパスを許し、3位でのフィニッシュとなった。
チームMRFタイヤから参戦するコルホネンは、雨に見舞われたレグ1で争いに加わることができず、ギヤボックスとデファレンシャルの交換を敢行してレグ2に挑んでいた。前戦ハンガリーを制しているコルホネンは、今回のスカンジナビアで2位に入ったことで、選手権争いでは今回7位に終わったミコ・マルチェク（ファビアRSラリー2）をかわして首位に浮上している。
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強豪のマッズ・オストベルグ（シトロエンC3ラリー2）は、新たにルーカス・カールソンをコ・ドライバーに迎えての参戦となったが、最終から2本目のステージでパンクに見舞われ8位フィニッシュ。しかし、コリンズ・クレストのジャンプでは、43mと最長飛距離のジャンプを披露した。
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Mスポーツ・フォードから参戦するジョン・アームストロング（フォード・フィエスタ・ラリー2）は、SS4でベストタイムをマークしたが、続くSS5でパンクに見舞われタイヤ交換のために大幅に後退。最終日は走行順4番手という不利な状況のなか、トップ3タイムを連発し、最終的に10位まで挽回してフィニッシュした。ヘニング・ソルベルグ（ファビアRSラリー2）は、2分のペナルティを克服してERCマスターでトップフィニッシュ。ヨス・フェルスタッペンは、金曜日の最終ステージで転倒を喫し、最終日は出走を見合わせた。
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ERC3は、ポーランド出身の18歳、ティメック・アブラモフスキ（フォード・フィエスタ・ラリー3）がトップフィニッシュ。同じく18歳でアリ・バタネンの遠戚に当たるビッレ・バタネン（ルノー・クリオ・ラリー3）が7.1秒差で続いた。
（Graham Lister）
RED BULL
ERCスカンジナビア 最終結果
1 E.ブリニルドセン（トヨタGRヤリス・ラリー2） 1:33:40.8
2 R.コルホネン（トヨタGRヤリス・ラリー2） +4.9
3 I.レイエルセン（シュコダ・ファビアRSラリー2） +9.6
4 A.マベリーニ（シュコダ・ファビアRSラリー2） +22.0
5 F.トーレ（フォルクスワーゲン・ポロGTI R5） +25.2s
6 M.ヨハンソン（シュコダ・ファビアRSラリー2） +50.3
7 M.マルチェク（シュコダ・ファビアRSラリー2） +1:07.6
8 M.オストベルグ（シトロエンC3ラリー2） +1:37.8
