ランチア・イプシロン・ラリー4HFが国際格式ラリーに登場。販売はすでに90台を突破 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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ランチア・イプシロン・ラリー4HFが国際格式ラリーに登場。販売はすでに90台を突破

©Red Bull

5月9日〜11日に開催されたERC第2戦ラリーハンガリー(グラベル)に、新型ラリーカー、ランチア・イプシロン・ラリー4HFが参戦。ラリー界を席巻した名門ブランド、ランチアの名前が2003年以来初めて国際格式のラリーイベントに登場した。

しかし、ランチアのロゴがWRCに戻ってくるのではという期待は、モータースポーツ部門チーフのコメントにより、近い将来の実現は見込みが薄いことが明らかになった。ラリーハンガリー会期中に、ランチア・コルセのボス、ユーゲニオ・フランゼッティは、イプシロンのラリー4マシン開発は、国内戦レベルのワンメイクシリーズを優先に行っていると語ったのだ。

「今は、一貫性を保たなければならない。それが最も重要なことだ」とフランゼッティは語っている。
「現状は、マシンを供給し、トロフェオ(イタリアのワンメイクシリーズ)を展開し、このマシンが今後数年間、主役として市場を支えてくれることを望んでいる。そして、 トロフェオがイタリアだけでなく、ラリー界において、組織や賞金分配の面でのモデルとなることを望んでいる。一貫した形で、何年も継続することを望んでいる」

フランゼッティによれば、イプシロン・ラリー4HFはすでに90台を売り上げ、イタリアのワンメイクトロフィーには40台がエントリーしているという。このシリーズでは、年間チャンピオンに2026年にランチアのワークスチームからERC4に参戦できる特典が与えられる。

「ランチアにとって、すでに感慨深い結果を収めているし、復帰に向けて尽力してきたすべての人々にとって、とても大きな瞬間。とても誇らしく思っている。そして、ERCでも我々のマシンが走っていることは、特別な思いだ」」とフランゼッティ。

ラリーハンガリーでは、フィンランドのティーンエイジャー、トォッカ・カウッピネンとエストニアのジャスパー・バへルが、イプシロン・ラリー4HFでジュニアERCに参戦。バヘルは金曜日に行われたスーパーSSでトップタイムをマークした後、部門2番手につけて最終日を迎えたが、SS11で3回のパンクに見舞われ、4位でのフィニッシュとなった。カウッピネンも、ラフグラベルステージでパンクに見舞われて後退した後、サスペンションを破損。部門12位でのフィニッシュとなった。

ラリーを終えてバヘルは「ラリー前にテストを2回行ったが、走行距離はあまり多くなかったので、まだマシンを学んでいるところ。ポテンシャルは感じるが、手を入れなくてはならない部分もある。MSムナレットチームはとてもいい仕事をしてくれて、マシンのセッティングを頑張ってくれた」とコメント。

「名門のブランドなので、ランチアで走れるのは最高にクールな経験。ヘンリ・トイボネンやマルク・アレンといった名手が、疾走を披露してきたブランドなので、自分もこのマシンで速く走れるようになりたい」
(Graham Lister)



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