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WRC第8戦ラリーエストニア(グラベル)は7月17日、タルトゥでSS1が行われ、トヨタはエルフィン・エバンス/スコット・マーティンが0.5秒差の2番手タイムで滑り出した。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは4番手、勝田貴元/アーロン・ジョンストンは1.4秒差の6番手。初めてトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦するオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソンは7番手タイムで続いた。TGR-WRT2からサミ・パヤリ/マルコ・サルミネンは2.5秒差の10番手タイムだった。
TGR WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀(トヨタGRヤリス・ラリー2)は、トップから1.6秒差の部門4番手タイム。ルノー・クリオ・ラリー3でWRC3部門に参戦する3期生の後藤正太郎は部門から0.2秒差の部門2番手タイム、松下拓未は2.7秒差の部門7番手タイムで滑り出した。
(以下、発表リリース)
WRC 第8戦 ラリー・エストニア デイ1
シーズン後半戦の初戦、ハイスピードグラベルラリーのエストニアが開幕
ドライバー選手権首位のエバンスが総合2位につける
7月17日(木)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「ラリー・エストニア」が、エストニアのタルトゥで開幕。スーパーSSが1本行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車) が総合2位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合4位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合6位につけました。また、今回がGR YARIS Rally1での初陣となるオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)は総合7位で、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は総合10位でラリー初日を走り終えました。
全14戦で開催される2025年のWRCは、今大会からシーズン後半戦に突入。第8戦ラリー・エストニアは、第5戦から3戦続いたラフグラベル(荒れた未舗装路)とキャラクターが大きく異なる、ハイスピードなスムースグラベルイベントです。2年ぶりのWRC開催となるラリー・エストニアは、今回もエストニア第2の都市「タルトゥ」がホストタウンに。タルトゥを代表する建築物であるエストニア国立博物館の敷地内に展開するサービスパークを中心に、4日間に渡り競技が開催されます。初日の木曜日は、午前中にサービスパークの南側エリアでシェイクダウンが行われ、全長4.08kmのステージでロバンペラが1番手タイム、勝田が2番手タイム、ソルベルグが5番手、パヤリが7番手タイム、エバンスが8番手タイムを記録しました。
タルトゥの中心部、市庁舎前広場で夕方開催されたセレモニアルスタートに続いては、サービスパークに隣接する特設会場で夜8時過ぎからスーパーSSが行なわれました。全長1.76kmのショートステージではドライバー選手権をリードするエバンスが、首位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)と0.5秒差の2番手タイムを記録し総合2位に。以下、ロバンペラは首位と1秒差の総合4位、勝田は1.4秒差の総合6位、ソルベルグは1.8秒差の総合7位、パヤリは2.5秒差の総合10位で初日を終えました。
なお、今大会よりチームはパートナーとして「セントラル・オートモーティブ・プロダクツ」を迎え、GR YARIS Rally1のワークスカーのAピラーには同社のロゴマークが新たに加わりました。
ユハ・カンクネン(チーム代表代行)
ここ数戦よりもハイスピードな、エストニアの道を走れることを我々の全ドライバーが喜んでいると思います。私自身はこのラリーに出場したことはありませんが、フィンランドのステージとは少し異なり、ジャンプやクレスト(丘越え)がそれほど多くないことは知っています。それでも路面は良く、非常にハイスピードで素晴らしいステージです。カッレはここで3回優勝しており、このラリーのステージに自信を持っていますが、オィット・タナックにとってはホームラリーなので、手強いライバルになるでしょう。エルフィンは、ここ数戦で出走順が一番手だったにも関わらず素晴らしい仕事をしてきました。このラリーのステージはよりクリーンかつハイスピードなので、これまでほど苦しむことなく戦うことができるでしょう。貴元とサミもいい戦いができると思いますし、それはオリバーも同様ですが、彼にとって最も重要なことは、ラリーを最後まで走り切り経験を積むことです。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
エストニアは熱烈なラリーファンが多く、人々はこのスポーツに情熱を注いでいるので、スタートでは常に温かい歓迎を受けます。ここ数戦とはペースが大きく異なり、エストニアのステージはハイスピードで楽しめるものなので、この週末を心待ちにしていました。明日はステージの出走順が1番手ですが、競技が始まる前の準備段階で少し雨が降ったので、それほど不利にはならないでしょう。明日朝の路面コンディション次第ではありますが、皆が同じようなコンディションで走行し、接戦になることを願っています。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
エストニアに戻ってくるのは、いつだって本当に嬉しいです。WRCのカレンダーの中でもお気に入りのイベントですし、ファンも最高です。ステージは非常にハイスピードで、常にプッシュする必要がありますが、思い通りに走ることができた時は、良いタイムが出るものです。このラリーのステージではいつも自分が思うように走ることができますし、シェイクダウンも最後に良いフィーリングが得られたので、準備は万端だと思います。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
ハイスピードなグラベルステージと、素晴らしいファンの皆さんがいらっしゃるエストニアに、戻ることができて嬉しく思います。SS1ではまずまずのスタートを切ることができました。シェイクダウンではクルマのセッティングを確認し、興味深いことが見つかったので、戦うための準備は整っています。明日は大きなチャレンジの一日になるでしょう。適切なペースを見つけ、確実に走ることとハードにプッシュすることのバランスを保つことが重要です。
サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
エストニアのファンの皆さんの情熱をラリーのスタート時に感じるのは、いつだって素晴らしいことです。とても良いラリーだと思いますし、これまで別のカテゴリーで感じてきたような良いフィーリングと自信を得るため、ただ楽しんで走ることだけを心がけます。シェイクダウンでのフィーリングは良く、予想以上にグリップが良かったので、明日のコンディションがどうなるのかは分かりませんが、さらに改善するために調整を試みました。
オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)
GR YARIS Rally1での初ラリーをスタートするのは素晴らしいことです。スーパーSSでは、タイトなコーナーで1速と2速のどちらを使うべきか迷いましたが、そのうち慣れるでしょう。シェイクダウンのハイスピードな道でのフィーリングは信じられないほど良かったです。フィンランドでのプレイベントテストは順調でしたし、クルマが自分の思い通りに動くような感覚を得られました。しかし、ここの道はよりテクニカルで、路面は軟らかくて変化が激しいので、適応できるように試みています。明日は非常に難しいステージが何本かありますが、楽しんで走りながらフィニッシュを目指し、どうなるか結果を見たいと思います。
ラリー・エストニア デイ1の結果
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m42.9s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +0.5s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +0.6s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1.0s
5 ロベルト・ヴィルヴェス/ヤッコ・ヴィッロ (シュコダ Fabia RS Rally2) +1.2s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1.4s
7 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1.8s
8 ゲオルグ・リンナマエ/ジェームズ・モルガン (トヨタ GR Yaris Rally2) +2.1s
9 トゥッカ・カウッピネン/セバスチャン・ヴィルタネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +2.1s
10 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2.5s
(現地時間月7月17日20時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
明日のステージ情報
競技2日目となる18日(金)のデイ2は、いよいよ森林地帯での本格的な戦いがスタートします。午前はサービスパークの北側エリアで2本のステージを各2回走行。その後、サービスパークでのミッドデイサービスを経て、午後はサービスパークの南側で1本のステージをSS6/7として2回走った後、最後にエルヴァの市街地で全長1.72kmのスーパーSSを、SSS8として走行します。7本のステージの合計距離は120.64km。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は463.78kmとなります。