
©Keiko Ito
TGR WRCチャレンジプログラム4期生でコ・ドライバーとして参戦する前川富哉。2025年WRC第9戦フィンランドのレッキを終えて、初WRCへの意気込みを語った。
──今回のレッキの感想を教えてください。
難しいという印象が先行していて、普段フィンランド選手権でフィンランドの道をよく走っているんですけど、WRCで使われる道はそれに比べてトリッキーだと感じています。自信が持てているか、というと難しいところです。私はWRCのイベントは初めてですし、これまでレッキだけは何度か参加していますが、競技のためのレッキで難しい道をどう攻略しようかと悩んでいる感じです。
──慣れていくのが重要になりますね。
そうですね、いま難しく感じているということは、自分の中で苦手な部分だとか、読みづらいと感じているという部分があるということなので、経験を積むことができるのは良いことですし、ポジティブに捉えていきたいと考えています。
──今回の目標は具体的にどのような感じですか?
まずは完走して、すべての道をちゃんと走って経験を積むということが一番の主眼になっています。我々は今回ラリー4で参戦するのですが、クラスに2台しかいなくて、競い合ってという感じにはならないので、どちらかというとひとつひとつのステージをどのように走り切るか、どれくらいプッシュできるか、というところに関して自分との戦いになります。普段の自分たちのフィンランド選手権と比べてどうなるかを見つつ、経験を積んでいきたいです。
──番難しいのは高速であるという点ですか?
高速な場所とタイトなコーナーがミックスされていて、そこでリズムが変わるので、そこを合わせこむのが難しいです。特にこのラリー4というクルマは加速が速くないので、一回低速なセクションに来ると、そこから伸びるまでは結構ゆったりです。いったん加速してしまうとハイスピードコーナーは速く回れるので、そのリズムの切り替えが特に難しいと思います。
──ジャンプとかはどうですか?
ジャンプは結構ランディングがハードです。(ドライバーの)ヤルッコ(ニカラ)が全開で踏みちぎるジャンプは多くないので、クルマも労らないといけないですし、ジャンプのタイミングも意識して読まないとランディングの瞬間もきれいに読み続けるのはちょっと難しいです。フィンランド選手権でもジャンプは経験できるので、そういう経験値を養いながら勉強しています。
──今回の抱負を聞かせてください。
なるべくミスをせず、フィニッシュまで走り切るというということですね。ちょっとしたことでミスしてしまうことがあるので、それを少なくしてヤルッコをサポートできるようにしたいです。
(Keiko Ito)