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全日本ラリー北海道:ヤリ-マティ・ラトバラが全SSを制して大きくリード。2番手は勝田範彦

©Naoki Kobayashi

2023年シーズン全日本ラリー選手権第7戦「RALLY HOKKAIDO」の初日は、9月9日(土)に8カ所のスペシャルステージを走行。JN-1クラスは、ヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン(トヨタ・GRヤリスJP4-ラリー2)が、勝田範彦/木村裕介(トヨタ・GRヤリスJP4-ラリー2)に1分52秒7差をつけてトップを快走している。2分28秒7差の3番手にはヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)がつけている。

7月の第6戦カムイから約2カ月のインターバルで迎えたグラベルイベント2戦目のラリー北海道。これまでと同様、北海道帯広市を拠点に十勝エリアを舞台にタフなラリーが展開される。ラリー初日は「RIKUBETSU LONG(4.63km)」と「YAM WAKKA(23.49km)」を3回、間に「PAWSE KAMUY REVERSE(9.81km)」を2回走行する8SS、103.98kmを走行する。

今回のラリーでは新井敏弘/保井隆宏が新型ラリーカーのスバルWRX S4を投入、TOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/安藤裕一もDAT車両を初のグラベルラリー実戦に持ち込んだ。ラリーは8日(金)の夕方に帯広駅前の平原通でセレモニアルスタートを実施。9日の朝6時に北愛国サービスパークを出発し、ステージへと向かっていった。

陸別サーキットを舞台とするオープニングステージでは、全日本クラスの先頭走者を務めるラトバラがベストタイムをマーク。SS2番手のコバライネンに5.6秒の差をつけるスピードを見せて、ラリーの主導権を握った。ラトバラの勢いはとどまるところを知らず、ラリー最長のステージとなるSS2(23.49km)でも、SS2番手の勝田に25.2秒差をつけてみせた。勝田はこのSSで総合2番手に浮上。以降も、リズムがつかめずペースの上がらないコバライネンを終始上まわってみせた。

ラトバラは続くSS3、SS4でもベストタイムを連発。先頭走者でありながら、後続を寄せ付けないペースでこの日の1ループ目を走り切った。「いい走りができたね。最初はかなりナーバスだったけれど、今はいいフィーリングで走れている。ヤムワッカはすこし荒れていたけれど、そこまで酷くはなかった」と、首位のラトバラは笑顔を見せた。JN-1クラスは2番手に勝田、3番手にコバライネン、4番手に新井というオーダー。2番手の勝田は「どんなに上手くいっても、ラトバラ選手とは1キロあたり1秒の差があります。大きな要因はブレーキングで、まだ詰めることができると思うんですが、バラつきがありますね」と振り返った。

午後のループは4SS、61.42kmという設定で「YAM WAKKA(23.49km)」をさらに2度走行する厳しいコースとなる。ラトバラのペースは午後にもまったく衰えることなく、追いすがる勝田を1kmあたり約1秒差で引き離す好走。午後の4SSもすべてベストタイムをマークし、総合2番手の勝田に1分52秒7差をつけて初日をまとめた。

「2回、スローパンクチャーした。ヤムワッカで攻めすぎたんだと思う。でも1日を通してドライビングが進化できたことがうれしいね。タイムも今朝より良くなっている」とラトバラ。「今回GRヤリスJP4-ラリー2を走らせて、エンジンのトルクやクルマの挙動、強さを感じることができた。正式に投入する来年に向けて自信を感じ始めている」と、将来のラリー2車両についても大きな手応えを得る結果となった。
勝田は「すごく、いいラリーになっています。考えれば、考えるだけ成長できる。伸び代があると実感しています。ラトバラさんの参戦は、僕だけでなくみんなの刺激になっていると思います。全日本のレベルが全体的に上がる気がしますね」と、コメント。ペースをつかめず3番手につけるコバライネンは「上位ふたりは速いから、これを受け入れるしかない。問題はグラベルにおける僕のドライビングだと思う。スリッパリーなコンディションで、自信をもってドライブできていないんだ」と肩を落とした。新型のWRX S4で参戦する新井は4番手。「午前中からトラブルが出てしまったのが痛いですね。まずは壊れずに走ってくれれば」と、ある程度の手応えを得つつも、改善点も見えてきているようだ。

JN-2クラスは、チャンピオンを決めた奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)がすべてのSSでベストタイムをマーク、クラス2番手の川名賢/前川冨哉(トヨタGRヤリス)に3分0秒2の差をつけて首位を快走している。なお、今大会で初めてDAT車両を持ち込んだ眞貝はSS2でトラブルにより戦列を去っている。



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