WRCフィンランド:トヨタ勢、エルフィン・エバンスと勝田貴元が1‐3フィニッシュ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCフィンランド:トヨタ勢、エルフィン・エバンスと勝田貴元が1‐3フィニッシュ

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)は8月6日(日)、フィンランドのユバスキラ市街地でSS19〜22の走行が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティンが優勝、勝田貴元/アーロン・ジョンストンが激闘の3位争いを制し、チームが1‐3フィニッシュを果たした。4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで参戦したヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネンも総合5位で、ラリー1マシンでの初めてのラリーを終えた。

(以下、チームリリース)


WRC 第9戦 ラリー・フィンランド デイ4
エバンスが2年ぶり2回目のラリー・フィンランド優勝を飾る
勝田は激戦を制し今季最上位の総合3位を獲得

8月6日(日)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」の最終日デイ4がユバスキュラのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)が優勝。勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合3位を、スポット出場のヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組(97号車)が総合5位を獲得しました。

Toyota Gazoo Racing WRT

ラリー・フィンランドの最終日は、前日と同様サービスパークの南西エリアが戦いの舞台となり、「モクシ-サーロイネン」と「ヒモス-ヤムサ」という2本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。4本のステージの合計距離は51.64kmでした。最終日は早朝から雲間に青空が見えるなど、久々に降雨のない爽やかな一日に。気温も23度前後まで上昇しました。それでも、依然湿り気を帯びた路面も多く残り、最後まで気の抜けないコンディションでの戦いとなりました。

前日のデイ2で、総合2位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に対する差を32.1秒まで拡げた首位エバンスは、最終日も好調を維持。オープニングステージのSS20を制し、差を33.7秒に拡げました。続くSS21では、総合3位につける勝田が今大会3回目となるベストタイムを記録。表彰台を争う総合4位テーム・スニネンとの差を7.2秒に拡げて1ループ目を終えました。2ループ目の1本目、SS21ではエバンスがベストタイムでヌービルとの差は38.2秒に。一方、勝田は3番手タイムのスニネンと0.9秒差の4番手タイムで、差は6.3秒と僅かに縮まりました。そして、今大会最後の勝負の場となったパワーステージのSS22「ヒモス-ヤムサ2」では、エバンスが今大会10回目のベストタイムでパーフェクトウィン。エバンスにとっては第4戦クロアチア・ラリー以来となる今シーズン2勝目、キャリア7回目の優勝でした。また、ラリー・フィンランドでの優勝は、2021年大会以来2回目となります。エバンスはパワーステージを制したことで5ポイントのボーナスを加算し、ドライバー選手権では2位と順位は変わらずも、前日リタイアした選手権首位のロバンペラとの差を、25ポイントに縮めました。

一方、勝田は最終のパワーステージで3番手タイムのスニネンと1.9秒差の4番手タイムを記録。4.3秒でリードを守り、総合3位を獲得しました。勝田の表彰台フィニッシュは、昨年の最終戦ラリー・ジャパン以来となります。なお、チームはエバンスと勝田が獲得したポイントにより、マニュファクチャラー選手権におけるリードを67ポイントに拡げました。また、2019年以来のラリー・フィンランド出場となったラトバラは、最終日も大勢のファンの声援を受けながら安定した走りを続け、総合5位でラリーを終えました。

Toyota Gazoo Racing WRT

豊田 章男 (TGR-WRT会長として)
我々が目指すのはドライバーファーストのチームです。しかし、チーム代表のヤリ-マティが知っているクルマは今までヤリスWRCだけでした。ドライバーたちが乗っているGR YARIS Rally1 HYBRIDには乗っていません。チャンスがあればGR YARIS Rally1 HYBRIDをヤリ-マティにドライブしてもらいたいとずっと考えていました。やっとそれが叶い、ヤリ-マティはドライバー仲間のユホと共に全てのステージを走り切ってくれました。彼らはずっと笑顔で走っているように見えました。しかし、きっとそうじゃない瞬間もあったはずです。ドライバーがずっと笑顔で気持ちよく走れるクルマを、これからもヤリ-マティ達と一緒につくっていきたいと思います。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
我々にとって素晴らしい週末になり、このラリーで2回目の優勝を飾ることができたので特別な気分です。フィンランドは大好きなラリーのひとつですし、ユバスキュラにファクトリーを構えるチームにとってはホームラリーでもあります。また、この週末に章男さんと一緒に優勝し、彼や貴元と一緒に表彰台に立てたのも特別なことです。この道でこのクルマを走らせるのは素晴らしい経験で、運転を楽しむことができましたし、ラリー序盤からとてもいいフィーリングで走ることができました。金曜日にカッレが戦列を去ったのは残念でしたが、土曜日に向けて少しずつセットアップを進めることができ、それが大きな自信に繋がりました。全てのことが上手く行き、ステージのタイムも自然に上がって行きました。チャンピオンシップの面でもポジティブな週末になり、カッレとのポイント差を以前よりも少し縮めることができました。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
自分にとって第二のホームイベントである、ラリー・フィンランドで表彰台に立つことができて本当に嬉しいです。自分にとっても、チームにとっても、そして章男さんにとっても大きな意味を持つことです。章男さんは僕に大きなエネルギーとモチベーションを与えてくれて、それがテーム(スニネン)との激しいバトルを続ける中で助けになりました。テームは本当にいい仕事をしていたので、決して簡単ではありませんでしたが、コンディションがトリッキーだった土曜日の最後にギャップを築くことができたので、最終日のストレスは少し軽減されました。ラリー・エストニアの後、チームのエンジニアたちと一緒に、どこを改善すればいいかを一生懸命分析し、その結果、金曜日の朝からいいパフォーマンスを発揮することができました。また、テストの時にフィンランドの道を上手く走るためのアドバイスをくれた、カッレにも感謝しなければなりません。

ヤリ-マティ・ラトバラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 97号車)
このクルマで走るのは本当に楽しく、週末は驚きと喜びの連続でした。このような素晴らしいチャンスを与えてくれた章男さんとチームに感謝します。一生忘れられない、本当に驚異的な体験でした。結果を考えることなく、リラックスしてドライブすることなんて、なかなかできないことです。難しいコンディションの中でも自分たちのリズムで走ることができましたし、最終的に総合5位を獲得し、パワーステージでポイントを獲得できたのは素晴らしいことです。また、エルフィンが表彰台の頂点に立ち、貴元が総合3位に入ったのも特別なことですし、本当に嬉しく思います。

ラリー・フィンランドの結果
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h33m11.3s
2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +39.1s
3 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m36.7s
4 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m41.0s
5 ヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4m09.4s
6 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m33.6s
7 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +10m03.7s
8 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Fiesta Rally2) +10m37.5s
9 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2) +11m11.5s
10 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +11m35.2s
(現地時間8月6日17時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

次回のイベント情報
WRC次戦は、9月7日(木)から10日(日)にかけて、ギリシャで開催される第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」です。2021年にWRCのシリーズに復帰したこのイベントは、1951年に初めて開催され、WRC初年度の1973年からシリーズの一戦に組み込まれた伝統的なグラベル(未舗装路)ラリーです。路面はここ2戦のスムースでフラットなグラベルから一変。大きな石が転がる山岳ステージはかなり路面が荒れているところも多く、通常は気温もかなり高いため、クルマにもタイヤにも選手にも厳しい「ラフグラベル・ラリー」として知られています。

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