WRCエストニア:カッレ・ロバンペラ「ドリームチームを作るならドライバーのひとりはタカ」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCエストニア:カッレ・ロバンペラ「ドリームチームを作るならドライバーのひとりはタカ」イベント前記者会見

©Jaanus Ree / Red Bull Content Pool

WRCラリーエストニア、スタート前に行われたミートザクルーイベントでのインタビューの内容(抜粋)。これまでとは趣向を変えて、SNSでファンからの質問にも答える方式となったイベント前のカンファレンス。「ドライバーをふたり選んでドリームチームを作るなら誰を選ぶか」という質問に、ロバンペラは勝田貴元の名前を挙げた。

●ミートザクルーイベントインタビュー出席者

Jaanus Ree / Red Bull Content Pool

カッレ・ロバンペラ=KR(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
オィット・タナック=OT(Mスポーツ・フォードWRT)
エサペッカ・ラッピ=EP(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
スコット・マーティン=SM(トヨタ・ガズーレーシングWRT)

Q:オィット、笑顔が見られてうれしいですが、チームとしては辛い一日になっています。優勝を狙ってこの週末を迎えていたはずですが、すでに厳しい状況になってしまいました。今の気分は
OT:5分前に起きたばかりで、良く寝たよ。火曜日からプレッシャーを感じながら目標を果たそうとしていたが、あのようなことが起きてしまい、プレッシャーがなくなって突然ものすごく疲れを感じてしまったので、少し休めて良かったよ。

Q:プレッシャーがなくなり、思い切り全開で攻めることができる。(観客に向けて)ファンのみなさん、彼の全開の走りを楽しみにしているのではないですか?(大歓声)ちょっとプレッシャーになってしまったかも(笑)
OT:どうなるかな。まだいくらかポイントは獲れるんじゃないかと期待している。そのためには、必死に頑張らなくてはならない。長い週末になりそうだ

M-SPORT

Q:今回はいつものミートザクルーや記者会見と違い、世界中にストリーミング配信されており、SNS経由で質問も届いています。その質問を始めようと思いますがその前に、スコット・マーティンについて。(エルフィン・エバンスの)コ・ドライバー、スコット・マーティンは、今回が170回目のWRC参戦。素晴らしいですね。スコット、今の気分は
SM:正直、ここに上がっているのは不思議な気分。いつもはドライバーしか出席しないからね。でも、呼んでくれてありがとう。素晴らしい天気、最高のファン、WRC170戦目という、ちょっとしたお祝いになったよ。ちょっと年を感じさせるけどね。でも、今回のイベントを楽しみにしている。高速でアメージングなステージ、マシンが順調なら本当に素晴らしい感覚を味わえる。ラリーを楽しみたいね。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:あなたへSNSに質問が届いています。最初は、ペトロスキーDさんから。「カラオケで歌える以外に、WRCのコ・ドライバーとして最も備えていなくてはならない重要な能力はなんですか」 。カラオケ以外にありますか?
SM:クルマ酔いしないことかな(笑)。

Q:それは重要ですね。もうひとつ、マイケル・ランドさんから。まだあなたには引退してほしくありませんが、質問は「ラリーをやめたら何をしますか?」
SM:なにも計画していないね。楽しめるうちは続けるよ。できれば、あと数年はやりたいね。WRCの輪の中で、このチームやエルフィンのような人と仕事をしていることを心から楽しんでいるので、楽しめる限り続けたい。

Q:色々なドライバーと組んできましたが、メカニックとしても、コリン・マクレーのマシンを担当していたことがあると言っていました
SM:そう、視覚テクニシャンとして働いていたよ。

Q:視覚テクニシャン! みなさん、フロントガラスの掃除をするお仕事ということですよ
SM:その通り。当時は、コリンからもカルロス(サインツ)からも、窓が汚いと文句を言われたことはなかったよ。でも、1998年だったと思うけれど、初めてのWRCイベントはメカニック、というか、フロントガラスの掃除とコーヒーを作る仕事だった。いずれにしても、その時のこうした経験がすべて、コ・ドライバーとして参戦することにつながった。どの時代も楽しかったし、常に浮き沈みがあり、成功と失敗の連続だった。でも、どんな時でも学びがあった。いろいろな話がたくさんあるし、言ったようにこれまでのキャリアをすごく楽しんでいるので、これからも逸話を作り続けたいね。

Q:数年後には、その逸話をまとめた「スコット・マーティン物語」が出版されるのを楽しみにしてますよ。次は、スコットのチームメイト、カッレ・ロバンペラにプレッシャーを与えてみたいと思います。カッレ、スコットはどんなチームメイトですか
KR:とてもいい人だよ。彼と仕事をするのは楽しい。それに、ラリーの後には食事に行くんだけど、本当に面白い人だよ。それにいい友人だと思っている。自分が生まれる2年前からWRCに参戦している人だけどね。だから、自分よりもずっと長くWRCにいて、たくさん経験を積んでいる。それに、彼は自分の仕事を分かっている。

Q:まったくですね。さて、あなたもこのイベントでは存在感を放っています。ここで初めてのWRC優勝を飾り、今回は選手権リーダーとして迎えます。今の気分は。もちろん、みんなと同じようにポディウムの頂点を狙っていると思いますが、選手権争いの面でいま勝つことは必要ですか?
KR:今年見てきたように、一番になることがいつでも重要というわけではない。まず、安定感があってポイントを獲得することが重要。でももちろん、今年はあまり勝てていないので、もう少し勝ちたい。それに、ここはカレンダーの中でも好きなイベントなので、ここで勝ちたいと思わない理由はない。だから、もちろん勝利を目指している。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:みなさんに、インスタグラムからMax86Bさんからの質問です。ステージを走り始める直前の10秒間、頭に何が浮かびますか? オィットから
OT:いつもは、スタート前の10秒は色々なことに気を配る。ステージモードにして、全部のボタンを起動させる。それから、残り5、4、3、2、1、でスタートだ。基本的には、この間にリズムをつかみ、ゼロの時点でスタートできるようにする。

Q:気持ちとしては? 最初のコーナーのことを考えるんですか、それとも気持ちを無にするように心がけている?
OT:考える時間はないね。秒のことに集中しているし、スタートの瞬間が一番重要だから。

Q:カッレはどうですか
KR:オィットも言ったように、マシンを動かす準備をする。それから、少なくとも自分は何も考えない。直前の10秒間のことは覚えていたことがない。ステージのことだけに集中するけど、同時に何も考えないようにする。

Q:EP、スタートラインで何か頭に浮かんでいますか? それとも空っぽですか
EP:空っぽなのはいつもだと思うけど(笑)、ただ数字が減っていくだけ。かなりオートマチックに進んでいく。だから、自分が何をしているか、あまりよく考えない。すべてを正確に行い、カウントダウンしていく。

Q:スコットはちょっと立場が違いますね。カウントダウンをして、ペースノートの最初の言葉を読む準備をする、対照的です
SM:そうだね、通常、スタートまでの10秒はすべてが整っているはず。だから文字どおり、秒を数えるだけだよ。10、9、から1まで数えて、Goだ。通常はもちろん、最初の数コーナーは分かっている。事前に確認しておくんだ。

Q:Facebookから、ジャニスさんからの質問です。自分のほかにドライバーをふたり選んでドリームチームを作るとしたら、誰を選びますか。どの時代のドライバーでもいいです。考えてもらう間に、ラッピとお話を。EP、サングラス、超カッコいいですね。ラリーに向けての気分は。シェイクダウンでは、とても満足していたようですが
EP:ありがとう! もちろん、ここと次のフィンランドは好きなイベントだから、すごくワクワクしているし、この週末を楽しみにしているよ。それに、シェイクダウンはすごく良かったが、あくまでもシェイクダウンでしかないから、最初のステージを走るまでハッキリ分からないし、天気も変わりそうだから、それがスパイシーになりそう。

Q:スパイシー! まさに今の選手権争いを表すような言葉ですね。空には雲も見えますが、オィット、この週末は雨が降ると思いますか? エストニア出身のWRCドライバーとしての天気予報は
OT:分からないけど、ここ数日を見ると雨が降りそうだね。

Q:降りそう! みなさん、傘を忘れずに。さて、ドリームチームの件ですが、カッレから。ドライバーをふたり選ぶとしたら誰を選ぶ?
KR:ひとりめは明らか。タカ。彼は親友だからね。それから、EPかな。フィンランド人だし、彼とは昨年、一緒に仕事をしたけど協力しやすい。いい人だし、必要な時に速さを見せてくれるから、とても楽しく仕事ができるチームになると思うよ。

Q:さあ、友人関係はどうなるでしょう。EPはあなたをチームメイトとして選ぶんでしょうか。EPのドリームチームは
EP:自分はもう少しベテランを考えた。自分が選ぶのは、マルク・アレン。たくさんの逸話があるし、揺るぎない自信を持っているからね。(隣のロバンペラを見て)・・・君って言った方がいい?
KR:もう言わなくていいよ(苦笑)
EP:だって、自分は話を振られたから考える時間がなかったんだもん(汗)。

Q:分かりました、もう少し考える時間をさしあげますよ。オィット、あなたのドリームチームは
OT:いま言うなら、最高のチームメイトはセバスチャン・オジエ。彼はチームメイトとして、とても有能だから。でも、逸話っていう意味で言うなら、アレンに勝るのは、ヤリ‐マティ・ラトバラだね(笑)。

Q:スコット、コ・ドライバー目線でドリームチームを作るなら?
SM:どうしよう、難しいね。素晴らしいコ・ドライバーと一緒に仕事をさせてもらったけど、一緒に仕事をする機会のなかったコ・ドライバーを選びたいかな。ということで、ダニエル・エレナ。3人目は、空にいる友人、マイケル・パークだ。彼と一緒に仕事ができたら夢のようだね。

Q:では、EP。プレッシャーはないですよ。あとひとり。カッレが見つめていますが、誰を選ぶ?
EP: ラリー界の外でも彼とは一緒に時間を過ごせると思うから、彼を選ぶよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:なんという友情でしょう!(笑) カッレ、エストニアを攻略する秘訣は
KR:明らかなのは、最初のステージから最後のステージまでプッシュしなくてはならないということ。とても優れたマシンが必要だし、自信を感じられるセッティングを見つけなくてはならない。自信を持てれば、どこでもプッシュできる。自分は昨年同様、スタート順がトップなのでトリッキーな部分だ。金曜日を凌ぎ切って、それから無茶はせずに、すべてを適切に行わなくてはならない。

Q:オィット、何か付け加えることは。Noはダメです。
OT:聞いてなかった(汗)。
Q:聞いてなかったんですか(苦笑)! このラリーで成功を収めるための秘訣です。プロフェッショナルな意見をお願いします
OT:このラリーはすごく寛大で、道以上のものを使うことができる。すごくアグレッシブになれるし、それを簡単にできてしまうかもしれないが、一方ですごく努力が必要だとも言える。それに、楽しむこともできる。



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