WRCフィンランド:トヨタはカッレ・ロバンペラが首位に浮上 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

WRCフィンランド:トヨタはカッレ・ロバンペラが首位に浮上

©TOYOTA

WRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)は8月1日、SS2〜SS10の走行が行われ、5台のトヨタGRヤリス・ラリー1をエントリーさせるトヨタ勢では、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが首位に浮上。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは、3番手にわずか0.4秒差の4番手につけた。TGR-WRT2から参戦するサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデ、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンは5番手、6番手、7番手で続いている。

WRC2部門では、フィンランドのルーペ・コルホネンが首位に浮上。3番手にエストニアのゲオルグ・リンナマエ、TGR-WRTチーム代表で今回はトヨタGRヤリス・ラリー2で参戦しているヤリ‐マティ・ラトバラが3番手、4番手。TGR WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀は、SS9でラトバラと同タイムのステージウインをマークするなど好走を披露して、6番手で折り返した。

ルノー・クリオ・ラリー3でWRC3部門に参戦する3期生は後藤正太郎が12番手につけたが、松下拓未はSS4でメカニカルトラブルによりリタイアとなった。初めてのWRC参戦に挑んでいるコ・ドライバーの前川富哉とヤルッコ・ニカラのコンビ(ルノー・クリオ・ラリー4)は、ラリー4車両唯一の参戦のなか総合48番手でこの日を終えている。

(以下、発表リリース)


WRC 第9戦ラリー・フィンランド デイ2
地元のロバンペラがホームイベントで躍進、首位に立つ
勝田は総合4位に、パヤリは総合5位につける

8月1日(金)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」の競技2日目デイ2が、フィンランドのユバスキュラを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 69号車)が首位に立ち、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合4位に、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が総合5位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合6位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車) が総合7位につけました。

TOYOTA

前日の夜、ユバスキュラ中心部でのSSS1「ハルユ1」で戦いがスタートしたラリー・フィンランドは、金曜日の朝から森林地帯のステージで本格的な戦いがスタート。ユバスキュラのサービスパークの北側から東側にかけてのエリアで、4本のステージを各2回走り、一日の最後にはSSS10として「ハルユ2」を走行。9本のステージの合計距離は114.52kmでした。

金曜日は朝から青空が広がり、とても爽やかな一日の始まりになりました。しかし、午前中のループの最後に雨が降り始め、午後は雨が降ったり止んだりの非常に不安定な天気に。そのため路面は刻々と変化し、非常に難しいコンディションでの戦いになりました。

朝のステージはドライコンディションとなり、多くの路面はルースグラベルに覆われ非常に滑りやすい状態でした。そのため、出走順が早いドライバーにとってはかなり不利な、出走順が遅いドライバーにとっては有利な条件での戦いになりました。オープニングステージのSS2「ラウカー1」では、8番手スタートのパヤリがベストタイム。パヤリは約1年前にこのラリーでRally1デビューを果たし、いきなりキャリア初のベストタイムを記録。今回は、その時以来となるベストタイムでした。2番手タイムは、パヤリと僅か0.1秒差の勝田。勝田とロバンペラは、SS2で首位の座を分けあうことになりました。

TOYOTA

続くSS3「サーリカス1」では、出走順4番手のロバンペラがベストタイムを刻み単独首位に。勝田は総合5位に順位を下げました。その後、SS4「ミヒンパー1」でロバンペラが、SS5「ルーヒマキ1」でパヤリが再びベストタイムを記録し、GR YARIS Rally1は午前中の4ステージ全てを制覇。首位ロバンペラは、総合2位アドリアン・フォルモー(ヒョンデ)に対し4.4秒のリードを築きました。

ユバスキュラでのミッドデイサービスを経て始まった午後の再走ステージは、降雨により路面が湿り、多くの水溜まりができるなど非常にトリッキーな路面での戦いとなりました。午後1本目のSS6「ラウカー2」では勝田がキャリア50回目となるベストタイムを刻み、ロバンペラと3.3秒差の総合2位にジャンプアップ。続くSS7「サーリカス2」ではロバンペラがベストタイムで、ふたりの差は5.7秒に拡がりました。SS8「ミヒンパー2」ではティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が総合2位に順位を上げ、勝田は総合3位に後退。さらに、SS9「ルーヒマキ2」では総合4位に後退しましたが、それでも首位ロバンペラとの差は8.6秒と、僅差の戦いが続きました。

一日の最後には再び「ハルユ2」のステージが行われ、競技が始まる前には前日に続き、水素エンジンを搭載するGR Yaris Rally2 H2 Conceptがデモ走行。助手席に日本人メディアを乗せ、TGR-WRTチーム代表代行のユハ・カンクネンがクリーンかつ迫力のある走りを大勢の観客の前で披露しました。

ハルユ2では、6番手タイムのロバンペラが、総合2位のヌービルに対し4.9秒のリードを守り首位でデイ2を走破。2番手タイムの勝田は、ロバンペラと8.1秒差、総合3位のフォルモーと0.4秒差の総合4位で一日を終えました。また、パヤリは勝田と7.6秒差の総合5位につけ、トップ3を狙える好位置で金曜日を締めくくりました。

出走順3番手のオジエと、2番手のエバンスは、朝のステージでルースグラベルの掃除役を担い、非常に不利なコンディションでの走行を強いられました。さらに、午後は水溜まりが多くできた路面で少なくないタイムを失いましたが、それでもオジエはパヤリと1.9秒差の総合6位、エバンスはオジエと8.4秒差の総合7位につけています。

TOYOTA

サポート選手権のWRC2でも一日を通して僅差の戦いが続き、GR YARIS Rally2のドライバーはローペ・コルホネン(フィンランド/ラウティオ・モータースポーツ)が首位に。ゲオルグ・リンナマエ(エストニア/レッドグレイ)は3位、TGR-WRTチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ(フィンランド)は4位、TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀は6位につけています。

ユハ・カンクネン(チーム代表代行)
良い一日だったと思います。カッレはエストニア後少し自信を失っていましたが、今日は笑顔でサービスに戻ってきたので本当に良かったです。このようなハイスピードなラリーでは、自信を持って全力で攻める必要がありますが、今日のカッレはまさにそれを実践していました。彼がラリーをリードしている姿を見ることができて嬉しいです。貴元とサミも今日はとても速く、彼らがステージで優勝し、上位につけていることを嬉しく思います。エルフィンとセブも、午後の難しい天候の中でよく走ってくれましたし、上位との差はまだそれほど大きく拡がっていません。ドライバーとファンにとって、これからの2日間はさらにエキサイティングな日々になると思います。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
朝は良いスタートを切ることができました。暑く乾燥した天候が続いた後だったので、予想していた通りルースグラベルを少し掃き飛ばしながら走らなくてはなりませんでした。そのことを考えると私たちはかなり調子が良く、タイムも非常に接近していました。残念ながら午後は雨が降って轍に水がたまり、非常にトリッキーなコンディションになったため、私たちにとってはあまり有利な状況ではありませんでした。そのため今日の結果には少しがっかりしていますが、明日は大切な一日ですし、驚くような天気になる可能性もあるので、引き続きベストを尽くして戦います。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)

TOYOTA

自分たちにとっては良い金曜日でした。首位争いをすることができましたし、多くの人々が応援してくれたので、とても楽しかったです。クルマのフィーリングはまだベストとは言えませんが、ハードにプッシュしましたし、速く走るために多くの作業を重ねてきたので、良くなりつつあります。午後は雨が降ってトリッキーでしたが、それでも良いタイムを記録しリードを守ることができました。明日も良い流れを保ち続けられることを願っています。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)
今日は簡単なコンディションではありませんでした。朝はドライコンディションだったので少し路面のクリーニングが必要となり、いくつかの場所で十分に力を発揮することができず、少しタイムを失いました。午後の雨は、私たちを含む出走順が早いドライバーにとっては少し難しかったですが、それほど悪くはありませんでした。改善できる点はいくつかあったと思いますが、それでもポディウム圏内からそう遠くない位置にいるので、明日はポディウムをかけて戦います。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
朝は最初から良いフィーリングでした。いくつかのステージでは苦戦しましたが、クルマに少し調整を加えたところすぐに良くなりました。午後、雨が降ってきた時はプッシュすべきタイミングだと思いました。すぐに良いフィーリングが得られましたし、ベストタイムを記録することもできました。その後もフィーリングは良かったのですが、トリッキーな轍や段差で少しタイムを失ってしまいました。それでもギャップは小さいですし、まだ長い距離を走るので、集中力を切らさずプッシュし続けます。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
自分たちにとっては本当に安定した一日でした。午前中は2本のステージで優勝し、総合3位につけるなど良いスタートでしたが、まだ改善の余地があるとも感じました。午後は少し難しいコンディションになりましたが、それでもトップから大きくは離れていません。全員が非常に接近しており、大きな差をつけるのは難しい状況です。ホームラリーで戦うことができているのは本当に素晴らしく、大勢の観客の皆さんが応援してくれることも嬉しいので、残り2日間も楽しむことができそうです。

ラリー・フィンランド デイ2の結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 56m31.6s
2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +4.9s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +7.7s
4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +8.1s
5 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +15.7s
6 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +17.6s
7 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +26.0s
8 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +40.5s
9 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +1m06.0s
10 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m07.2s
(現地時間8月1日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技3日目となる8月2日(土)のデイ3は、ユバスキュラの南西エリアで「パルッコラ」「バスティラ」「パイヤラ」「レウストゥ」という4本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走ります。8本のステージの合計距離は142.16kmと4日間で最長、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は605.68kmとなります。

TOYOTA



RALLY PLUS