WRCサルディニア:好調のトヨタ、グラベル連戦2戦目で今季5勝目を狙う – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア:好調のトヨタ、グラベル連戦2戦目で今季5勝目を狙う

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、6月1日(木)〜4日(日)にかけてイタリアのサルディニア島を拠点に開催される2023年WRC第6戦ラリーイタリア・サルディニア(グラベル)に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデをマニュファクチャラーズ選手権にノミネートする。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで戦う。

(以下チームリリース)


WRC 第6戦 ラリー・イタリア サルディニア プレビュー
僅かなミスも許されない難関グラベルラリーで
今シーズン5回目の優勝を目指す

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、6月1日(木)から4日(日)にかけて、イタリアのサルディニア島で開催される、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリー・イタリア サルディニア」に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。今シーズン5勝目を目指します。

第3戦ラリー・メキシコでオジエが、第5戦ラリー・ポルトガルではロバンペラが優勝。TGR-WRTは今季2回行なわれたグラベル(未舗装路)ラリーでいずれも勝利を収め、シーズン通算4勝でマニュファクチャラー選手権首位の座を維持しています。また、ロバンペラはポルトガルでの今季初優勝により、ドライバー選手権で首位に立ちました。そして、選手権3位にはオジエとエバンスが同ポイントでつけています。オジエはヤリスWRCで出場した2021年大会も含め、ラリー・イタリア サルディニアでは過去4回優勝しています。また、今回はWRCチャレンジプログラムによる出場となる勝田は、昨年このラリーで総合6位に入りました。

地中海のリゾートアイランドであるサルディニア島のグラベルステージは、WRCの中でも特に過酷なことで知られています。全体的にかなり高速ですが、道幅が狭い道も多く、木々や大きな岩がステージのすぐ近くに迫るため、僅かなミスも許されません。また、路面は多くの部分が砂状のグラベルに覆われているため、出走順が早いドライバーたちにとっては非常に不利なコンディションでの走行となります。しかし、ステージの2回目の走行ではグラベルが掃けて、下から硬く、表面がザラザラとしている岩盤が露出。気温が30度を越えることも多いため、クルマとタイヤに大きなストレスがかかります。

今年のラリー・イタリア サルディニアは、サービスパークが前大会のアルゲーロから、島北東部のオルビアに移動。競技初日となる1日(木)のデイ1は、オルビアの市街地でグラベルとターマック(舗装路)の両路面を走行する「ミックスサーフェス」のスーパーSSが1本行われます。本格的な戦いは、翌日2日(金)のデイ2から始まり、ビッグジャンプで有名なモンテ・レルノのステージを含む3本のステージを各2回走行。モンテ・レルノは今回、例年の2倍以上となる49.9kmの超ロングステージとして行われ、今シーズンここまでの最長ステージとなります。3日(土)のデイ3は、4本のステージを各2回走行し、その合計距離は135.46kmと、デイ2の138.04kmに匹敵する長さです。 最終日となる4日(日)のデイ4は2021年大会と同じ設定となり、2本のステージを各2回走行。そのうち、SS17の再走ステージとなるSS19「サルディニア2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全19本で合計距離は322.75km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1170.06kmが予定されています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
サルディニア島でどのようなパフォーマンスを発揮できるのか、とても楽しみです。昨年のこのイベントでは少し苦戦しましたが、それ以降、荒れたコンディションのグラベルラリーを戦うためにGR YARIS Rally1 HYBRIDに多くの改良を加えてきましたし、メキシコやポルトガルではその効果が発揮されました。例年、サルディニアはポルトガルよりも暑くなりますが、今年は金曜日のモンテ・レルノのステージが50km近くもあり、これほど長いステージは2014年以来です。そのため、特に再走ステージではタイヤのマネージメントが重要になるでしょう。カッレは今回出走順が1番手となるため、非常に不利な条件での走行になる可能性がありますが、セバスチャンとエルフィンは出走順が良いので、彼らが優勝争いに加わることを期待しています。また、ポルトガルでいいパフォーマンスを発揮した貴元の戦いも、非常に楽しみです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
自分たちにとってポルトガルは素晴らしい週末となり、再び勝利を手にすることができて嬉しかったです。次のサルディニアもこの調子で行きたいとは思っていますが、より困難な戦いになることは分かっています。自分にとってサルディニアは、これまでのところシリーズ中最もトリッキーなラリーです。もし、いつものように天気が良く路面コンディションがドライで温度も高かったら、出走順1番手で走行するのは非常に大変でしょう。特に、今年は金曜日に約50kmのステージを走るので、なおさらです。厳しい週末になると思いますが、いつものように、最高の結果を得るためチームと一緒に頑張ります。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
ポルトガルは残念な週末になってしまいましたが、今はそのことを忘れ、サルディニアでどのような戦いができるのかを考えなくてはなりません。前回のラリーよりも出走順は有利になるはずですが、サルディニアは難しいイベントですし、今年のラリーの中でも路面が特に荒れていることは分かっています。間違いなく賢明なアプローチで臨む必要がありますが、それでも楽しみです。サルディニアでは毎年ステージが変わり、ルートの多くは以前から知られているものですが、中には何年も使われていなかった場所もあるので、レッキではペースノートを新たに多く書くことになるでしょう。そしてもちろん、金曜日の非常に長いステージが非常に重要になると思います。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
サルディニアは学びが楽しいラリーです。最初に出た頃はかなり苦戦しましたが、何年か経つうちにだんだんとマスターできるようになっていきました。最近では、出走順が1番だったにも関わらず優勝することができた、2021年大会が特に記憶に残っています。通常、1番手スタートで優勝することは不可能なラリーだからです。ポルトガルを欠場したことで、今回は出走順が少し良くなりますが、それでも難しい挑戦になることは間違いないでしょう。特に、ラリーの主催者が今年の大会のために準備した約50kmのロングステージは難所ですが、私自身はこのようなチャレンジは好きです。なぜならラリーにスパイスを加え、タイヤマネージメントの必要性を高めてくれるからです。間違いなく、面白いラリーになると思います。



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