WRCエストニア:ラトバラ「最初のタイトルチャンスはアクロポリス」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCエストニア:ラトバラ「最初のタイトルチャンスはアクロポリス」イベント後記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRCエストニアのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。ボーナスポイントを狙って多くのドライバーがアタックに挑むパワーステージで、20秒の大差をつけて最大ポイントを獲得したカッレ・ロバンペラの強さにトヨタのチームボスは、早ければアクロポリスにはタイトルが決まるのではと試算した。

●WRCイベント後記者会見 出席者

Toyota Gazoo Racing WRT

1位:カッレ・ロバンペラ=KR(トヨタ・ガズーレーシングWRT、トヨタGRヤリス・ラリー1)
2位:エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズーレーシングWRT、トヨタGRヤリス・ラリー1)
3位:オィット・タナック=OT(ヒョンデ・シェル・モビスWRT、ヒョンデi20 Nラリー1)
ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML:(トヨタ・ガズーレーシングWRT、チーム代表)

Q:カッレ、昨年のWRC初優勝の時のマジックを再び目にすることになった。ステージでの戦いはどうだったか
KR:基本的には、もちろんいい週末だった。砂利掃除をしていた最初の段階から、みんなとビッグファイトになった。エルフィンからも常にプレッシャーをかけられていた。いい週末だったし、まさにラリーのドライビングができるいいステージだった。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:最終日のコンディションについてはどう思ったか
KR:あんな雨は、どこの国でも見たことがない。休憩やリエゾンの時にはいつも晴れているのに、ステージのスタートラインに立つといつも雨が降っているような感じだった。何度も、かなりすごいコンディションの時があった。

Q:最終ステージは見事だった。走る前から5ポイントを狙っていたのか
KR:前に走っていたみんなが大雨だったのを見ていたが、自分の番が近づくにつれて少し弱くなってきた。自分のスタート順的に、チャンスがあると分かった。それでプッシュしたら、いいタイムを出せたよ。

Q:ステージではどんな感じだったか。あのような難しいコンディションで、きわどい場面はなかったのか
KR:もちろん、このようなコンディションでは、少し大雑把になったりイマイチと感じる時もあるが、でも、何か危ない場面があったかといえば、それほどたいしたことはなかったと思う。あのドライビングにはかなり満足していたし、ペースもかなり良かった。

Q:今年、タイトルが獲れる可能性についてどれくらい考えているか
KR:もちろん、考えなくてはならない。大差をつけているし、まだ先にはラリーが待っているが、それを目指して戦っていくよ。

Q:エルフィン、自分のパフォーマンスには満足か
EE:2位でのフィニッシュなんだから、完全に満足できはしない。もちろん、この段階まで厳しいシーズンになっていたし、また高ポイントを獲得できたが、両面の気持ちがある。少なくとも、またポディウムに上がれたのはハッピーだが、もっとコンペティティブになれなかったことは残念だ。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:ステージはどれくらい難しかったか。午前はドライだったのに、午後は違うコンディションになった
EE:多かれ少なかれ、みんな同じだっただろうし、少なくともコンディションの変化は誰にとっても激しかった。結局は対応しなくてはならないわけだし、この週末は、明らかにトリッキーだった区間もあった。

Q:タイトル争いではカッレが大量リードを築いているが、選手権についてはどれくらい意識をしているか
EE:すでに長いリーチができているし、それは長くなる一方だ。いつも言っているように、自分たちのアプローチが変わることはない。どのラリーでもベストを尽くすし、もちろんチームも同じだ。

Q:次は昨年勝っているフィンランドだ。楽しみにしているか。カッレは間違いなく勝ちを狙うだろう。彼の連勝を止める意欲はどれくらいあるか
EE:すごくあるよ。楽しみだし、どうなるかな。いつでも素晴らしいイベントだ。ものすごく楽しめるし、カレンダーの中で一番とは言わないまでも、自分の好きなイベントだ。

Q:オィット、母国ラリーでポディウムに上がった。まだ悔しさが残っているか、それとも満足しているか
OT:自分たちはできることのすべてを尽くした。それでも上のふたりの強さはかけ離れていたが、最終的にはポイントを獲得したし、3台が揃ってフルに走行経験を積んだ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:i20 Nの開発はイベント中にも続いていた。フィンランドで変化が表れる自信はどれくらいあるか。あるいは、ここからフィンランドまでは期間が短かすぎるか
OT:どうかな。何かしらの対応は間違いなくできると思うが、事態はより深く細かい部分のことで、テクニカルなものだ。昨年、チーム代表が離脱して以来、ずっとチャレンジングな日々になっている。本当に大変な時期だったし、世界的にも危機に陥ったし、規定も遅れた。自分たちには、絶対に強いリーダーが必要だ。作業は進行中であり、実現する予定だ。ヒュンデがトヨタに太刀打ちできる存在になるよう今後も努力を続けていく。しかし、今、彼らが非常に強いことは間違いないし、彼らの開発も動きも早い。それと戦うのは大仕事だ。

Q:事態は変えられるという自信を感じている。きみやヒョンデが続けていくことに疑問を持っている人もいる。ヒョンデは確かにWRCの参戦を続けるのだろうか
OT:ヒョンデは間違いなく続ける。韓国からも大きな支持を得ている。確かに、誰もがもっと多くを望んでいたが、一般的な構造をものすごくストレートに変更する必要があるとだけ言っておく。そのことに取り組んでいるし、今年は苦戦しているように見えるが、長期的には我々が挽回することは、このスポーツにとっても重要なことだ。

Q:今回のラリーは天気の影響を大きく受けたがどれくらい難しかったか
OT:カッレも言ったように、こんなに変わりやすい天気は見たことがない。いつでも雨の、ウエールズにいるような感じだった。このように雨が降ったり止んだり、時には大量の水がたまっていたり、エストニアでこのようなラリーは走ったことがない。

Q:このコンディションでの戦いはどれくらいチャレンジングだったか
OT:次のステージがどうなるのか分からないのだから、チャレンジングだった。どこに泥が出ているか分からないし、路面も天気も常に変化するし、場所が変われば水の量も変わる。大仕事だったよ。

Q:ヤリ‐マティ、チームボスとして、このリザルトにどれくらい満足しているか
J-ML:最高に満足している。4台のトヨタがトップ6に入ったんだ。今年はスウェーデンが高速イベントだったが、グラベルでは今回が初めてだった。序盤からマシンのパフォーマンスを見ることができたので、そのことがうれしい。ドライバーたちもトップ争いをしてくれた。元ドライバーとして見ても、このコンディションは走りやすいとは言えないと思う。常にグリップレベルが変わり、絶えず変化していく。夏でグリップがストレートに得られたはずのラリーで勝った。タフな週末だったが、みんな素晴らしい仕事をしてくれた。カッレは、難しいコンディションの方が強いようだ。

Q:パワーステージについてどう思ったか。ステージ中、どんなことを考えていたか
J-ML:いろいろなことを考えていた。最初のマシンが走り終わった時、自分たちのチームのマシンにはいい流れにはならないと思った。(アンドレアス)ミケルセンのタイムがベストになり、自分たちにはチャンスはないと思った。でも、状況が良くなり始め、エルフィンのスプリットを見て彼はいけるかもしれないと思った。それで、もしかしたらカッレもいけるのかもとは思ったが、彼はこれ以上ない速さで最初のスプリットを出したので、もう自分は何も言うまいと思った。パワーステージで20秒差をつけられるなんて、めったにできることではない。確かにコンディションは特殊だったし、後の方がコンディションは良くなっていた。それでも、カッレは、このようなリスクを超えてラリーをリードするドライバーだと言える。我々のドライバーはみんな素晴らしい仕事をした。全員、パワーステージのポイントを獲ったんだからね。

Q:カッレがタイトルを決める最初のチャンスはどこで訪れるか
J-ML:80ポイント以上のリードを握っているということは、3戦で決められる可能性がある。ほぼ3戦だ。アクロポリスになるのではないかと考えている。

記者席からの質問
ライナー・クーン(モータースポーツ・アクツエル、ドイツ)
Q:オィット、フィンランドで、安定したコンディションではもっといい戦いができるチャンスがあると考えているか

OT: ある意味ではそう言えると思う。だが金曜日のように、自分は陸上の100m決勝を走っているのに、この人たち(トヨタ)にとってはウォームアップ、そんなレベルなんだ。

Q:ヒョンデのパッケージの中では、これが限界の攻めなのか
OT: 自分たちには欠けているものが多いので、これから取り組んでいく。もう少し近づけるといいが。彼ら(トヨタ)と張り合うには、今はちょっと手が届かないところにいる。



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