WRCサルディニア:ピレリ、酷暑の母国ラリーにスコーピオンのグラベルタイヤを供給 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア:ピレリ、酷暑の母国ラリーにスコーピオンのグラベルタイヤを供給

©PIRELLI

WRCにタイヤを単独供給するピレリは、今週開幕する第5戦ラリーイタリア・サルディニア(グラベル)で、前戦ポルトガルから投入したスコーピオンの新グラベルタイヤを供給する。

ピレリにとっては地元ラリーとなるサルディニアは、前戦同様にタフなグラベルラリー。この時期の開催は例年気温が高くなり、30度を超えることも見込まれている。道は固い地盤をサンディなグラベルが覆うが、路面の砂利が掃き出された2回目の走行では鋭利な石や深い轍が表れるため、タイヤの耐久性も非常に重要になってくる。

Scorpion KX WRC:ピレリはラリー1マシン用のグラベルラリータイヤにふたつのコンパウンドを用意。いずれも2022シーズンにアップデートを行い構造を強化、重量とトルクが増えた最新のラリー1マシンに合わせた設計となっている。サルディニアでは、摩耗の激しい路面で耐久性を発揮するハードのHAが主な選択肢となる。気温が低い場合、または湿ったコンディションになった場合の選択肢として、ソフトのSAが用意される。

Scorpion K:ラリー1マシンよりもパワーが低いラリー2マシンが対象となるWRC2とラリー3マシンが対象となるWRC3にも、ハードとソフトの2種類のコンパウンドを用意。WRC2のハードはK4A、ソフトはK6A、WRC3にはそれぞれK4、K6を供給する。いずれも、ラリー1マシンが履くKXの特徴の多くが流用されている。

PIRELLI

テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「シーズン最初のグラベルラリーとなったポルトガルも非常に厳しいコンディションとなり、みんなが予想していた以上にタフなものとなった。一方、サルディニアも2回目の走行でステージ路面がひどく悪化するなど、例年、過酷なラリーとなっている。天候はより安定し、気温が高くなることも予想されるため、ハードコンパウンドがメインの選択肢となるが、ソフトコンパウンドの優れたグリップもチームには興味深い選択肢になるだろう」

ピレリが今回のサルディニアに持ち込むタイヤの本数は約1500本。そのうちおよそ480本がラリー1マシン用となる。

ラリー1マシンの各ドライバーがラリー中に使用できるタイヤ本数は、シェイクダウンも含めて最大28本。2022年のグラベルラリーでの新しい規定により、ドライバーは従来の本数に加え、シェイクダウン前に、下記の通常の割り当てに加え、追加でいずれかのコンパウンド4本を選ぶことができる。

Scorpion KX WRC HA:24本
Scorpion KX WRC SA:8本

ピレリは、WRC2、WRC3を含むそのほかの4WDマシンにも計1000本のタイヤを供給する。ドライバーが使用できる最大本数は26本(シェイクダウンを含み、追加で4本を選ぶことができる)

Scorpion K4A(WRC3はK4):22本
Scorpion K6A(WRC3はK6):8本

サルディニアは、ほかのWRCと比べアイテナリーが独特で、各ステージの1回目と2回目の走行がひとつのループに構成されているため、2回の走行を同じタイヤで走ることになる。そのため、タイヤチョイスではグリップと耐久性で最適な妥協点を見いだすことが鍵となる。

PIRELLI



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