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WRCアクロポリス:トヨタは今回も5台体制で怒濤の開幕7連勝へ

©TGR WRT / McKlein

トヨタは、6月26日〜29日にかけてギリシャで開催されるWRC第7戦アクロポリス・ラリーギリシャ(グラベル)に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデ、勝田貴元/アーロン・ジョンストン、TGR-WRT2からサミ・パヤリ/マルコ・サルミネンと、前戦に引き続き計5台のトヨタGRヤリス・ラリー1をエントリー。シーズン中盤に差し掛かっても負けなしという今季、開幕からの7連勝に挑む。

このアクロポリスには、トヨタGRヤリス・ラリー2も10台がエントリー。TGR WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀と小暮ひかるは、今回はWRC2部門に参戦する。

(以下、発表リリース)


WRC 第7戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ プレビュー
南欧ラフグラベルラリー3連戦のファイナル、伝統のアクロポリスに
5台のGR YARIS Rally1で参戦、開幕7戦連続優勝に挑む

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、6月26日(木)から29日(日)にかけてギリシャで開催される、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた、合計5台のGR YARIS Rally1で参戦。シーズン開幕戦からの7戦連続優勝を狙います。

開幕戦でオジエが、第2、3戦でエバンスが、第4戦ではロバンペラが優勝。第5戦と6月に開催された第6戦ラリー・イタリア サルディニアではオジエが連勝するなど、TGR-WRTは今シーズン出場した全てのWRCイベントで勝利を収めてきました。そして、全14戦で開催される今年のWRCは、第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャがシーズン前半戦最後のイベントとなります。伝統のアクロポリス・ラリーは2021年にWRCのカレンダーに復帰して以降、9月の開催が定着していましたが、今年は開催時期が6月に移動。サマーシーズンのギリシャは気温が非常に高くなることが多く、ドライバー、クルマ、タイヤにとって厳しいラリーとなることが予想されます。ギリシャはこれまで、WRC全戦の中でもとくに荒れた路面のステージを走行することが多く、南ヨーロッパで3戦続いたラフグラベル(荒れた未舗装路)ラリーの最後を飾るに相応しい、非常にタフなイベントです。

ここまで全てのラリーを制しているTGR-WRTは、現在マニュファクチャラー選手権で首位に立ち、ランキング2番手のチームに69ポイント差を築いています。また、ドライバー選手権でもエバンスが首位に立っており、それを19ポイント差で2位オジエが、20ポイント差でロバンペラが追うなど、TGR-WRTのドライバーがランキングトップ3を占めています。そして今回のアクロポリスでも、この3名がマニュファクチャラーズポイント獲得資格のあるドライバーとして出場。勝田はチームの4台目としてベストリザルトを狙い、昨年GR Yaris Rally2でこのラリーに出場し、WRC2カテゴリーで優勝したパヤリは上位フィニッシュを目標に戦います。

今年はラリーのスタートが首都アテネへと戻り、26日(木)の夜はアテネ中心部でのセレモニアルスタートに続き、オープニングのスーパーSSが市街地で行われます。その後、ドライバーたちはアテネから西に約80km移動し、シーサイドリゾートのルートラキでひと晩を過ごします。グラベルステージでの本格的な戦いは27日(金)のデイ2から始まり、ルートラキを起点に、ラミアを目指しながら6本のステージを走行します。この日同じステージを2回走行するのはSS2/4のみ、残る4ステージは1回しか走らないため、出走順が早いドライバーたちにとっては非常に難しい一日となります。TGR-WRTの3選手にとっては、ルースグラベルを掃き飛ばしながらのタフな金曜日となることが予想されます。また、デイ2は日中ミッドデイサービスの設定がなく、SS4終了後にはリモートサービスが予定されています。なお、SS6「スティリ」は1997年大会以降初めて走行するステージとなります。競技3日目、28日(土)のデイ3は中央ギリシャのラミアに置かれるサービスパークを中心に行なわれ、ラミアの南側で3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は123.44kmと長く、4日間で最長の一日となります。ラリー最終日となる29日(日)のデイ4は、ラミアの北西エリアで2本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうちSS14/16「スモコヴォ」は新ステージであり、SS15の再走ステージとなる最終のSS17「タルザン2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されています。ラリーは4日間で17本のステージを走行し、その合計距離は345.76km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、1422.04kmが予定されています。

今回のアクロポリス・ラリー・ギリシャには、全部で10台のGR Yaris Rally2が参戦。今回は10台全車がサポート選手権であるWRC2へのエントリーとなります。そのうち、オリバー・ソルベルグ(スウェーデン/プリントスポーツ)は、ポルトガルとサルディニアでRally2クラスを制するなど現在絶好調。ヤン・ソランス(スペイン)とアレハンドロ・カチョン(スペイン)はテオ・マルティン・モータースポーツからのエントリーとなり、カイエタン・カイエタノビッチ(ポーランド/ラリーラブ・テクノロジー)、マルコとブルーノのブラチア兄弟(ボリビア/デルタ・ラリー)、ファビオ・シュワルツ(ドイツ/アルミン・シュワルツ・ドライビングエクスペリエンス)、ゲオルグ・リンナマエ(エストニア/レッドグレイ)、TGR WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀と小暮ひかるが、ラフグラベルの戦いに挑みます。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
前戦サルディニアはチームにとって素晴らしいラリーとなり、同じようにタフなイベントになるであろうアクロポリスに向けて手応えを得ることができました。サルディニアでは、ドライバビリティの向上を目指しクルマを改良する中で多くを学び、先週ギリシャで行った全ドライバーが参加したテストも、競争が非常に激しくなりつつある状況で次のステップに進むために重要なものとなりました。ギリシャは、サルディニアよりも道幅がやや広くスピード域も高いため、我々のドライバーたちに合っていると思います。また、出走順トップで走ることによる難しさも、通常サルディニアほどではありません。それでもエルフィン、セブ、カッレはコースの路面クリーニングを担うことになるでしょう。そして、金曜日をいい順位で終えることが、翌日以降上位争いをするためには非常に重要になります。貴元とサミもサルディニアでは良いパフォーマンスを発揮し、ギリシャに向けて自信を深めました。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
アクロポリスは、硬くて岩の多い路面と、多くの石が散乱する、年間カレンダーの中でも特にタフなグラベルラリーです。今年に関しては例年と開催時期が異なるため、非常に暑く、クルマとタイヤに厳しいラリーになる可能性があります。また、金曜日は多くのステージを1回しか走行しないため、出走順トップで臨むといういつもの難題に直面することになります。それでも、サルディニアでは自分たちのパフォーマンスが向上したので、テストでのさらなる改善を経て、ギリシャでも再び高い競争力を発揮できることを願っています。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
サルディニアでは良いペースを見つけることができ、最終的に多くのポイントを獲得することができましたので、ギリシャでもこの調子を保ちたいと思っています。自分たちは過去このラリーで良いリザルトを残してきたので、今回も良い結果を目指して戦います。ステージのスタイルと路面はサルディニアとはやや異なり、ハードにプッシュし過ぎるとタイヤに大きな負担がかかる可能性があります。しかし、先週ギリシャでテストを行う機会があり、このようなコンディションに対応するためにクルマを調整し、さらなる改善を進めました。ですので、ラリーに向けて準備は整っていると思います。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)
サルディニアは私たちにとって非常にポジティブな週末になりましたが、終わって2日後にはギリシャに向けてのテストを行い、セットアップがさらに良い方向に進んだことを確認しました。ギリシャでもチャレンジにそれほど大きな違いはなく、高温と荒れた岩場の路面が特徴ですので、そのような条件下で再び強さを発揮できることを願っています。出走順を考えると、チームにとって金曜日は今回も厳しい一日になるかもしれません。今回私は出走順が2番手なので、勝利はさらに困難になるかもしれませんが、いかなる挑戦も恐れないですし、自分に何ができるのか楽しみです。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
ギリシャに戻れることを楽しみにしています。昨年は良いペースで走ることができたので、今回はより良い結果を目指します。サルディニアは難しいラリーでしたが、最終的には速さを発揮することができましたし、先週ギリシャで行った事前テストではさらに良いフィーリングを掴むことができました。アクロポリスはいつだって簡単なラリーではありません。クルマとタイヤをケアしながら走る必要がありますし、今年も新しいステージが追加されたようです。しかし、クルマを信頼することができれば楽にスタートを切ることができるので、ベストを尽くします。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
連続してグラベルラリーに出場することは、経験と自信を積む上で本当に役に立ちます。ポルトガルではクリーンにラリーを戦うことができましたし、サルディニアではより自然にペースが上がっていったので、ギリシャでも調子を維持したいと思っています。サルディニアと同様、このラリーでは昨年WRC2で優勝した良い思い出があります。一方、このような過酷なラリーにおいて、下位カテゴリーではクルマをとにかく大切に扱う必要がありますが、Rally1カーは耐久性が非常に高いので、クルマを信頼しよりハードにプッシュすることに慣れる必要があります。



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