マーティン・ホームズのWRCプレビュー・スウェーデン編: シトロエン、ラッピのエンジントラブルは原因特定できず – RALLYPLUS.NET ラリープラス

マーティン・ホームズのWRCプレビュー・スウェーデン編: シトロエン、ラッピのエンジントラブルは原因特定できず

©Citroen

2月14日(木)から17日(日)にかけて、スウェーデンのカールスタッドを拠点に開催される2019年WRC第2戦ラリースウェーデン。大御所WRCメディア、マーティン・ホームズによるラリー直前のWRCチーム近況をお届けしよう。

シトロエン

モンテカルロではWRC100勝目をマークしたシトロエンだが、エサペッカ・ラッピが抱えたエンジントラブルについては未だに問題を特定できておらず、陰りを残した。最終日の午前にセバスチャン・オジエが「マイナートラブル」と表現したスロットルトラブルについては、解決した模様だ。

スウェーデン向けにはテクニカル面での変更はない。両ドライバーは、マールング近郊で2日間のテストを実施。このイベントには新マシンを投入し、オジエはシャシー20、ラッピは18を使用する。テスト車は引き続き、シャシー15を使っている。

WRC2プロには、マッズ・オストベルグがベルギーのDGスポーツが走らせるC3 R5(ジローラム・デメビウスがモンテカルロで使用)でエントリーする。シトロエンのスウェーデンでの勝利は2004年の1回のみだが、オジエ自身はこのイベントで3勝を挙げている。

ヒュンダイ

モンテカルロではチームの自己ベストリザルトをマークし、予想外のテクニカルトラブルはなかった。

今回も3人のドライバーの顔ぶれは変わらず、ダニ・ソルドのシーズン初戦はメキシコとなる。しかし、ソルドはポルトガルのラリーセラス・デ・ファフェにテスト参戦することが発表されている。

各ドライバーが、スウェーデン北中部のカール近郊で1日ずつテストを行ったが、セバスチャン・ローブがクラッシュ。テストカーは、チームによって夜を徹してリビルトされた。

3台のi20クーペWRCはモンテカルロ以降、全て新世代のエンジンとなっており、これは18年の最終戦オーストラリアでティエリー・ヌービル車に搭載されたもの。使用するマシンはモンテカルロと同じで、テストカーはシャシー7を使っている。チーム上層部の人事については、未だニュースは入ってきていない。今年は、WRC2プロへの参戦計画はない。

ローブとヌービルは、スウェーデンで1回ずつ優勝を飾っており、ヌービルが2018年にマークした優勝は、ヒュンダイにとって唯一のスウェーデン勝利となっている。ローブは、2013年以来のスウェーデン参戦に臨む。

Mスポーツ・フォード

今回もモンテカルロと同じ顔ぶれで、テーム・スニネン、ポンタス・ティデマンドは同じマシンを使用するが、エルフィン・エバンスは新たにシャシー7を使う。また、ベルテッリが自ら所有するシャシー2も走らせる。ヤンネ・トーヒノ車(シャシー6)は最新エアロを装着した2019スペックで、ヤン・プロレーシングが走らせる。

モンテカルロでは、テクニカルトラブルはなかった。スウェーデン向けのテストはフィンランド北部で行われ、先日行われたアークティック・ラリーでバルテリ・ボッタスを走らせたのと同じロケーションを選んだ。チームのドライバーはそれぞれ1日ずつ、ベルテッリは2日間行った。テスト車両はシャシー1(XM59ORT)。

WRC2プロでは、ガス・グリーンスミスのシャシー263(エリック・カミリがラリーGBで使用)、ルーカス・ピエニアシェクのシャシー268(グリーンスミスがモンテカルロで使用)を走らせる。また、日本のマツノ・タケミがエントリーするシャシー277(ペドロ・ヘラーがオーストラリアで使用)も走らせる。

フォード勢はスウェーデンでは、1967〜2012年の間に6回勝利を挙げているが、今年参戦するドライバーの中ではポディウムに上がった者はいない。

JWRCでは、13台のR2T車両全てが新モデルとなり、WRCに初登場。うち3台は、フィンランド選手権のアークティックラリーに既に参戦している。

トヨタ

TOYOTA GAZOO Racingは2017年にスウェーデンで1勝を挙げているが、ヤリ‐マティ・ラトバラ自身は4回、勝利をマークしている。オィット・タナックは2017年に2位に入っており、ラトバラ以外のドライバーではこれが唯一のポディウム歴となっている。

今回は、ラトバラにとって14回目のスウェーデン参戦で、これはオジエよりも1回多い。2008年、当時22歳のラトバラは、史上最年少でWRC勝利をマークした。2017年には、ヤリスWRCにWRC初優勝をもたらしている。
(Martin Holmes)



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