マーティン・ホームズのWRCプレビュー・メキシコ編「タナクはトヨタからの初グラベル戦」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

マーティン・ホームズのWRCプレビュー・メキシコ編「タナクはトヨタからの初グラベル戦」

©Red Bull

3月8日(木)から11日(日)にかけて、メキシコのレオンを拠点に開催されるWRC第3戦ラリーメキシコ。大御所WRCメディア、マーティン・ホームズによるラリー直前のWRCチーム近況をお届けしよう。

シトロエン

スウェーデンでは、技術的な面ではすべて順調に進み、クレイグ・ブリーンが総合2位でフィニッシュ。スポット参戦のマッズ・オストベルグも、C3 WRCでのテストが非常に限られた中でもパフォーマンスを披露した。スウェーデン終了後の見解として、走行順は「時には有利になり、時には不利になる」。

メキシコ向けには、スペイン南部アルメリア地方、シエラネバダ山脈の麓で4日間のテストを実施。道のコンディション、標高、気温を考慮してバランスのいいロケーションとして選んだ。

メキシコでは、クリス・ミークはモンテカルロのマシン、スポット参戦のセバスチャン・ローブは、ブリーンのマシンを使用する。最新の2018年参戦プランは、ミークが全戦に参戦、ブリーンは10戦、残りの3戦をローブがエントリーする。さらに、カリッド・アルカシミが数戦に参戦。

興味深いデータとして、ミークとローブはいずれも、前回参戦したラリーメキシコで優勝を飾っているのだ! (ミークは2017年、ローブは2012年)

ヒュンダイ

スウェーデンでは、これといった問題は発生しなかった。スウェーデン後の見解は、オジエは現状のルールにのっとって勝負をし、Mスポーツ・フォードをとがめることはできないというもの。「ルールはこのようになっているのだし、それは受け入れられなければならない」

メキシコ前のテストとして、スペイン北東部のジローナ近郊で3日間のテストを実施。メキシコで想定される路面やコンディションを考慮して、このエリアが選ばれた。チームが使用する3台は、すべてスウェーデンと同じもの。ダニ・ソルドは、ヘイデン・パッドンのマシンをドライブする。ヤリ・フッツネンは新型のR5マシン(シャシー37)をドライブ。運営を担うのはサラザン・モータースポーツだがエントリーはヒュンダイ・モータースポーツと、通常通りの体制となる。

ヒュンダイ勢はこれまでメキシコでの勝利がなく、全ドライバーが一度はリタイアを経験している。しかし、ティエリー・ヌービルは3位フィニッシュが3回、アンドレアス・ミケルセンは1回マークしている。

選手権リーダーのヌービルは「気温の高いイベントなので、ブレーキにはいつも以上に留意しなければならない。エンジニア達はパワーに気を配るし、そのためにドライビングスタイルも変更しなくてはならないからね!」

Mスポーツ・フォード

スウェーデンでは技術的な問題はなく、イベント終盤に行ったチームの決断については満足を見せている。スウェーデン後の見解としては「モンテカルロでいい成績を残したドライバーが、走行順で厳しい不利を担ったことは明らか」としている。2017年規定のフォード・フィエスタWRCがポディウムフィニッシュを逃したのは、今回のスウェーデンが初めてだった。

メキシコ前向けテストは、スペインのバルセロナ北部、カタラン地方でセバスチャン・オジエとエルフィン・エバンスが2日間ずつ、テーム・スニネンが1日を予定していたが、既報通り天候に恵まれず中断を余儀なくされた。英国ダントンを拠点とするフォード・ヨーロッパの人口気候室でシミュレーションを行い、主に、メキシコで想定される路面、標高を考慮して選ばれたエリアだった。

メキシコで使用するマシンは、WRカー勢は今回も同じ。さらにMスポーツは、プライベーターのR5マシンを4台走らせる。

エルフィン・エバンスは、レッキ車として古いボルボを使用するのはメキシコが最後となりそう。今後は、セバスチャン・オジエと同じく、フォーカスRSになる。オジエは、優勝候補の筆頭に挙げられており、過去5年間で3勝、2位を2回マークしている。

トヨタ

TOYOTA GAZOO Racingのクルー陣は、メキシコ参戦経験が最も多いドライバーと最も少ないドライバーを抱える。ヤリ‐マティ・ラトバラには11回の経験があり、エサペッカ・ラッピは今回が初参戦だが、昨年はレッキのみ参加している。その間のオット・タナクは、これまで6回参戦したが、まだポディウムには上がったことがない。

トヨタ車でエントリーしたドライバーでラリーメキシコで優勝したことがあるのは、WRC昇格前の2001年、コロナ・ラリーアメリカとして開催されたイベントを制したラモン・フェレイロスのみ。ラトバラは、フォルクスワーゲンから参戦した2016年に、メキシコで優勝を飾っている。

標高2700mと現状のカレンダーでは最も高地までルートが設定されることから、作業は日本の人口気候ダイノで行われた。昨年オーバーヒートに悩まされた経験から、ヨーロッパでは冷却システムの改良が行われた。ラリーを走行する標高では、パワーが20%低下すると予想されている。

グラベルテストは、冷涼なコンディションのスペインで行われた。タナクにとっては、今回のメキシコがトヨタから参戦する初めての本格グラベルラリーとなる。

メキシコでは、2017年に使っていたマシンを使用。ラトバラはオーストラリアで、タナクとラッピはGBで使用したヤリスWRCをドライブする。これらの車両は、再登録が行われた。
(Martin Holmes)



ワールドラリーカレンダー2019