WRCトルコは旧スペックのエンジンを使用するトヨタ、年間基数制限の影響と負荷を考慮 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCトルコは旧スペックのエンジンを使用するトヨタ、年間基数制限の影響と負荷を考慮

©TOYOTA

9月13日、トルコ・マルマリスの市街地ステージで開幕したWRCラリートルコで、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリスWRCは、フィンランド、ドイツ連勝の原動力のひとつとなった新スペックのエンジン(スペック5)ではなく、今年のモンテカルロからサルディニア(イタリア)まで使用していた旧スペック(スペック4)で走行している。これには、WRCのスポーティングレギュレーションに定められた年間のエンジン使用基数制限が影響している。

レギュレーションでは、ひとりのドライバー(カーナンバー)につき、1シーズンで使用できるエンジンの基数は3基まで。それを超えて使用すると当該ラリーでペナルティが課される。(ただし、前のラリーでリタイアした場合は、年間2基まで新品エンジンを投入することが可能。加えて緊急事態用の特別措置もある)。つまり、3+2までエンジンを使用可能なわけだが、トヨタの3台はフィンランドでスペック5を投入した時点でいずれもこの規定で定められた最後のエンジン投入となった。このままいくと、フィンランドから最終戦のオースラリアまで(リタイアしない限り)6つのラリーをひとつのエンジンで戦うことになってしまうが、それではエンジンに対する負荷が上がってしまう。そのため、サルディニアまでに使用したエンジンをどこかで再登場させる必要が生じたというわけだ。さらには、一度新スペックを搭載したシャシーには旧スペックを搭載できないという規定もあり、考慮の末にトルコでのスペック4の再投入となった。

年間13戦を考えれば、計算上はスペック5の投入を少し遅らせることが理想だったが、フィンランドはトヨタにとってシーズンのなかでも重要なイベントであり、その後のラリーで旧スペックに戻すことを覚悟しての新スペック投入だった。



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