WRCラリーGB:エバンスが母国戦で初勝利目前、ポディウム争いはさらに白熱 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCラリーGB:エバンスが母国戦で初勝利目前、ポディウム争いはさらに白熱

©M-SPORT

WRCラリーGBは10月28日、デイ3の競技を終えて、前日から首位に立っている地元ウェールズのエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)が快走を続けてリードを広げ、WRC初勝利に向けて大きく前進した。

苦節17年で自身WRC初勝利を母国戦で王手をかけているエバンスだが、この日はチームメイトのセバスチャン・オジエからも強力な援護射撃を受けた形となった。この日のステージは、エバンスの自宅にも近いウェールズ中部が舞台となった。午前中に設定されたウエット&マディなコンディション6本のうち、5本でベストタイムを叩き出したエバンス。その後のナイトステージは、深い霧と雨に見舞われたが、悪コンディションのステージを乗り切り、2番手につけたオジエとの差を53.1秒にまで広げてこの日を終えた。

英国特有のマディコンディションのために開発された新タイヤを投入しているエバンスにとって、この日は好都合のコンディションだった。
「午前中は完璧なコンディションだった。これ以上、望むべくもないほどの内容。でも、今日の夜が終わってうれしい。霧の中で路面は完全にマッド。何も見えない場所もあったほどだ」とエバンス。

オジエも、この日を終えて安堵したひとりだろう。慎重な走りを見せたオジエ。エバンスが勝てば、自身が2位でもヌービルとオットを抑えて、最終戦のオーストラリアまで持ち越さずにタイトルを決めることができる。しかし、最終ステージ、霧に包まれたアベヒルナンでは、石にヒットし左フロントをパンクしてブレーキにダメージを負う場面も。それでも、暗闇の中でブレーキディスクを冷静に取り外し、同ステージ2本目の走行に臨んだ。
「このステージはブレーキ3本分だけで走った。フィニッシュにいられるのは、ミラクルだよ。ブレーキに力がなかったので、プッシュはできなかった。早め早めにブレーキをかけていたよ」とオジエ。

HYUNDAI

ヌービルは一時、タナックやオジエをかわして2番手にまで追い上げ、タイトルチャンスに望みをつなぐべく必死のプッシュをかけたが、深い霧に見舞われたSS15で33.8秒をロス。オジエに0.5秒先行を許す形でこの日を終えることとなった。
「これ以上ないほどの深い霧だったんじゃないかと思う。努力したが、視界を得るのはほぼ不可能だった。本当に残念だよ。ハードに戦ってきたし、決してあきらめなかった。その末が、これだ」とヌービル。

さらに霧に悩まされたのは、タナックだった。3番手から6番手に後退したが、エバンスから後ろの5台は、13秒にひしめく大混戦となっている。トヨタのヤリ‐マティ・ラトバラは、ようやくトラクションとアンダーステアの問題が解決して追い上げを開始。ヌービルに4.1秒差の4番手につけた。ヒュンダイi20クーペWRCのアンドレアス・ミケルセンが、さらに5.9秒差の5番手につけている。

TOYOTA

タナックの後ろは、クリス・ミーク。オーバーシュート2回にエンジンストールと、見せ場のない日となってしまった。ヘイデン・パッドンは、チームメイトのダニ・ソルドと頻繁に順位が入れ替わる一日。油圧トラブルに見舞われながらも、8番手でこの日をまとめた。

CITROEN

そのソルドは、霧の中で90秒近くをロスし、エサペッカ・ラッピが間に割り込む形での10番手でこの日を終えた。

この日の主要なリタイアは、ユホ・ハンニネン。サスペンションを破損してストップを余儀なくされた。

運命の競技最終日は、ウェールズ北部に5SS、41.17kmが設定される。ボーナスポイントがかかるパワーステージは、景観の見事な最終ステージ、リンブレニグで行われる。

WRCラリーGB SS16終了時点暫定リザルト
1. エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC) 2:32:39.2
2. セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC) +53.1
3. ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +53.6
4. ヤリ‐マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +57.7
5. アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:03.6
6. オィット・タナック(フォード・フィエスタWRC) +1:06.1
7. クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC) +1:27.6
8. ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC) +2:04.0
9. エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) +2:41.0
10. ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +3:35.8



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