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WRC第10戦ラリーパラグアイ(グラベル)、WRC2部門はオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2)が今季4勝目を飾り、シーズンも佳境を迎える重要な段階で選手権リード拡大に成功した。
数々のドラマが起きる波乱のなか、WRC2部門も首位が何度も入れ替わる展開となったが、ソルベルグがしっかりと勝ち抜き、WRC2タイトルに向けて大きく前進した。
金曜日からペースをつかんだソルベルグは、8SS中、6本のステージウインをマークしたが、SS3のパンクでタイヤ交換のために1分以上をロスしたことから、順位としては部門10番手に。WRC初開催のパラグアイで勝利を収める望みは断たれたかとみられた。
一方、地元パラグアイのディエゴ・ドミニゲス(GRヤリス・ラリー2)は、母国の情熱的な応援を背にSS2〜SS4まで部門トップに立つが、SS5でスピンを喫したことで後退。これで利を得たのは、選手権2番手のヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)で、2番手のニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2)に9.1秒差をつけての首位で金曜日をまとめた。
土曜日はソルベルグの猛烈な追い上げが際立ち、今回で最も見応えのある展開となった。この日設定された7SSをすべてベストタイムで並べると、6番手から一気に2番手に浮上し、タイヤ交換でタイムロスを喫したグリアジンに変わって首位に立ったロベルト・ビルベス(ファビアRSラリー2)まで6.5秒にまで迫り、最終日を迎えた。
日曜日に設定された4SSは、断続的な雨に見舞われ、これがソルベルグの復活劇を演出した。この日、最初のステージでビルベスがコースオフを喫してタイムロスしたことで、ソルベルグが首位に浮上。この日2本のステージウインを奪取したソルベルグは、最終的に2位のロッセルに22.5秒差のリードを築いて勝利を飾った。土曜日の後退から挽回したグリアジンが3位でポディウムに上がった。
「ここまで挽回できて、信じられない。エストニアとフィンランドを終えて、フィーリングを取り戻すのが重要だった。すべてを整えてくれたチームに感謝している。すごく難しいラリーだったけど、素晴らしい仕事をしてくれた。チャレンジングだったし、自分たちも危ない場面がたくさんあったけど、絶対にあきらめなかった」とソルベルグ。
最後から2番目のステージでビルベスがタイヤ交換のために止まったことで、ファブリツィア・ザルディバール(ファビアRSラリー2)が4位フィニッシュ、ビルベスが5位に留まった。
WRC3部門は、イタリアのマッテオ・フォンタナ(フォード・フィエスタ・ラリー3)が1分50秒9の大差をつけてトップフィニッシュを飾った。
WRCパラグアイ WRC2部門最終結果
1 O.ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2) 3:07:00.4
2 Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +22.5
3 N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +1:54.4
4 F.ザルディバール(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:23.2
5 R.ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:32.2
6 A.ベスタルド(シュコダ・ファビアRSラリー2) +6:33.2
7 T.ウェイラー(トヨタGRヤリス・ラリー2) +10:59.6
8 F.パッパラルド(シュコダ・ファビアRSラリー2) +11:10.9