【速報】WRCフィンランド:トヨタのカッレ・ロバンペラが悲願の母国初優勝。勝田貴元は2位表彰台 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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【速報】WRCフィンランド:トヨタのカッレ・ロバンペラが悲願の母国初優勝。勝田貴元は2位表彰台

©TOYOTA

2025年シーズンWRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)は、8月3日(日)に最終日の2SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが悲願の母国初優勝を飾った。39.2秒差の2位に勝田貴元、45.1秒差の3位にセバスチャン・オジエが入り、さらにエルフィン・エバンス、サミ・パヤリも続き、トヨタ勢がチーム拠点の母国ラリーでトップ5独占を達成した。

この日は、SS19、SS20の2本のみの設定。いずれも名物ステージの「Ouninpohja(23.98km)」で、2本の間にはリグループと給油しか挟まれない。2回目の最終SSはもちろん、パワーステージに指定されている。ヒョンデ勢は、金曜日にオィット・タナックが5分のタイムペナルティ、土曜日はティエリー・ヌービルとアドリアン・フルモーが同じコーナーでパンクを喫してポディウム圏内から後退するなど憂き目が続いており、スーパーサンデーポイントを狙いたいところだが、走行順が早いために「難しいと思っている」とヌービルはあきらめ顔だ。一方のトヨタ勢は、首位のロバンペラは36.1秒のリードを築いてこの日を迎えたが、2番手の勝田、3番手のオジエはわずか6.8秒差、その後のエバンスは1.5秒、パヤリもエバンスまで14.8秒と、最終順位がどうなるかはまだ予断を許さない状況だ。この日のラリーエリアは、朝から晴天に恵まれたが、ラリー1勢は全車ソフトタイヤ5本積みでステージへと向かっていく。

オープニングのSS19を制したのは、選手権首位再浮上のためにもスーパーサンデーポイントがほしいエバンス。しかし「これだけ速度域が高いから、大きな差をつけるのは難しいね」と語るように、SS2番手タイムのオジエも0.4秒差で続いた。この結果、総合4番手のエバンスと総合3番手のオジエとの差は1.1秒、オジエと総合2番手の勝田との差は5.5秒となった。ロバンペラは、0.6秒差のSS3番手タイムと堅実にペースコントロール。ヒョンデ勢は、フルモーが2.7秒差のSS5番手タイムが最も好タイムだった。

そして迎えたパワーステージ、SS20。まずはWRC2の上位からスタート。WRC2も、部門首位のルーペ・コルホネンが、追い上げる2番手のヤリ‐マティ・ラトバラ(いずれもトヨタGRヤリス・ラリー2)にかろうじて1.3秒差を残してこのステージを迎える緊張の場面。このフィンランド人対決は、このステージでラトバラとの差を1.1秒残したコルホネンが制し、WRC2初勝利を手にした。

Red Bull

続いて、ラリー1勢はヒョンデのタナックからコースインしたが、終盤で痛恨の高速スピン。8番手タイムだった1本目よりも遅い10分29秒3というタイムに終わってしまった。続いてMスポーツ・フォードの3人がスタート。マルティンス・セスクスが暫定トップの10分18秒2をマークしたが、次のグレゴワール・ミュンステールは左フロントにパンクを喫し、セスクスに10秒6届かず。ここでセスクスが順位をひとつ上げた。次のジョッシュ・マカリアンもタイム更新には至らず、フルモーもステージ中盤で再び左フロントタイヤがパンクと、ドラマが続く。

HYUNDAI

セスクスのタイムを更新したのは次のヌービルで、10分8秒8で後続の結果を待つ。パヤリがタイムを更新できなかった時点で、ヌービルのパワーステージポイント圏内が確定。1本目ベストのエバンスもヌービルには0.4秒届かず。そして、5.5秒差で勝田を追うオジエは、ヌービルのタイムを1.5秒更新する渾身のアタックを披露する。これに対し勝田は、オジエを0.3秒上まわるタイムで応戦。第2戦スウェーデン以来のポディウムフィニッシュを確定させた。そして37.2秒のリードを築いてコースインしたロバンペラは、中盤スプリットで勝田を2秒以上も上まわるハイペースを披露。最終的に勝田のタイムを2.0秒更新し、待ちに待った母国での初優勝にパワーステージ勝利、スーパーサンデー勝利を添えた。フィニッシュコントロールでは、GRヤリス・ラリー1のルーフに上がり、人さし指を突き上げて喜びを表した。

フルモーは、現時点で最終ステージをフィニッシュしておらず、最終SS終了時点での暫定総合順位は、ロバンペラ、勝田、オジエ、エバンス、パヤリ、ヌービル、マカリアン、セスクス、ミュンステール、タナックとなっており、トヨタ勢がトップ5を独占。パワーステージポイントは、ロバンペラ、勝田、オジエ、ヌービル、エバンスがそれぞれ5〜1点を得た。スーパーサンデーはロバンペラ、オジエ、勝田、エバンス、ヌービルという順となった。この結果、ドライバーズポイントはウイナーのロバンペラが35点(25点+5点+5点)とフルポイントを獲得マーク。2位の勝田は24点(17点+3点+4点)、3位のオジエが22点(15点+4点+3点)を獲得した。ドライバーズランキングは、エバンスが176点で首位に返り咲き、ロバンペラが173点で2番手に浮上。オジエは163点の3番手で順位は変わらず。今回かろうじて1点を獲得したタナックは、163点の4番手。マニュファクチャラーズポイントはトヨタが458点とし、371点のヒョンデとの差を広げた。Mスポーツ・フォードが129点、TGR-WRT2が85点となった。

次戦の舞台は、WRC初開催のパラグアイ。8月28日〜31日にかけて、アルゼンチンとの国境に近いエンカルナシオンを拠点に開催される。スムーズな赤土と、トリッキーなテクニカルセクションがミックスされるステージが予定されている。路面はほとんどがソフトで轍が深く掘れるが、突如として路面が変化することも予想されており、まずはレッキで適切なペースノートを作成することが重要となりそうだ。

WRCフィンランド 暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:21:51.4
2. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +39.2
3. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +45.1
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +48.1
5. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:18.8
6. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +2:01.5
7. J.マカリアン(フォード・プーマ・ラリー1) +4:07.4
8. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +5:17.2
9. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +5:24.9
10. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +7:38.4



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