
©Naoki Kobayashi
WRCプロモーターは、2026年WRCカレンダーを構成する全14戦の日程を発表した。ラリージャパンは、これまでの11月開催から、5月末の開催と大幅に会期を変更。意図として、グラベル連戦が続くことで選手権リーダーが担う砂利掃除の負担が大きくなる状況を緩和するために、舗装イベントであるジャパンを挟んだとしている。また全14戦の開催国は4大陸をまたいでいるほか伝統のイベントや新規イベントがミックスされ、世界選手権としての多様性を図った。
開幕戦は今年も伝統のモンテカルロ。シーズンの滑り出しから、ラリー競技の象徴的なフランスの凍った山岳路に挑む難関が待ち受ける。今年は、土曜日夜に市街地ステージが行われることも発表され、過酷な設定にさらなるスパイスが加えられることになる。2025年にカレンダーに昇格したカナリア諸島、パラグアイ、サウジアラビアは2年連続でWRCを開催。サウジアラビアは、2025年に引き続き最終戦を務める。
注目は、シーズンの前半にスノーのスウェーデン、グラベルのケニアとポルトガル、ターマックのクロアチア、カナリア諸島、ジャパンと、様々な路面のイベントをミックスしていること。ジャパンを史上初めて5月に開催することで、競技面でも有意義な利益をもたらすことが期待される。例年、シーズン中盤にグラベルが7戦続いてきたが、この合間に舗装イベントを挟むことで、シーズン序盤に選手権首位に立ったドライバーが砂利掃除の負担を背負い続ける影響を軽減し、より公平で競争力のある条件を模索するWRCの姿勢を強化することが目的だ。
「意図をもって構成したカレンダーだ」とWRCプロモーターのマネージングディレクター、ヨナ・シーベルは語る。
「多様性があり、スムーズに機能し、チーム、ドライバー、関係者からのフィードバックを反映している。我々は、イベントの開催順が選手権争いに与える影響について、真剣に検討してきたのだ」
FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは「2026年のWRCカレンダーは、選手権のグローバルな強さと魅力を強く反映したもの。伝統をつないできた名門イベントと、参戦者やラリー界の興味が継続的に拡大している地域での新規イベントの連続開催を融合させた」
2026年 WRCカレンダー
1. ラリーモンテカルロ 1月22日〜25日
2. ラリースウェーデン 2月12日〜15日
3. サファリ・ラリーケニア 3月12日〜15日
4. クロアチアラリー 4月9日〜12日
5. ラリーカナリア諸島 4月23日〜26日
6. ラリーポルトガル 5月7日〜10日
7. ラリージャパン 5月28日〜31日
8. アクロポリスラリー 6月25日〜28日
9. ラリーエストニア 7月16日〜19日
10. ラリーフィンランド 7月30日〜8月2日
11. ラリーパラグアイ 8月27日〜30日
12. ラリーチリ 9月10日〜13日
13. ラリーイタリア 10月1日〜4日
14. ラリーサウジアラビア 11月11日〜14日