
©Jaanus Ree / Red Bull Content Pool
今週開催されるWRC第9戦ラリーフィンランドは、選手権屈指の高速グラベルラリー。なかでも、オウニンポウヤは名物ステージとして知られているが、今年の最終日は、このステージを2回走行するだけの設定となっており、トヨタのエルフィン・エバンスが「怖さもあるが超絶な設定」と語るなど注目を集めている。
高速グラベルのオウニンポウヤは、23.98km。日曜日現地時間の10時35分と13時15分にスタートする。2回目の走行は、ボーナスポイントもかかるパワーステージに指定されている。故コリン・マクレーも愛したオウニンポウヤは、これまで様々な距離で設定されており、昨年は32.98kmの設定で、土曜日に各ループの最後のステージとして設定された。
過去、フィンランドを2回制しているエバンスは「最終日は2本しかなくても、十分な内容なので、楽しみでしかない。超絶。少し怖さもあるが、超絶なステージだ。速度域はそれほど高くはないが、道のキャラクターはミスの許されるマージンが少ない。誰が一番うまく走れるんだろうね」と語っている。
現WRCチャンピオンであるヒョンデのティエリー・ヌービルは、フィンランドではまだ勝利を挙げた経験がなく、今年の最終日の構成には複雑な思いのようだ。
「誰もが、ひとつひとつのコーナーをできる限り理解して、ラインを最大限に長くトレースして全開で走れるように、かなり深く研究している」と語るヌービル。
「自分がエンジョイできるかは必ずしも必要ではない。本当にいいタイムを出すためには、道を完全に頭にたたき込まなくてはならない。でも、そういうものだからね」
最終日にオウニンポウヤを2回連続で設定する決断を下したことについて、協議委員長のカイ・タルキアイネンは「この伝説のステージに、ファンができるだけ訪れやすくするための方法を見つけたかった。これが、完璧な解決策だと信じている」と説明する。
「ステージ沿いには、観戦できるスペースがたくさんある。ファンがそれぞれ一番いい観戦ポイントを見つける時間を与え、この一日を思い切り楽しんでもらいたい。いろいろなサービスも、格段に提供しやすくなるしね」
このWRCフィランド、エバンスは第2戦のスウェーデン以来守ってきたドライバーズ選手権首位を明け渡し、1ポイント差の2番手で迎える。このため、金曜日は首位に浮上したヒョンデのオィット・タナックに続いての2番手でステージをスタートすることになる。
(Graham Lister)