
©Jun Uruno
■レグ2
競技2日目は「SUNFLOWER(16.01km)」と「NEW SUN-RISE(3.65km)」の2本を、サービスを挟んでリピートする4SS、39.32km。空には雲が広がったが雨は降らず。路面はおおむねドライだが、一部にウエットが残った。新ステージとして導入されたSS9/SS10「SUNFLOWER」は舗装セクションが多数あり、レッキを終えた多くのクルーが「非常にトリッキーなステージ」と口を揃えた。前日、駆動系のトラブルでレグリタイアしたヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)は、マシンを修復し、再出走に回った。
オープニングのSS8は、首位の奴田原文雄/東駿吾(GRヤリス・ラリー2)が勝田範彦/保井隆宏(GRヤリス・ラリー2)に8.2秒、コバライネンに10.7秒差をつける会心のベストタイムでリードを広げる。この結果、4番手の勝田と、3番手を走行する福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアRSラリー2)との差は、一気に0.5秒差にまで縮まった。
SS9はコバライネンが奴田原に3.0秒、勝田に3.1秒差の一番時計。午前中のセクションを終えて首位の奴田原と2番手で追う鎌田卓麻/松本優一(シュコダ・ファビアR5)との合計タイム差は44.3秒に拡大した。また、このステージでは、勝田が福永をかわして表彰台圏内の3番手に順位を戻している。首位から1分34秒8差の5番手には新井敏弘/小坂典嵩(スバルWRX VBH)が続く。
ニセコアンヌプリ国際スキー場でのサービスを挟んだ午後のセクション。奴田原はSS10でもコバライネンに5.8秒、勝田に6.1秒差をつけるベストタイム。最終のSS11もベストのコバライネンから4.5秒差のセカンドベストでまとめ、トップでフィニッシュ。シーズン初優勝に加えて、GRヤリス・ラリー2での全日本初勝利を決めた。首位から1分16秒4差の3位表彰台は、ポイントリーダーの勝田。1分40秒5差の4位に福永、1分55秒1差の5位に新井敏弘が入っている。
2020年の新城ラリー以来となる、全日本ラリー選手権トップカテゴリー制覇を達成した奴田原は「久々に勝つことができて、良かったです。クルマが本当に良く走ってくれました。最終日はあまり無理をせず、マージンを活かしながら丁寧に走ることができましたね。今回、新井大輝選手が早々にリタイアしていますし、彼がいたらまた違った展開になっていたかもしれません」と、冷静に振り返った。
55.8秒差の2位は、第2戦唐津に続く表彰台となった鎌田。「グラベルでのスピードを見せられましたし、まだ伸びしろを感じることができました。今回は2位で上出来だったと思います。今回、次のラリー北海道に向けて、クルマの良い部分と改善点が見つかりました。次に向けてチームと相談しながら、対策を練りたいですね」と、フィニッシュで喜びを語った。3位の勝田は「最近、4位から表彰台圏内に入っていくというパターンが多いですよね。本当はトップを快走したいんですが……、なかなかそうはさせてくれませんね。今回は、改めて自分の走らせ方に課題を感じました。まだまだ勉強が必要です」と、反省の弁を口にしている。
JN-2クラスは、初日を2番手で折り返したMORIZO Challenge Cup(MCC)の大竹直生/橋本美咲(トヨタGRヤリス)がSS8でベストタイムを叩き出して、首位に再浮上。その後は、ペースをコントロールしながら、2位の石川昌平/大倉瞳(GRヤリス)に25.2秒差をつけて、今シーズンJN-2クラス初勝利、MCCでは5連勝を達成した。1分09秒7差の3位にはベテランの大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリス)、4位はMCCにエントリーする長尾綱也/安藤裕一(トヨタGRヤリス)が入った。一方、この日を首位でスタートした内藤学武/大高徹也(GRヤリス)は、「コースオフしてエンジンストールしたり、前走車に追い付いてしまったり……」と、順位を下げるなか、最終のSS11でエンジントラブルによりリタイアを喫した。
得意とするグラベルラリーで、JN-2クラスとMCCのダブル優勝を達成した大竹は「得意なグラベルラリーで、しっかりスピードと強さを見せることができました。最終日の1本目(SS8)は新ステージだったのでリスクを取らず走りましたが、悪くないタイムをマークできましたね。それもあって、午後は落ち着いて走ることができました。ターゲットはMCCだったので、JN-2クラスでの優勝はまったく意識していませんでした。気がついたら……という感じです」と、喜びのコメント。今シーズン初の表彰台となった石川は「チームとして、今年初めて表彰台に上がることができて本当に良かったです。今回、大竹選手がすごく速かったんですが、クルマのセッティングやドライビングに関して、いくつか改善点が見つかったので、それをしっかりクリアしてラリー北海道に挑みたいです」と、次戦でのリベンジを口にした。
JN-3クラスは、山本悠太/立久井和子(トヨタGR86)が、この日行われたすべてのステージでベストタイムを刻み、2位に入った上原淳/漆戸あゆみ(スバルBRZ)との差を44.4秒に広げ、シーズン4勝目を飾った。1分48秒6差の3位に曽根崇仁/小川由起(GR86)、4分22秒2差の4位に加納武彦/萱原直子(BRZ)が入り、初日どおりのオーダーでラリーを終えている。
終わってみれば、SS6以外の全ステージをベストタイムで揃えた山本は「前回のモントレーは、エンジントラブルでリタイアしていたので、その鬱憤を晴らせましたね。シリーズを狙ううえでもグラベル1戦は必ず獲りたかったので、ホッとしています。次も厳しいグラベルのラリー北海道なので、しっかりポイントを持ち帰れるように、走り切りたいと思っています」と、コメント。2位に終わった上原は「最終日は走れば走るほど、差が開いてしまいましたね。午後は自分自身もタイムアップしましたが、山本選手がさらに速くなっていたので差が縮まりませんでした。それでも、だいぶグラベルでのセッティングを煮詰めることができました」と、成果を語っている。
JN-4クラスは、首位の高橋悟志/箕作裕子(スズキ・スイフトスポーツ)が、エンジンに加えて足まわりにもトラブルを抱えながら、初日のマージンを活かし、開幕戦の三河湾以来となるシーズン2勝目をマークした。2位は9.9秒差にまで迫った鮫島大湖/船木佐知子(スイフトスポーツ)。4分46秒7差の3位に筒井克彦/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)が入った。前日、コースオフによりレグ離脱していた藤原友貴/宮本大輝(スズキ・スイフトスポーツ)は再出走にまわり、この日行われたすべてのSSでベストタイムを記録し、レグポイントを持ち帰っている。
マシンに不調を抱えながら首位の座を守った高橋は「本当に疲れましたが、勝てて良かったです。エンジンの不調に関しては、対策をしながら何とか凌ぎ切った感じです。ショックアブソーバーも壊れていたようで、とにかく何かに当てないよう、注意して走りました。すごく嬉しい勝利ですし、シリーズとしても大きなポイントを持ち帰ることができました」と、喜びを爆発させた。高橋に迫りながらも逆転には至らなかった鮫島だったが「まだグラベルでもスピードが足りないようで、高橋選手がトラブルを抱えていても追いつけなかったですね。それでも、昨年よりもペースアップできたので、自分としては成長を感じています。グラベルでは初表彰台なので、すごく嬉しいです」と、納得の表情を見せた。
JN-5クラスは、初日トップの松倉拓郎/山田真記子(トヨタ・ヤリス)が、この日の4SSすべてでベストタイムを奪取。トップの座をしっかり守り切って、今シーズン2勝目、カムイ3連覇を飾った。1分26秒1差の2位に河本拓哉/有川大輔(マツダ・デミオ15MB)が入り、ポイントリーダーの座を堅守。2分56秒6差の3位に小川剛/山本祐也(ヤリス)、4分16秒3差の4位に三苫和義/遠藤彰(ホンダ・フィット)が入った。
事前の予想どおりグラベルで強さを見せた松倉は「ヤリスでの初グラベルでしたが、セッティングが煮詰まっていない部分はアジャストしながら走りました。初日の午前と午後でだいぶ改善されて、良いリードが確保できました。次のラリー北海道に向けて、しっかりセットアップを煮詰めて、万全な調子で挑めるように頑張ります」と、早くも視線はラリー北海道に向いている。松倉との差が前日よりもさらに開いてしまった河本は「一言で言うと、届かなかった感じです。最初からこのような状況は想定していましたし、しっかり完走できたのは良かったです。ラリー北海道の参戦は、まだ検討中です。ポイントの状況を考えて、しっかりと決めたいと思います」と、コメントした。
JN-Xクラスは、初日トップの天野智之/井上裕紀子(トヨタ・アクア)が、この日も全SSでベストタイムを並べ、今季初めて全SSを制しての完全優勝を飾った。3分16秒0差の2位に海老原孝敬/蔭山恵(ホンダCR-Z)、3分31秒2差の3位に清水和夫/山本磨美(トヨタ・ヤリス)が入った。
全SS制覇で開幕5連勝を決めた天野は「アクアの方がグラベルは走りやすかったです。RAV4 PHEVはバッテリーの枯渇を心配しなくていいんですが、コーナーはやっぱりアクアが速いですね。しっかりグラベルで勝つことができましたし、全ステージベストは久々なのでうれしいです」と、笑顔を見せた。天野からは引き離されてしまったものの清水との2位争いを制した海老原は「ようやく清水選手から逃げ切れました(笑)。なんとなくこのクルマの振り回し方が分かってきて、それが功を奏しましたね。ラリー北海道もこの調子で、天野選手に少しでも迫れるように頑張ります」と、打倒天野を誓った。
全日本ラリー選手権第5戦ラリー・カムイ 最終結果
1 JN-1 奴田原文雄/東駿吾(ADVANKTMSGRヤリスRally2) 1:11:47.7
2 JN-1 鎌田卓麻/松本優一(Castrol TEIN DL ファビア) +55.8
3 JN-1 勝田範彦/保井隆宏(GR YARIS Rally2) +1:16.4
4 JN-1 福永修/齊田美早子(スミロン☆焼肉ふじ☆CTE555ファビア) +1:40.5
5 JN-1 新井敏弘/小坂典嵩(SUBARU WRX VBH) +1:55.1
6 JN-2 大竹直生/橋本美咲(GR YARIS GR4 RALLY) +6:00.5
7 JN-2 石川昌平/大倉瞳(ARTAオートバックスGRヤリス) +6:25.7
8 JN-1 今井聡/高橋芙悠(AKM・MOTORSPORTS・C3R5) +6:50.6
9 JN-2 大倉聡/豊田耕司(AISIN GR Yaris DAT) +7:10.2
10 JN-2 長尾綱也/安藤裕一(DL WPMS GRヤリス) +7:42.7
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15 JN-3 山本悠太/立久井和子(SammyK-oneルブロスYHGR86) +9:57.4
20 JN-5 松倉拓郎 /山田真記子(DL☆Gセキネン鹿ソニックセラメタヤリス) +11:25.7
26 JN-4 高橋悟志 /箕作裕子(ミツバWMDLマジカル冷機スイフト) +14:10.6
31 JN-X 天野智之/井上裕紀子(TRT-DLアクアGR SPORT) +16:11.2