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全日本ラリーカムイ:TGR-WRJは大竹直生がグラベル初戦でも盤石のMCC優勝

©土煙を蹴立ててコーナーを攻める大竹選手/橋本選手。完璧なペース配分で勝利を挙げた/TOYOTA

7月5日〜6日(日)に北海道虻田郡ニセコ町を拠点に開催された全日本ラリー選手権の今季最初のグラベルラウンド、第5戦2025 ARK ラリー・カムイ(グラベル)。TOYOTA GAZOO Racing(TGR-WRJ)は、トヨタGRヤリスの大竹直生がMORIZO Challenge Cup(MCC)で優勝。開幕から負けなしの5連勝を飾った。高性能スポーツ8速AT、GR-DAT仕様のトヨタGRヤリスで同じくMCCに参戦した平川真子は、自身初めての4WDターボ車両でのグラベルラリーを5位でフィニッシュした。

(以下、発表リリース)


全日本ラリー選手権第5戦 2025 ARK ラリー・カムイ
今シーズンのグラベル初戦
大竹が強さを見せて5連勝

7月5日(土)〜6日(日)にかけて、北海道虻田郡ニセコ町を拠点に2025年シーズンの全日本ラリー選手権(JRC)第5戦「2025 ARK ラリー・カムイ」が開催され、TOYOTA GAZOO Racing(TGR-WRJ)から参戦した大竹直生選手/橋本美咲選手(GR YARIS GR4 Rally)が、MORIZO Challenge Cup(MCC)で優勝を果たしました。平川真子選手/竹原静香選手(GR YARIS GR4 Rally DAT)はMCC5位で完走を果たしています。

「人材育成」と「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の実践を目的に、全日本ラリー選手権に参戦してきたTGR-WRJ。眞貝知志監督のもと、今シーズンからはフィンランドのTGR-WRTとの連携をいっそう深め、「世界を見据えた」活動を行っています。2025年シーズンはJN-2クラス内の「MORIZO Challenge Cup」に、大竹選手がMT仕様のGR YARIS GR4 Rally、平川選手が高性能スポーツ8速AT(GR-DAT)搭載車のGR YARIS GR4 Rally DATでエントリーします。

開幕戦から4戦連続で開催されたターマック(舗装)ラリーに続き、全日本ラリー選手権のシーズン後半は、北海道を舞台とするグラベル(未舗装)ラリー2戦からスタートします。チームは昨年のラリー北海道以来となるグラベルラリーに向けて、ターマック仕様からグラベル仕様に変更。事前のテストを実施し、万全の体制でラリーに臨みました。

これまで多くのグラベルラリーを経験してきた大竹選手に対して、平川選手は4WDターボ車両で初めてグラベルのスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)を走ることになります。6月に行われたTGR-WRTによるグラベルトレーニングを経て、カムイに挑んだ平川選手は「カムイに限らず、グラベルの走行については、未知な部分が多いのも確かです。TGR-WRT講師の皆さんから教えていただいたことをしっかり実践できるよう、頑張りたいです」と、意気込みを語りました。

ラリーウィークに降った雨により、一部湿った箇所が残っているものの、ほぼドライコンディションとなったラリー初日。大竹選手は安全なペースを維持しながらも、SS1からSS5まで連続トップタイムを刻む強さで、2番手以下を大きく引き離すことに成功しました。午後は路面に刻まれた深い轍を警戒しながら、後続を寄せ付けないスピードで、初日だけでライバルに30秒以上のアドバンテージを手にしました。平川選手はSS2とSS4でSS3番手タイムをマークし、順調にMCCの4番手をキープ。深い轍に悩まされたSS7はリスクを避けた走りに徹し、MCC5番手で初日を終えました。

ラリー最終日、大竹選手は3つのSSでトップタイムをマークし、MCC首位の座を危なげなくキープ。最終的に大きな差をつけてラリーを走り切りました。大竹選手は2025年のグラベル初戦を制し、開幕からの連勝記録を5に伸ばしています。平川選手は、ターマックを含む難易度の高いSSでも、ミスやトラブルに見舞われることなく、5位で完走。グラベルラリーにおける貴重なマイレージを持ち帰りました。

観戦エリアを駆け抜ける平川選手/竹原選手
4WD車両での経験を積み重ねた/TOYOTA

■眞貝知志(TGR-WRJチーム監督)
今季、そしてMCC規定下で初のグラベルラリーということで、開幕戦をもう一度迎えるような気持ちで、今大会を迎えました。非常に緊張感のあるラリーでしたが、大竹選手と橋本選手、そして平川選手と竹原選手が、それぞれベストを尽くして、素晴らしい走りで完走してくれました。TGR-WRJはTGR-WRTをお手本としたチームづくり、活動の仕方をモットーに掲げています。今大会に向けても、TGR-WRTから学んだ姿勢で準備を進めてきました。それがうまくいき、こうした結果につながったと考えています。次戦に向けても、クルマをしっかり解析して課題をあぶり出し、万全を期して臨みます。

■大竹直生(ドライバー)
得意なグラベルラリーで速さだけでなく、強さも見せることができたので良かったです。初日の朝から無理せずにしっかり2位との差を保つことができました。新しく設定されたSSはトリッキーで少し危ないところもありましたが、最終日に無理をする必要がない展開に持っていけた点で、非常にいいラリーができたと思います。次戦のラリー北海道は好きなコースなので、今回見つかった課題をチームの皆さんとしっかり話し合って、万全な準備で迎えたいと思います。

■橋本美咲(コ・ドライバー)
大竹選手が得意と言うだけあって、私も楽しみにしていたのですが、非常に危なげなく走っているのが良く分かり、隣に乗っていても安心してペースノートに集中できました。大竹選手が言うようにかなり難しいコンディションの道でしたが、ふたりでしっかりノートチェックをしていた甲斐があって、初めてのコース、朝の1本目という状況でもしっかりしたペースで走ることができたと思います。次のラリー北海道は、昨年もこのコンビを組んで出ており、今年が2回目となるので、昨年のリベンジができるようにしたいと思っています。

■平川真子(ドライバー)
まずは無事に無傷で完走することができて、とてもうれしく思っています。ひとつひとつのコーナーを大切にして、どうやったら速く走れるかを考えながら走り切りました。2日目にはペースノートの再修正が活きた面もあったので、そこをもう一度振り返り、次のラリー北海道では、さらに自分の理想に近いペースノートを作れるよう頑張りたいと思います。次戦は速度域が高いラリーになるので、ペースノートをしっかりチェックすることと、今回と同じようにしっかり走って完走することを目標にします。

■竹原静香(コ・ドライバー)
すごく深い轍が刻まれた部分もあり、暑さも厳しく、クルマにも人にもタフなラリーでした。お互いを気遣いながら走り切ることができたのは、コンビネーションをさらに良くしていくという点でも、辛いラリーながら良かったと思います。平川選手は課題の対策をしっかりと実践して、特に最終日の午後は自信を持ってコーナリングしていたので、とても成長が速いと感じました。次戦は、今回課題となった距離の精度を高めながら、完成度の高いペースノートを作ることを目標にしたいです。

■矢野和也(平川号メカニック)
今シーズンは平川選手のクルマを担当しているほか、チームにスポットで加わるGR Garageのメカニックをサポートしています。今回、MCC規定のグラベル車両を作るため色々な準備を進めてきましたが、テストでバンパーのリップ部分が当たってしまうことが多く、テストが中断することもありました。ラリー本番には補強を施して臨み、トラブルになることもなく走り切れました。ドライバーの方でも考えながら走ってくれていたのだと思います。次戦もグラベルラリーが続きますが、クルマの状態をしっかり確認し、さらに改善できるところはないかという点を含めて、もっといいクルマづくりをして臨みます。

グラベルラリーは車体にも負担が大きい
異変を見つけ出すメカニックたちの手腕が問われる/TOYOTA

全日本ラリー選手権第5戦 2025 ARK ラリー・カムイ
MORIZO Challenge Cup最終結果

1 大竹直生/橋本美咲(GRヤリス) 1:17:48.2
2 長尾綱也/安藤裕一(GRヤリス) +1:42.2
3 奥井優介/藤田めぐみ(GRヤリス) +3:20.5
4 松原周勢/槻島もも(GRヤリス) +3:58.2
5 平川真子/竹原静香(GRヤリスDAT) +4:06.9
6 木内秀柾/加勢直毅(GRヤリス) +4:36.3
R ジール・ジョーンズ/バイデン・トムソン(GRヤリス)



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