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WRCアクロポリス:競技2日目を終えて、相次ぐパンクやトラブルが発生。タナックがフルモーに3.0秒差の首位

©HYUNDAI

2025年シーズンWRC第7戦アクロポリス・ラリーギリシャ(グラベル)は、6月27日(金)に6SSを走行し、ヒョンデのオィット・タナックが、チームメイトのアドリアン・フルモーに3.0秒差をつけてトップに立った。16.9秒差の総合3番手にはトヨタのセバスチャン・オジエがつけている。

26日木曜日、ギリシャの首都アテネでのセレモニアルスタートと、市街地に設定されたSS1を実施。その後、クルーはアテネから約80km移動し、海辺のリゾート地ルートラキで宿泊。デイ2から本格的なグラベルステージを舞台とするラリーの幕が上がった。この日はルートラキを起点にラミアを目指しながら6本のステージを走行する6SS、121.76kmを走行する。

2日目、リピートするのは最長のSS2/SS4「Aghii Theodori(26.76km)」のみ、残る4つのステージは1回のみの走行となるため、出走順が早いドライバーは1日を通してライン上のグラベル掃除を強いられることになる。この日のコンディションはドライ、早朝の段階ですでに25℃を超えており、クルーにとっては長く厳しい1日となる。

SS2、いきなりドラマが待っていた。シェイクダウンでトップタイムをマークしたトヨタの勝田貴元が、スタートから4.3km地点でパンクが原因でストップ。ステージ中のタイヤ交換を余儀なくされて2分以上を失い、早くも表彰台圏内から脱落してしまった。また、Mスポーツ・フォードから参戦するマルティンス・セスクスもパンクを喫して大きく順位を落としている。このステージは、初日トップのオジエが、後方スタートのサミ・パヤリ(トヨタ)に0.7秒差をつけてベストタイム。3番手タイムのティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が、首位のオジエから2.2秒差の総合2番手に順位を上げた。以下、パヤリ、タナック、カッレ・ロバンペラ(トヨタ)、フルモー、エルフィン・エバンス(トヨタ)のオーダーで続く。

TOYOTA


ライン上にルーズグラベルが堆積するSS3、後方スタートのフルモーがヌービルに4.9秒、タナックに7.0秒差をつけるベストタイム。2番手スタートのオジエは12.1秒差の7番手タイムに沈み、総合3番手にドロップ。代わって、ヌービルがフルモーに4.2秒差のトップに立った。

ところが、SS4では首位のヌービルが左フロントタイヤをパンク。交換せずに走り切ったものの、ベストのオジエから39.5秒遅れの10番手タイムに沈み、総合6番手にポジションを落とした。オジエは左フロントタイヤをパンクしながらも、タナックに4.5秒差をつけるベストを刻み、首位の座を奪還。「あまりにもラフすぎた」と、大きくペースを落としたフルモーをかわし、タナックがオジエから6.1秒差の総合2番手に順位を上げた。27.5秒差の総合4番手にパヤリ、34.5秒差の総合5番手にヌービル、42.5秒差の総合6番手にエバンスがつける。

ルートラキでのリモートサービスを挟んだ午後のセクション。日差しが強く照りつけ、気温は40℃をはるかに超えている。SS5はフルモーがタナックに0.2秒、オジエに3.4秒差のベスト。4番手タイムで走行したロバンペラが、マシントラブルによりペースを落としたパヤリをかわし、総合4番手に順位を上げた。総合6番手のヌービルは、前のステージに続きパンク。今度はステージ中での交換を強いられ、ポイント圏外へと順位を落とすことになった。

SS6へと向かうロードセクションでは、総合5番手のパヤリがメカニカルトラブルによりストップ。ラリー続行を諦めることに。SS6はフルモーがタナックに3.1秒差のベストタイム。首位のオジエは「グリップが低く、無理して攻めなかった」と語り、ベストから16.1秒差の6番手タイム。これで、タナックがフルモーに5.0秒差をつけて首位に浮上し、オジエは10.1秒差の総合3番手に後退している。

M-SPORT


後方では総合4番手のロバンペラがパンクにより、ステージ内でタイヤを交換。これで2分以上をロスし、総合8番手に順位を下げている。これで総合4番手にエバンス、総合5番手にグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)、総合6番手にWRC2のオリバー・ソルベルグ(トヨタ)。SS2終了時点で総合29番手に沈んでいた勝田が、総合7番手まで順位を戻して見せた。

SS7のスタート前、総合9番手のセスクスが燃料系トラブルにより、デイリタイア。この日を締めくくるSS7はヌービルがフルモーに1.9秒、タナックに3.9秒差のベストタイム。多くのクルーがパンクやトラブルに見舞われた金曜日を終えて、タナックがフルモーに3.0秒差をつけて首位をキープ。厳しい2番手スタートながらも、首位から16.9秒差の総合3番手にオジエ。総合4番手にエバンス、総合5番手にミュンステール、勝田はソルベルグをパスし、総合6番手に順位を上げている。

TOYOTA


競技3日目はSS8〜SS13の6SS、SS走行距離は123.44km。オープニングのSS8は、日本時間6月28日の14時22分にスタートする。

WRCアクロポリス SS7後暫定結果
1. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) 1:25:07.4
2. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) +3.0
3. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +16.9
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:21.5
5. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +1:43.3
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:34.3
7. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:38.1
8. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +2:38.3
9. O.ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +2:48.4
10. K.カエタノビッチ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +3:41.8



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