【アンドレアス・ミケルセンのWRC奮闘記】第2回ああ、スウェーデン……。 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【アンドレアス・ミケルセンのWRC奮闘記】第2回ああ、スウェーデン……。

 

【アンドレアス・ミケルセンのWRC奮闘記】第2回ああ、スウェーデン……。

ラリースウェーデン……。あァ、ラリースウェーデン……。

今回ばかりはどこから始めたらいいか分からないよ。
僕の心のなかで、2015年のラリースウェーデンは
これまでのキャリアのなかで最もスリルに満ちたラリーだった。
緊張感、極限までの集中、
そしてあと少しで僕が優勝できる状況にあったこと。
本当にそういう状況だった。優勝はすぐそこまで来ていた。
手を伸ばして、届きそうになった時に僕は雪につかまって、
その機会を失ってしまった。

ラリースウェーデンはWRCカレンダーのなかで唯一のウィンターイベントで、
僕にとっては母国ラリーでもある。
だから、期待と喜びに満ちあふれて僕はスウェーデンに到着した。
雪路のドライビングがどれほど楽しいかは、言葉では表現し切れないな。
たいていのノルウェー人にとって、スノードライビングは自然なことでもあるからね!
僕らは雪の様々な種類や、気温がどのように雪を変化させるか、
以前降った雪と新雪の違いなどについて、色々な知識を持っている。
スウェーデンのこの地方でどのようにコンディションが変わるか、とかね。
オスロから3時間もドライブすればステージ近辺に到着するから、
この地域は良く知っているし、そうするとおのずと自信も出てくるというわけだ。




サポートと言えば家族に優るものはないよ! 今回のラリーには家族が観戦に来てくれた。やっぱりうれしいね。ピンクの帽子をかぶっているのが母親だよ。


ノルウェーにおける僕のチームとも言えるかな。僕が所属しているイーブン・マネージメントのエリック・ベイビー(左)とロイ・スネリンゲンと打ち合わせ中。彼らのサポートはとても重要だ。

出だしは快調だった。
ステージの大半がノルウェーで行われた初日が終わった時点で僕はトップに立っていた。
2日目の最終SSまでリードを保ったよ。
最終日がスタートした時点でトップ3のタイム差はたったの4.6秒だった。
僕は最初のステージで再びトップに立った。
最終SSの最後のスプリットまでワールドチャンピオンである
チームメイトのセバスチャン・オジエと戦ったんだ。
そこで僕はスノーバンクに当たり、スタックしてしまった。
観客に助けてもらって再び走ることができたおかげで、
なんとか3位に入ることはできたけれどね。


多くのファンが観戦しに来てくれた。このノルウェーの旗の多さを見てくれれば分かるよね!


フィニッシュ後のプレスカンファレンスでは何とかまともな受け答えをしようと努力したよ。

サービスに戻るロードセクションでは色々思い返す時間があった。
僕は心からガッカリしていた。
最初から維持していた緊張感が解けて、涙も流れた。
これほどまでに高いレベルでバトルを展開していると、
自分自身ができる最大限の走りをすることになる。
今回は優勝するか、リタイアするかのどちらかだった。

ラリー中にチームと話し合って、今回は2位や3位を確保する意味はないという結論に達した。
イチかバチか。そして僕らは本当にベストを尽くした。
ファーストコーナーから最大限にアタックしたよ。
だけどそれがうまくいかなかったので僕は本当に落ち込んだ。
3位表彰台でこれほどガッカリするとは思ってもみなかったよ!
でも本当に、優勝を逃した落胆の方が大きかったんだ。
チームメイトが優勝できて僕はとてもうれしかったけれど、
きっとセブは今季のタイトル争いがそう簡単なものではないということを理解したはずだ。
フェアなスポーツマンとして、セブはフィニッシュ後に僕のところに来て、
僕の優勝を「奪った」ことを謝ってくれた。
ハグもしてくれたし、間違いなく僕が間もなく初優勝するだろうとも言ってくれた。


コ・ドライバーのオーラ・フローネに言わせると、僕の髪型がこうなっている時は、僕が完全に集中している時なんだって。もちろん、優勝するためへの集中だよ!


もう1点。僕のアタマには優勝しかない。外観なんてどうでもよくなる時だ。

しかしそれもすべて過ぎたことだ。
表彰台を2回も獲得したので、僕らのシーズンのスタートは悪いものではない。
今季、優勝できるチャンスはあと11回もある。
そして初優勝が間もないことも分かっている。
忘れてはならないのは、メキシコでの僕らの出走順がとてもいいことだ。
もしかしたらメキシコが僕らのイベントになるかもしれないよ!


たくさんのファンたち! 雪の白に鮮やかなノルウェー国旗が映えて、遠くからでもすぐに分かるんだ。


けっこう古くからのファンだから、見たことがある人もいるかもね。このクルマ、スバルなんだよ。

もうひとついい思い出となったのはステージで観戦し、
僕らを懸命に応援してくれるノルウェーのファンがとても多かったこと。
あれほどまでにたくさんのノルウェー国旗を見たことはない。
そして国旗の斬新な使い方にも感心したよ!
コクピットから見ていると最高にうれしいんだ。
ファンの応援ほど僕らの自信に繋がるものはない。
本当にあらゆる場所に国旗があった。
WRCに来るノルウェーからのファンはたくさんいると思うけれど、
「気球のついたクルマ」で応援してくれるグループがいる。
彼らはとても情熱的なファンで、
僕らの応援のために世界中を移動するデンマークのカップルも一緒に行動している。

ファンの皆さんには応援してくれてありがとうと心から言いたいね!

次はメキシコだ!
アンドレアス

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