【速報】WRCクロアチア:ロバンペラが今季2勝目。勝田は6位完走 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【速報】WRCクロアチア:ロバンペラが今季2勝目。勝田は6位完走

©TOYOTA

2022年WRC第3戦クロアチアは、トヨタのカッレ・ロバンペラが今季2勝目を挙げた。ロバンペラは前戦スウェーデンに続く連勝で、WRC通算4勝目となる。2位にはヒョンデのオィット・タナック、3位には同じくヒョンデのティエリー・ヌービルが入った。勝田貴元は6位で完走を果たしている。

24日(日)の競技最終日は、SS17〜SS20の4SS、SS走行距離54.48kmで行われる。2SSを2回走行する構成となっており、サービスを挟まずに4SSを走行する。天候は不安定な面もあり、ここでトップ2台のタイヤチョイスは分かれることとなった。首位のロバンペラはハードコンパウンドとウエットタイヤ、逆転を期して追うタナックはソフトコンパウンドとウエットタイヤを選択した。

ドライコンディションとなったオープニングステージのSS17では、トヨタのエサペッカ・ラッピがベストタイム。0.8秒差のSS2番手にロバンペラが入り、2.7秒差の3番手でヌービルが続く。タナックはタイヤギャンブルが裏目に出て12秒差のSS9番手タイムに沈んだ。これでロバンペラとタナックの差は31.1秒と、大きく開くこととなった。続くSS18はヌービルが一番時計、4.8秒差でタナックが続くヒョンデの1-2となった。パワーステージとしても使われるSS18の方がソフトコンパウンドに合っているようだ。ロバンペラはヌービルから7.5秒遅れのSS5番手タイムとなり、これでロバンペラとタナックの差は28.4秒とわずかに縮まった。

HYUNDAI


ドラマが起きたのはSS19。ステージは強い雨に見舞われ、タイヤチョイスで明暗が大きく分かれる結果となった。ソフトタイヤを装着したタナックは快走を見せ、チームメイトのヌービルに19.8秒差をつける圧倒的なタイムをマーク。一方のロバンペラはハードコンパウンドを左前輪と右後輪、ウエットタイヤ2本を右前輪と左後輪にクロスで装着して臨んだが、このSSだけでタナックに29.8秒差をつけられてしまった。この結果、タナックがロバンペラを1.4秒差で逆転することに成功。最終SSを残してまさかのトップ交代劇となった。また、総合3番手につけていたブリーンは僅差で背後につけていたヌービルにかわされてポジションを入れ替えている。

そしてラリーはSS20、パワーステージへ。出走順はリバースオーダーで、WRC2勢の上位から走行が行われる。WRC2はシトロエンC3ラリー2のヨアン・ロッセルが優勝を飾った。ラリー1勢は再出走組のラッピからコースイン。ステージは湿っている部分はあるが、おおむねドライコンディションとなっている。勝田は最終ステージを慎重に走り切り、これで6位以上を確定させた。続いてコースインしたエバンスが暫定ベストタイムを刻み、以降の走者はこのタイムを目指すかたちとなる。ブリーンは暫定2番手タイムでフィニッシュし、4位以上を確定させた。

M-SPORT


ところが、この段階で総合3番手のヌービルにトラブルが発生。右コーナーでアウト側のディッチにヒットしてしまい、大きくタイムロスを喫することに。再び走り始めることはできたが、ヒットした右フロントと左リヤタイヤをパンク。加えてインカムのトラブルにも見舞われる事態に。これでヌービルは大きくペースを落としてしまうが、なんとかフィニッシュし、総合3番手の座を守ることに成功した。

ハード2本+ウエット2本のロバンペラは、エバンスのタイムを21.3秒も上まわる渾身の走りで暫定ベストタイムをマーク。2位以上を確定させて、最終走者タナックのタイムを見守ることに。そのタナックはソフト2本+ウエット2本というタイヤチョイス。しかし最初のスプリットタイムでロバンペラに対して1秒、ふたつ目のスプリットでは4.3秒と、徐々に遅れを喫し始めてしまい、最終的に5.7秒差のSS2番手タイムでフィニッシュ。これでロバンペラの勝利が確定した。これで総合順位はロバンペラ、タナック、ヌービル、ブリーン、エバンス、勝田というオーダーに。パワーステージはロバンペラ、タナック、エバンス、ブリーン、WRC2のエミル・リンドホルムというトップ5がボーナスポイントを得ることとなった。

TOYOTA


第3戦までを終えて、ドライバーズランキングは2勝を挙げたロバンペラが76点でトップ、ヌービルが47点で続き、ブリーンが30点で3番手となっている。マニュファクチャラーズランキングは連勝のトヨタが126点、ヒョンデ84点、Mスポーツ・フォードが80点、TGRニュージェネレーションが30点。

次戦は5月19日〜22日に開催されるポルトガルラリー。今季初のグラベルラリーで、北部のポルト、マトジニョスを拠点として争われる。21年はトヨタのエルフィン・エバンスが優勝を飾っており、勝田も4位に入っている。

WRCクロアチア 暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:48:21.5
2. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +4.3
3. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +2:21.0
4. C.ブリーン(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +3:07.3
5. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +3:46.0
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +8:08.5
7. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +10:01.0
8. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +11:01.2
9. E.リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +11:11.9
10. N.グリアジン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +11:48.5



RALLY PLUS