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WRCサルディニア:初日を終えてセバスチャン・オジエが首位を堅守、勝田貴元は7番手

©TOYOTA

2025年シーズンWRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア(グラベル)は、6月7日(土)に競技2日目のSS7~SS12の6SSを走行し、トヨタのセバスチャン・オジエが首位をキープ。2番手にはヒョンデのオィット・タナック、3番手にはトヨタのカッレ・ロバンペラが浮上した。

前日同様、ランチタイムサービスを挟み、「Coiluna-Loelle(21.18km)」、「Leno-Su Filigasou(24.34km)」、「Tula-Erula(15.28km)」の3SSをリピートして計6SSを走るこの日、まず主導権を奪ったのはトヨタ勢だった。オープニングのSS7、スタート順の遅いドライバーたちが前走車のタイムを次々と塗り替えていく展開で、好タイムを出したのは総合5番手のロバンペラ。より有利な後走のサミ・パヤリ(トヨタ)を大きく上まわるタイムをマークし、4番手に浮上する。

この朝のセクションでは、昨日アクシデントに見舞われたドライバーたちは日曜日の走行を睨んでハードコンパウンドを多めに搭載し、ソフトを温存する戦略を採ったが、総合3番手のフルモー、2番手タナック、首位オジエは僅差の戦いを少しでも優位に進めようとソフト中心の選択。初っ端のSS7では3台ともオールソフト装着で臨んだ。真っ向勝負でのベストタイムはオジエ。そこまでの一番時計だったロバンペラに3.1秒、総合3番手のタナックに3.7秒、2番手のアドリアン・フルモー(ヒョンデ)に5.3秒をつける好タイムで、フルモーとの差を7.4秒に広げた。

HYUNDAI


続くSS8は、そのフルモーにとって悲運のステージとなってしまう。この日最長となる24.34kmの5km地点、プーマは左フロントをパンク。フルモーはその後も走り続け17km地点まで粘ったもののついにステージ上でストップしタイヤ交換。55秒以上のタイムロスを喫し、ここで2番手から7番手まで陥落してしまったのだ。このステージのベストタイムはタナック。首位オジエはスローダウンしたフルモーが巻き上げるダストに視界を遮られ大きくタイムロスしてステージをフィニッシュ。計時上はタナックに首位を明け渡すかたちとなったがこれは不可抗力。競技長からの代替えタイムを待ちながら次のステージに向かうことになる。

15.28kmのSS9、ややフラストレーションを抱えたままステージに臨んだオジエだったが、走りは冷静で2番手タイムのロバンペラに10.0秒の差をつける渾身のベストタイムをマーク。タナックはステージ後半にリヤタイヤがスローパンクチャーを起こしたこともあり、10.5秒遅れの3番手タイムでステージをフィニッシュする。そしてラリー1車両の走行終了直後にオジエのSS8での代替えタイムがスプリットタイムやタナック車とのデータ比較をを考慮してベストに6.5秒遅れの2番手タイムと判定され、この結果、首位オジエと2番手タナックとの差は15.0秒に。フルモーの脱落で3番手に浮上したロバンペラはそのタナックの22.5秒後方。4番手はSS9で木にヒットしながらも大きなタイムロスなく走り切ったパヤリがつけ、5番手エバンス、9番手が勝田というオーダーだ。フルモーは集中力が切れたかこのステージでもコースアウトを喫するミスで、ラリー2勢にも遅れをとる総合9番手まで後退してしまった。

道が荒れることを見越し、全ラリー1ドライバーがハードコンパウンドタイヤのみで臨んだ午後のリピートステージ、だがそれでも最初のSS10では勝田が不運に見舞われる。右フロントをパンクし、ステージ中の交換を余儀なくされたのだ。2分以上のロスを喫して順位は6番手から10番手まで下がった。ベストタイムはタナック。しかし首位のオジエもペースをコントロールしながら0.6秒遅れの2番手タイムと堅調で、総合での差は14.4秒と大勢は変わらない。

TOYOTA


続くSS11、SS10と同様に午前中より荒れた状況となった路面がまたもラリーカーを襲う。このステージでの“犠牲者”は、4番手のパヤリと5番手エバンスのトヨタ勢、そして、勝田のパンクで7番手まで順位を上げていたフルモーだった。パヤリとエバンスはSS10での勝田と同様にタイヤをパンクさせ、ステージ中にタイヤ交換。それぞれ大きなタイムロスを喫したが、パヤリの方は交換を躊躇してパンクしたタイヤで長い距離を走った分エバンスに比べてロスが大きく、ここで2台の順位は入れ替わった。一方、フルモーは1.9km地点で転倒を喫し、2日連続でデイリタリアとなってしまう。ベストタイムはまたもタナック。首位オジエは転倒していたフルモーをかわした影響でステージ中盤までペースが上がらず、3.7秒遅れの2番手タイムとなり、両者の差は10.7秒に縮まった。総合3番手はロバンペラが単独走行、4番手に上がったエバンスとパヤリのタイム差は11.7秒で、このステージ3番手タイムと健闘した勝田が、フルモーのアクシデントで9位に順位を戻している。

この日を締めくくるSS12、オジエがベストタイムを奪い返すものの、SS2番手タナックとの差はわずか0.4秒。優勝争いは11.1秒差で最終日に持ち越されることになった。ロバンペラ、エバンス、パヤリの3〜5番手は変わらず。勝田はWRC2勢を2台かわし、総合7番手で2日目を終えている。

競技最終日の日曜日はSS13~SS15の4SS、SS走行距離は77.78km。オープニングのSS13は、日本時間6月8日の14時25分にスタートする。

WRCポルトガル SS12後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:32:38.9
2. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +11.1
3. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +55.5
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +4:33.3
5. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +4:56.3
6. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:59.6
7. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +6:11.4
8. O.ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +6:19.5
9. E.リンドホルム(シュコダ・ファビアRSラリー2) +6:36.6
10. L.ヨーナ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +7:48.1



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