WRCフィンランド:トヨタ、チームのホームラウンドでヤリ‐マティ・ラトバラ代表がドライバーに復帰 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCフィンランド:トヨタ、チームのホームラウンドでヤリ‐マティ・ラトバラ代表がドライバーに復帰

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、8月3日(木)〜6日(日)にかけてフィンランドのユバスキラを拠点に開催される2023年WRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)に、トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、勝田貴元/アーロン・ジョンストンの3クルーをマニュファクチャラーズ選手権ポイント対象クルーとしてエントリー。勝田は前戦エストニアに続いてののワークスノミネート。また通常はチーム代表を務めるヤリ‐マティ・ラトバラが、ユホ・ハンニネンと組んで4台目のGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで参戦。ラトバラのラリー1マシンでのWRCラウンドは、これが初めて。会期中のチーム代表職は、豊田章男TGR-WRT会長が務める。

(以下、チームリリース)


WRC 第9戦 ラリー・フィンランド プレビュー
TGR-WRTのホームイベントであるフィンランドで
2023年シーズン7回目の勝利を目指す

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、8月3日(木)から6日(日)にかけて、フィンランドのユバスキュラを中心に開催される、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)のレギュラー選手に加え、チーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラ(97号車)がユホ・ハンニネンと共に出場。4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで、今シーズン7勝目を目指します。

サービスパークが置かれるユバスキュラにファクトリーを構えるTGR-WRTにとって、ラリー・フィンランドはホームイベントとなる一戦です。また、前戦のラリー・エストニアで優勝し、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権におけるリードを55ポイントに拡大したロバンペラとハルットゥネンはユバスキュラの出身であり、昨年10月にタイトルを決めた彼らにとっては、世界チャンピオンとして臨む初めてのホームイベントとなります。

ユバスキュラ周辺の森林地帯や丘陵地帯に展開するラリー・フィンランドのステージは、WRCイベントの中でもっとも平均速度が高いグラベル(未舗装路)ラリーとして知られており、大きなジャンプやクレスト(丘越え)もある、非常にダイナミックで人気が高いイベントです。TGR-WRTは過去このラリーでヤリスWRCで4勝しており、前戦エストニアで総合4位を獲得したエバンスは2021年大会で優勝しています。ユバスキュラに住み移りラリードライバーとして経験を積んできた勝田にとって、このラリーは第二のホームイベントといえるものです。また、今回はTGR-WRT会長である豊田章男の要請により、チーム代表であるラトバラが久々にラリー・フィンランドに出場します。ラトバラが最後にWRCに出場したのは2020年2月のラリー・スウェーデンとなりますが、彼は過去3回ラリー・フィンランドを制しています。なお、ラトバラがドライバーとして出場する今回は、豊田TGR-WRT会長がチーム代表を務めます。

今年のラリー・フィンランドは全体的な構成が昨年大会と大きく異なり、まず8月2日(水)の夜8時からユバスキュラでセレモニアルスタートが行われます。ラリーカーがステージを走行するのは3日(木)からとなり、朝9時過ぎからのシェイクダウンを経て、夜7時過ぎから競技がスタート。ユバスキュラの中心部で、毎年恒例のスーパーSS「ハルユ」が1本行われます。森林地帯での本格的な戦いは4日(金)の朝からとなり、デイ2としてサービスパークの北東エリアで「ラウカー」「ランカマー」「ミヒンパー」「ハルトゥーラ」という4本のクラシックステージを各2回走行。ラウカーとランカマーは大幅にモディファイされ、ミヒンパーは2015年以来、ハルトゥーラは1995年以来のステージ復帰となります。さらに、一日の最後にはハルユのステージが行われます。5日(土)のデイ3は、サービスパークの南西エリアが戦いの舞台に。2001年大会以来となる「ヴァスティラ」のステージがオープニングを飾り、その後「パイヤラ」「ラプスラ」「ヴェックラ」というクラシックなステージを走行。ミッドデイサービスを経て午後はその4本のステージを再走します。8本のステージの合計距離は160.68kmと非常に長く、4日間で最長の一日となります。6日(日)のデイ4は競技最終日となり、昨年までとは異なりサービスパークの南西エリアで「モクシ-サーロイネン」「ヒモス-ヤムサ」の2本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。SS20の再走となる最終のSS22「ヒモス-ヤムサ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。なお、今回ラリーの本表彰式はSS22のステージエンド、スキーリゾートであるヒモスで行われます。ステージは全部で22本で、合計320.56km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1471.63kmとなります。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ラリー・フィンランドは、チームにとって常に特別な大会です。今年は私自身がWRCイベントに再び出場できることになったので、特別な思いがあります。ドライバーとしての目標は、速く走ることもさることながら、何よりもまず経験を楽しむことです。チームの目標はいつものように優勝ですが、それについてはレギュラーの選手たちにかかっています。世界王者であり、選手権リーダーでもあるカッレとヨンネには素晴らしいサポートがあると思いますし、エストニアでの勝利は彼らにとって良い後押しになることでしょう。とはいえ、ラリー・フィンランドのステージはグリップレベルが異なりますし、ミヒンパーのようにカッレが走ったことのないステージも復活するので、より大きなチャレンジになると思います。一方、エルフィンはフィンランドで勝つために何が必要かを知っているので、再び勝利に挑むことができると期待していますし、貴元もいつも走りを楽しめている道で、自信を持ってドライブできることを期待しています。接戦が予想されるこのラリーで、ドライバーたちに最高のクルマを提供するため、チームは今週、一生懸命テストに取り組んできました。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
自分たちにとってのホームラリーは、他のラリーと少し違う感じがします。自分の地元での開催ですし、チームにとってもホームラリーであるからです。だから、他のラリー以上にエキサイティングですし、ファンの皆さんからの大きなサポートを受けることもできるので、優勝するためにベストを尽くして戦うつもりです。ただし、それと同時にチャンピオンシップのことも考える必要があり、せっかく築いたリードを無駄にしないようクレバーに戦わなければなりません。ラリー・フィンランドのステージに出走順トップで臨み、後からスタートする速いドライバーたちと同じようなスピードで走るのは簡単なことではありません。昨年は金曜日に約20秒を失い、土曜日以降に15秒近く挽回しましたが、今年もやれるだけのことをやるつもりです。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
地元のドライバーだけでなく、私自身にとってもラリー・フィンランドが今シーズンのハイライトであることは確かです。いつもこのイベントをエンジョイしていますし、今年も楽しみにしています。フィンランドのラリーロードを走るフィーリングは他では味わえないものですし、クルマと一体になって走ることができれば、運転する楽しさという点でこれに勝るものはないと思います。エストニアでは完全に満足できたわけではなかったですが、フィンランドは似てはいますが全く同じというわけではなく、違う特徴があったり、異なるセットアップが求められます。今週フィンランドで行なったテストは、正しいセットアップでラリーをスタートできるように準備するための、非常にいい機会になりました。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
ラリー・フィンランドは特別で、いつも楽しみにしているラリーです。自分はフィンランドの道でラリードライバーとして成長してきたので、第二の故郷でのラリーだと思っています。ステージのスピードに関してはエストニアと似ていますが、路面のグリップが全体的に高いためフィーリングは大きく異なります。前戦のエストニアよりもスピードを改善したいですし、今週のテストでは、エストニアでなぜ上手くいかなかったのかを理解し、フィンランドの道にマッチしたクルマのセットアップを見つけることができました。今回はラリーを楽しみ、できる限りプッシュしていきたいと思います。チームのためにも、自分のためにも、そしてフィンランドで観戦してくれる家族のためにも、いい結果を出すことが重要です。



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