WRCサルディニア:激動のデイ3を走り抜いたロバンペラが総合3番手に浮上、勝田貴元はデイリタイア – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア:激動のデイ3を走り抜いたロバンペラが総合3番手に浮上、勝田貴元はデイリタイア

©Toyota Gazoo Racing WRT

6月3日(土)、WRC第6戦ラリーイタリア・サルディニアの競技3日目の走行がサルディニア島のオルビア西部で行われた。ドラマの連続となったこの日、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが総合3番手とポディウム圏内に浮上。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンも順位をふたつ上げて総合4番手で続いている。一方、激しい首位争いを展開していたセバスチャン・オジエ/バンサン・ランデはSS14でコースオフ。4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで参戦する勝田貴元/アーロン・ジョンストンはSS8後のリエゾンで、それぞれデイリタイアとなっている。

(以下チームリリース)


WRC 第6戦 ラリー・イタリア サルディニア デイ3
大波乱の展開となった競技3日目
ロバンペラが総合3位に、エバンスが総合4位につける

6月3日(土)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリー・イタリア サルディニア」の競技3日目デイ3が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合3位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合4位に順位を上げました。なお、ラリーをリードしていたセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)はSS14で、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、SS8走行後にデイリタイアとなりました。

ラリー・イタリア サルディニアのデイ3は、サルディニア島北東部のオルビアに置かれるサービスエリアの南西エリアで、4本のステージを各2回走行。その合計距離は133.62kmと、前日のデイ2に匹敵する長い一日でした。天気は、午前中は晴れ間も見られましたが、午後は激しい降雨があり、非常に滑りやすい路面コンディションでの厳しい戦いになりました。

ドライバー選手権首位のロバンペラは、デイ2で終日不利な先頭スタートを担い大きくタイムロス。それでも、雨に見舞われ路面が滑りやすくなった最後のロングステージを最速で走りきり、総合4位にまで順位を上げました。デイ3でのロバンペラは、オープニングから5本目のSS12まで安定して3、4番手タイムで走行。SS13では2番手タイムを刻み、SS14ではオジエのリタイアにより総合3位に浮上。表彰台圏内に順位を上げて長い一日を終えました。

Toyota Gazoo Racing WRT

デイ2でタイヤにダメージを負い総合6位に順位を下げたエバンスは、オープニングの2ステージを5番手タイムで走行しました。しかし、続くSS10でウォータースプラッシュ(河渡り)を通過した際、クルマにダメージを負い1分50秒程度をロス。その状態で続くSS11も走らなくてはならなかったため、さらに40秒程度を失いましたが、それでも総合5位を守りました。サービスパークでクルマを修理して臨んだ午後の再走ステージでは5、7番手のタイムで走行し、オジエのリタイアもあり総合4位に順位を上げました。そしてエバンスはデイ3最終のSS15で3番手タイムを記録。良い流れを掴んでデイ3を走りきりました。

Toyota Gazoo Racing WRT

デイ2で首位と僅か0.1秒差の総合2位につけたオジエは、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)と激しい首位争いを展開。午前中の4本のステージが終了した時点で、総合2位のラッピに18.2秒差をつけトップに立っていました。しかし、午後最初のSS12でウォータースプラッシュを通過した際、クルマに大きな衝撃を受け大幅にタイムロス。その影響により、続くSS13でも遅れをとりましたが、それでも4.3秒差で首位の座を維持しました。その頃からステージでは強い雨が降り、路面の一部は泥に覆われ、水溜まりもできるなど非常に滑りやすいコンディションになっていました。そしてオジエは、SS14の左コーナーでコースオフ。ステージに復帰することができずデイリタイアとなりましたが、チームは明日のデイ4での再出走を目指し修理の準備を進めています。

Toyota Gazoo Racing WRT

デイ2で総合5位につけた勝田は、デイ3最初のSS8でウォータースプラッシュを通過した際、クルマに大きな衝撃を受けてタイムロス。SS8は何とか走りきりましたが、競技を続けることが難しい状態だったためデイリタイアとなりました。しかし、勝田はデイ4での再出走を予定しています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
非常に難しいコンディションにより、困難な一日になってしまいました。午前中が終了した時点で状況はかなり良かったのですが、その後天候の変化により、急激に状況が変わってしまいました。これもラリーの一部です。過去にもこのラリーでは雨が降ったことがありますが、今回のように毎日降るようなことはありませんでした。その結果、ウォータースプラッシュはかつてないほど水深が深くなり、セブはそのひとつで問題を少し抱えてタイムを失いましたが、それでもいい位置につけていました。しかしその後、不運にも道から滑り落ちてしまったのです。このようなコンディションでは、そのようなミスをしやすいものです。その結果、カッレは表彰台圏内に入り、明日もポジションを維持することができたならば、それは彼にとって非常に良いことです。チームとしてはカッレとエルフィンの2人が最後まで走りきることが重要ですが、パワーステージでのポイント獲得も期待したいところです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
今日はいい一日でしたし、とても賢く戦うことができたと思います。今朝は、必要なときにいいペースを発揮することができました。昨日よりも良い出走順を確保できたのでとても順調でしたが、何人かが脱落したことで路面を少しクリーニングする役割が再びまわってきてしまいました。午後は本当にトリッキーで、かなり使い込んだタイヤで走らなくてはならなかったので、できる限りのことをしました。トラブルに遭遇しないようにクリーンな走りを心がけ、順位をひとつ上げることができましたが、チームメイトのトラブルによりポジションを上げるのは、決していいことではありません。明日は自分たちのタイヤのパッケージがコンディションに合っていることを願っていますし、どうなるか状況を見たいと思います。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
長く、大変な一日でした。午前中はウォータースプラッシュの水深が予想以上に深かったことに驚きました。クルマのフロント部分に大きなダメージを負ってしまい、なんとかサービスに戻ろうと頑張りました。チームはサービスで素晴らしい仕事をしてくれて、クルマを修理してくれました。午後は非常に難しいコンディションだったので、あまり無理をしないで走ろうと試みました。このような状況で総合4位につけることができたのはラッキーですが、明日はまだかなり長い距離が残っているので、クリーンな走りを心がけ、パワーステージで何ができるのかを考えたいと思います。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
今朝は最初の2本のステージでペースが少し足りなかったのですが、それに続く、デイ3最長でおそらく最も難しいステージで挽回することができました。少しでもタイムを縮めようとハードに走ったので、リードを少し築くことができたのは良かったです。しかし残念なことに、午後は波乱の展開になってしまいました。ウォータースプラッシュで、フロントにダメージを負ってしまったのがその始まりで、それを直して走り続けるのは大変でした。そして、午後3本目のステージに臨む直前、泥道でタイヤ交換をすることになったのですが、ステージ開始後ブレーキペダルを踏んだ時に泥で足が滑ってしまい、コーナーを曲がりきれませんでした。かなりアンラッキーでしたが、これもラリーの一部です。今日のことは忘れ、前に進まなければなりません。

ラリー・イタリア サルディニア デイ3の結果
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 3h10m36.9s
2 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +36.4s
3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m50.7s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5m36.5s
5 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +6m27.9s
6 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Fiesta MkⅡRally2) +8m11.7s
7 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +8m37.4s
8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally2) +10m46.4s
9 エミル・リンドホルム/レータ・ハマライネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +11m08.3s
10 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia Rally2 evo) +11m40.5s
18 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +19m46.9s
(現地時間6月3日22時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技最終日となる6月4日(日)のデイ4は、2021年大会とほぼ同じステージ設定となり、サービスパークを起点に島北部の「コスタ・スメラルダ」エリアで2本のステージを各2回走行。そのうち、SS17の再走ステージとなるSS19「サルディニア2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全4本で合計距離は46.02km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は255.50kmとなります。



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