WRCポルトガル:7SS中5SSでベストタイムをマークし、ロバンペラが首位堅持 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCポルトガル:7SS中5SSでベストタイムをマークし、ロバンペラが首位堅持

©TOYOTA

5月13日(土)、WRC第5戦「ラリー・ポルトガル」の競技2日目がポルトガル北部のマトジニョスを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが首位を守りリードを拡大した。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは、再出走を果たし総合36番手につけている。また、デイ1でコースオフを喫したエルフィン・エバンス/スコット・マーティンは、車両のダメージが大きかったため、デイ2での再出走を断念しリタイアとなった。

(以下チームリリース)


ラリー・ポルトガルのデイ2は、ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスのサービスパークを中心に、7本合計148.68kmを走行する今大会最長の一日でした。前日に続き晴天に恵まれ、グラベル(未舗装路)ステージの路面はドライコンディションが保たれました。

デイ1で首位に立ち、総合2位のダニ・ソルドに対し10.8秒のリードを築いたロバンペラは、デイ2でさらにスピードアップ。デイ1でのロバンペラはステージの出走順が2番手と早く、後続のライバルよりも不利な滑りやすい路面コンディションでの走行を強いられました。しかし、デイ1で首位に立ったことにより、デイ2での出走順は7番手と遅くなり、ロバンペラは前日よりもクリーンな路面を走行。朝一番のSS9からSS12にかけて、4ステージ連続でベストタイムを記録し、2位ソルドとの差を55.2秒まで拡げました。さらに、ロバンペラはSS14でもベストタイムを刻み、最終的には差を57.5秒に拡大してデイ2を締めくくりました。

勝田は、前日のデイ1の2本のステージを走り終えた時点でロバンペラと同タイムの総合4位につけていましたが、その後メカニカルトラブルでデイリタイアに。しかし、チームによって修理されたクルマで、勝田はデイ2に再出走しました。デイ2での勝田はステージの出走順が1番手となり、誰よりも不利な路面コンディションでの走行となりましたが、「ワークス登録ドライバー」として経験を積み重ね、一日の最後のスーパーSS、SS15「ロウサダ」では2番手タイムを記録。会場に集まった大勢の観客から大きな拍手が贈られました。

なお、デイ1のSS7でコースオフを喫したエバンスは、その後コ・ドライバーのマーティンと共に病院で検査を受けましたが、身体に特に問題はありませんでした。ただし、クルマはダメージが大きく修理が難しい状況だったため、彼らはデイ2での再出走を断念。ラリー・ポルトガルからリタイアし、次戦ラリー・イタリア サルディニアに向けてコンディションを整えることになりました。

ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
今日、カッレは驚くべきスピードを発揮しましたが、ノーミスで全てをコントロールしていました。昨年はこのようなパフォーマンスを頻繁に見ることができましたが、今シーズンは彼が望むような状況が整うまでに少し時間がかかってしまっただけだと思います。今、カッレはクルマにとても満足していますし、このような良いフィーリングを感じることができていれば、非常にハードに攻めることもできます。今日の午後はそれほどプッシュする必要がなかったにも関わらず、ステージ優勝をしているので、きっと楽に戦えているのだと思います。ラリーはまだ1日残っていますが、このまま全てがうまく行き、良いフィーリングが最後まで保たれることを願っています。

カッレ・ロバンペラ
非常にいい一日でした。昨晩クルマのセットアップを少し変えたところフィーリングがさらに良くなったので、純粋にドライビングを楽しむことができるようになりました。今朝の最初ステージは、グリップが大きく変化するなどトリッキーな路面でしたが、クルマのフィーリングが良かったので、とにかくハードにプッシュし続けました。午後のステージはコンディションが良い場所ではいいペースを保ち、荒れている場所ではペースを落とすなどして、クルマとタイヤをしっかり守ることができたと思います。楽に走ることができているので、明日の朝はまずクリーンに走り、最後のパワーステージでは少しチャレンジをしてみるつもりです。

エルフィン・エバンス

TOYOTA


昨日はとても困難な一日でした。路面のクリーニング役を担うため苦労することは予め分かっていましましたが、それでけでなく、クルマのフィーリングや自信に関しても少し悩んでいました。それでも状況は良くなっていき、ベターなフィーリングでモルタグアのステージに臨んだのですが、トリッキーなセクションで足をすくわれてしまいました。左コーナーが2つ続く高速セクションで、2つ目のコーナーは少し砂が多くて滑りやすかったため、ほんの少し滑ってコーナリングがワイドに膨らみ、バンクに当たってクルマが激しく転がってしまったのです。スコットも僕も身体は全く問題なく、クルマは僕らをしっかりと守ってくれました。今は、次のラリー・イタリア サルディニアでクルマに戻ることが楽しみです。

勝田 貴元

TOYOTA


今日は出走順がトップだったので非常に苦労するだろうと覚悟していましたが、このようなコンディションをどう切り抜けたらいいのか、経験を積むことができたのは大きな収穫でした。例年同様、土曜日に設定されるステージは道の表面がルースグラベルで覆われているため非常に滑りやすく、駆動も伝わりにくい難しい路面でした。そして午後の再走ステージは、予想以上に荒れたコンディションでした。小型のクルマが走ったことで全く違う轍やラインが刻まれ、再走ステージでもまだ路面のクリーニングが必要でした。明日はまずクルマをフィニッシュまで運ばなくてはなりませんが、午前中、特にファフェのステージの1回目の走行で様子を見て、もし調子が良ければ最終のパワーステージでプッシュして、チームのために追加ポイントを獲得したいと思います。

ラリー・ポルトガル デイ2の結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h59m48.6s
2 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +57.5s
3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m08.6s
4 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m10.9s
5 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +2m21.8s
6 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +8m08.3s
7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン(シュコダ Fabia RS Rally2) +8m43.7s
8 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2)+9m36.7s
9 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2)+9m58.1s
10 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally2) +11m33.1s
36 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1h02m02.4s
R エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)
(現地時間5月13日20時40分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技最終日となる5月14日(日)のデイ3は、サービスパークの北東エリアで4本のステージを走行。そのうちSS17/19「ファフェ」は、大勢の観客が集うビッグジャンプで知られる、ラリー・ポルトガルの名物ステージです。そして、最終ステージとなるファフェの2本目SS19は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で4本、合計55.42km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、335.08kmが予定されています。



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