WRCサルディニア:競技3日目を終えて、ヒョンデのオィット・タナックがリーダーに。勝田は6番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア:競技3日目を終えて、ヒョンデのオィット・タナックがリーダーに。勝田は6番手

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2022年WRC第5戦サルディニアは、競技3日目のSS17までを終えて、ヒョンデのオィット・タナックが首位。2番手にはMスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーン、3番手にヒョンデのダニ・ソルドというトップ3になっている。勝田は3分52秒3差の総合6番手につけているが、前後の差はそれぞれ大きく開いている状況だ。

この競技3日目は、SS10〜SS17の計8SS、SS距離131.82kmで争われる。この日も午前中に2SSを2度走行、午後に午前中とは別の2SSを2度走行する変則スケジュール。選手たちは西海岸のアルゲーロをスタートし、100kmほど内陸に入ったところに設けられたステージ群を攻略する。

オープニングのSS10では、タナックがベストタイムをマーク。前日を終えた段階で首位に立っていたトヨタのエサペッカ・ラッピが岩にヒットしサスペンションを破損、リタイアを余儀なくされたこともあり、これでタナックがラリーリーダーの座についた。また、Mスポーツフォードのピエール‐ルイ・ルーベ、ブリーン、ソルドによる僅差の3番手争いにも順位の変動があり、ここでSS2番手タイムをマークしたブリーンが2番手、SS4番手タイムのソルドが3番手、SS5番手タイムのルーベが4番手と順位を入れ替えている。タナックは続くSS11でも一番時計をマーク。ヌービル、ソルドが続いてSSのトップ3をヒョンデが占める結果となった。ここでSS4番手タイムをマークしたロバンペラが、勝田をかわして総合6番手に浮上した。勝田はこのSSで右ヘアピンをクリアする際、舗装路面にバンパーが引っかかりエンジンストール。SS9番手タイムとなり順位を落とすこととなってしまった。

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SS10の再走ステージとなるSS12を制したのはブリーン。SS2番手にタナック、SS3番手にルーベという順位に。このSSでは総合8番手につけていたヌービルが転倒を喫し、その後リタイアを決めている。続くSS13ではタナックがベストタイム。僅差のSS2番手には左側のボンネットピンが外れるアクシデントを乗り越えたソルド、SS3番手にブリーンが続く。勝田はSS4番手タイムをマーク。SS2以降で初めてトップ5以内のタイムをマークしている。ラリーはこの日、サービスを挟まずタイヤフィッティングゾーンのみを挟んで午後のステージへ。

午後のSSでもタナックのスピードは衰えを見せない。SS14ではSS2番手のロバンペラに6.2秒差、SS3番手のブリーンに6.3秒差をつけ、着々と首位の座を固めにかかる。ブリーン、ソルド、ルーベによる2番手争いも徐々に差が開きつつあり、ラリーは膠着状態に。続くSS15、SS14の再走となるSS16ともにタナックが制して、総合2番手ブリーンとの差は46秒にまで拡大している。勝田は総合7番手で順位こそ変わらないものの、SS15とSS16ではラジエターのダメージによる水温上昇というトラブルもあり慎重なドライビングに終始し、タイムを落としてしまっている。このSS16ではトヨタのエルフィン・エバンスがリヤサスペンションを破損して再び戦線離脱の憂き目に遭っている。

TOYOTA


この日最後のSS17では、総合5番手につけていたMスポーツのアドリアン・フルモーがスピンを喫して路肩にスタック。後続車の安全な通過を考えて赤旗が提示され、ステージは一時中断となった。影響を受けた選手にはノーショナルタイムが与えられ、上位陣の順位に変動はなし。フルモーが離脱したことで、ロバンペラは総合5番手、勝田は総合6番手、Mスポーツ・フォードのガス・グリーンスミスは総合7番手にそれぞれポジションを上げている。

競技最終日はアルゲーロからほど近い場所に設定された2SSを2度走行する計4SS、SS距離はわずかに39.30kmとなっている。各車ともややタイム差が開いており、順調に行けば順位の変動はなさそうだが、ここまで多くのトラブルやアクシデントが発生しているだけに、最後まで気の抜けないラリーとなりそうだ。最終日のオープニングステージ、SS18は日本時間6月5日(土)の15時10分スタート。

TOYOTA


WRCサルディニア SS17後暫定結果
1. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) 2:43:35.6
2. C.ブリーン(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +46.0
3. D.ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1) +1:06.8
4. P.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:31.8
5. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:23.2
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +3:52.3
7. G.グリーンスミス(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +5:03.3
8. N.グリアジン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +6:09.2
9. J.ソランス(シトロエンC3ラリー2) +6:54.1
10. C.イングラム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +7:09.4



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