WRCサルディニア事前情報:グラベル連戦2戦目は本拠地が再びアルゲーロに – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア事前情報:グラベル連戦2戦目は本拠地が再びアルゲーロに

©FIA

WRC第5戦ラリーイタリア・サルディニアは、6月2〜5日に開催される。前戦ラリーポルトガルでの激戦の興奮も冷めやらぬまま、中一週間という短いスパンでWRCのグラベル連戦はその2戦目、イタリアのサルディニア島へと舞台を移す。

ポルトガルでラリー1マシンでの初めてのグラベル戦に挑んだクルーたちは、サルディニアでもそれに匹敵するような試練に臨むことになる。気温や路面温度は格段に高くなることが予想され、ルーズ路面の道はナロー。それでいてラフ、かつタフでもあるほか、道には石や木が立ち並ぶ。固い地盤をソフトなサンディグラベルが覆うため、ダストが巻き上がり、まったく楽なステージではない。このため、走行順による影響も大きく、ドライの場合は、後からスタートするマシンはよりクリーンで安定したコンディションで走行できるという恩恵を受けることができる。

WRCのイタリアラウンドは、2004年からサルディニア島で開催されるようになり、2010年を除いて毎年カレンダーに含まれている。今回がWRCとして17回目の開催となる。昨年はオルビアを拠点に開催されたが、今年は長年ベースとしてきた海岸リゾート地、アルゲーロに本拠地を戻す。しかし、木曜日の夜には、オルビアで新しいミックス路面のステージが設定されている。

サルディニアのラリーファンが待ちわびるのは、今季3連勝と絶好調の新星カッレ・ロバンペラの登場。弱冠21歳の若きフライングフィンは経験不足を克服し、選手権リーダーとしてサルディニアを迎える。今季第4戦を終えた時点で、ロバンペラは、2番手のティエリー・ヌービルに46ポイント差をつけているが、3番手争いはタイトになっており、3番手につける勝田貴元から、4番手オィット・タナック、5番手エルフィン・エバンス、6番手クレイグ・ブリーンまでの差はわずか4ポイントだ。

■エントリー状況
ハイブリッドのラリー1マシンは、11台がサルディニアにエントリー。筆頭はトヨタのロバンペラ。チームメイトにはエバンスに加え、ラリー1マシンでの3度目の参戦となるエサペッカ・ラッピを迎える。勝田貴元も、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1を駆る。

選手権2番手につけるヌービルを擁するヒョンデは、タナック、前戦で3位フィニッシュを果たしたダニ・ソルドをヒョンデi20 Nラリー1のドライバーとしてエントリーさせる。

Mスポーツ・フォードは、クレイグ・ブリーンを筆頭に、ガス・グリーンスミス、アドリアン・フルモー、ピエール‐ルイ・ルーベの4人が、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1をドライブする。

■サポートカテゴリー
ラリー2マシンで争われるWRC2も、才能あるドライバーが多くエントリーする。選手権争いでは、ディフェンディングチャンピオンのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo、トクスポーツWRT)を抑えて、ヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2、PHスポール)が首位に立っている。次に続くのはERC三冠のカエタン・カエタノビッチだが、サルディニアにはエントリーしていない。4番手のクリス・イングラム(ファビア・ラリー2 Evo、トクスポーツWRT)は、WRC2ジュニアでは現在首位に立っている。チームメイトのニコライ・グリアジン、Yacco ACCOチームのエリック・カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)も強豪だ。

そのほか、上位争いに食い込むことが見込まれるのは、エリック・カミリ(サンロック・ジュニアチーム)、ゲオルグ・リンナマエ、ミコ・マルチェク、ジョシュ・マクリーン、テーム・スニネン(ヒョンデ・モータースポーツN)など。昨年のジュニアWRCチャンピオン、サミ・パヤリは、ラリー2マシンにステップアップしてファビア・ラリー2 Evoでの初参戦に挑む。WRC2マスターで上位につける地元イタリアのマウロ・ミーレ、WRC3部門では選手権リーダーのヤン・チェルニー、ディエゴ・ドミニゲス、ゾルタン・ラズロ、エンリコ・ブラゾッリなどがエントリーしている。

■ラリールート

TOYOTA

ラリーは木曜日の夜、Olbia Cabu-AbbasのスーパーSSで開幕した後、金曜日はTerranovaとMonti di Ala’e Buddoso’の2本を2ループ。24.70kmのMonti di Ala’e Buddoso’はイベント最長ステージだ。アルゲーロで日中サービスを終えた後は、Osilo – TerguとSedini – Castelsardoの2本を2ループ。この日のステージ走行距離は、133.56km。土曜日は、4SSを2ループする131.82km。Erula – TulaとTempio Pausaniaを2ループした後、 Buddusoでタイヤフィッティングゾーンに入る。午後はCoiluna – Loelleと、有名なミッキージャンプのあるMonte Lerno di Pattadaを2回ずつ走行する。日曜日は、Cala FluminiとSassari – Argentieraを2回ずつ走行。海辺の風景も見どころのひとつとなるSassari – Argentieraの2回目は、パワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2022年6月2〜5日
サービスパーク設置場所:アルゲーロ
総走行距離:1303.38km
総ステージ走行距離:307.91km(SS比率23.62%)
総SS数:21

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ(#69)
エルフィン・エバンス(#33)
エサペッカ・ラッピ(#4)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
ダニ・ソルド(#6)

[Mスポーツ・フォードWRT]
クレイグ・ブリーン(#42)
ガス・グリーンスミス(#44)
アドリアン・フルモー(#16)

■2021年ラリーイタリア・サルディニア最終結果
1 S.オジエ/J.イングラシア(トヨタ・ヤリスWRC) 3:19:26.4
2 E.エバンス/S.マーティン(トヨタ・ヤリスWRC) +46.0
3 T.ヌービル/M.ウィダグ(ヒョンデi20クーペWRC) +1:05.2

■近年のウイナー
2021年 S.オジエ/J.イングラシア(トヨタ・ヤリスWRC)
2020年 D.ソルド/C.デル‐バリオ(ヒョンデi20クーペWRC)
2019年 D.ソルド/C.デル‐バリオ(ヒョンデi20クーペWRC)
2018年 T.ヌービル/N.ジルスール(ヒョンデi20クーペWRC)
2017年 O.タナック/M.ヤルベオヤ(フォード・フィエスタWRC)



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