WRCポルトガル:ラトバラ「タカは今回の経験で必ず成長する」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCポルトガル:ラトバラ「タカは今回の経験で必ず成長する」イベント後記者会見

©TOYOTA

WRCラリーポルトガルのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。カッレ・ロバンペラとエルフィン・エバンスが1‐2フィニッシュを飾り、勝田貴元も最終ステージまで3番手につけポディウム独占も目前だったトヨタ。チーム代表のヤリ‐マティ・ラトバラは自身がポディウムを逃した時の気持ちになぞらえ、この悔しさを成長につなげられるという勝田への期待を寄せた。

●WRCイベント後記者会見 出席者

Toyota Gazoo Racing WRT

1位:カッレ・ロバンペラ=KR(トヨタ・ガズーレーシングWRT、トヨタGRヤリス・ラリー1)
2位:エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズーレーシングWRT、トヨタGRヤリス・ラリー1)
3位:ダニ・ソルド=DS(ヒョンデ・シェル・モビスWRT、ヒョンデi20 Nラリー1)
ヤリ‐マティ・ラトバラ=JML(トヨタ・ガズーレーシングWRT、チーム代表)

Q:カッレ、おめでとう。今回も素晴らしい勝利で、初日は走行順1番手からの優勝だった
KR:月並みな言い方だけど、今回はこのようになるとは予想していなかったので、本当によかった。自分も驚いた。金曜日の先頭走行からいい仕事ができたのは、本当に大きな意味を持つ。金曜日にいい内容の走りをして、トップ争いをすることがかなり重要だった。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:どの時点で、現実的に優勝のチャンスがあると思い始めたか
KR:どの段階でもそんなことは考えていなかった。順位が後ろだった時は、エルフィンにプレッシャーをかけて、どうなるか様子を見るのが計画だった。自分たちがすでに出していた速さをさらに上げることができるなんて、本当に思いもしなかった。終わってみればいいタイムを出せていて、エルフィンが猛烈に反撃してきた。楽ではなかったよ。

Q:これで3連勝、選手権では46ポイントのリードを握ってサルディニアを迎える。ここからのターゲットは
KR:今回と同じ、とにかくいい走りをすること。コンディションがどうなるか様子を見なくてはならない。サルディニアは今回もルーズだと思うし、金曜日よりも後の方が悪くなるかもしれない。コンディションは、自分たちにとっては対応するのはそう悪くはない。

Q:エルフィン、カッレと素晴らしいバトルになった。自分の速さとパフォーマンスが誇らしいだろう
EE:全体として悪い週末ではなかった。最終日は、もう少し違う形になってほしかったけれどね。でも、序盤はマシンにも自分の仕事にも満足していた。それでも、自分が思うような走りに戻るためには、あと数%、足りていないかもしれない。今シーズンの滑り出しが悪かったので、いい結果が必要だったと思う。でも、まだやらなくてはならないことがある。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:本当に接戦だった。決断や慎重さなどで、勝敗を決するような場面があったのでは
EE:特にないが、タイムをロスすれば、その分チャンスも逃げる。この週末は上がったり下がったりが何度かあった。最終日はカッレがとても強かったし、彼はその速さで勝利を引き寄せた。勝利にふさわしい。自分たちは、また次回がんばるよ。

Q:選手権争いでは5番手に浮上した。ここから調子を上げていけるのでは
EE:間違いなくいい一歩だ。この新しいマシンで初めてのグラベルラリーだったし、チームはスタートとしていい位置につけていることを示したと思う。マシンはかなり速かったし信頼性もあったので、最初から最後まで問題なく戦うことができた。これだけの作業と準備を整えてくれたチームに、心から感謝したい。

Q:ダニ、久しぶりのWRC参戦でタカ(勝田貴元)とバトルになった。どれくらいハードにプッシュしていたか
DS:正直、ずっとハードに攻めていた。上位はものすごく速かった。マシンがとてもよくスライドすることが分かったので、彼よりも上に立ち続けるために、本当にハードにプッシュした。最終ステージは、彼が2秒差で上にいたので、ベストを尽くして彼に勝った。タフな週末だったよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:実戦でハイブリッドのi20をドライブするのは初めてだったが、第一印象はどうだったか。マシンの理解を深めれば、さらにどれくらいいい走りがよくなるか
DS:シャシーはよく、コクピットは本当にドライブしやすい。ドライビングの仕方は昨年のマシンとは違う。少し慣れる必要がある。常にパワーがあるわけではないから、何だか不思議。ブレーキングポイントも、すごく妙だよ。

Q:今年はシェア参戦だが、次に会えるのはいつか
DS:今の時点では、今回とサルディニア、あと2戦だ。できればカタルーニャ、あとはギリシャかな。

Q:ヤリ‐マティ、素晴らしいチームパフォーマンスだった。ドライバーたちが誇らしいのでは
JML:正直、すごくすごく誇らしいよ。素晴らしいリザルトだ。1‐2フィニッシュだし、あとほんの少しでポディウム独占だった。タカの走りはとてもよかった。でも、ダニは最終ステージで見事なプッシュを見せたし、3位にふさわしい走りだった。今後に向けて見習うべきことだ。カッレのパフォーマンスは本当に素晴らしく、初日先頭走行で優勝を飾った。自分たちには予想できなかったが、彼はやってみせた。本当に素晴らしいし、エルフィンもとても堅実なパフォーマンスで、ドライビングも最高でミスもなかった。彼にとっても自信の後押しになったと思うし、サルディニアで優勝争いをするために一歩近づいたのではないかと思う。最も重要なことは、マシンに信頼性があり、トラブルがなかったことだ」

Q:勝田の将来は明るい。最終ステージを終えて、かなり落ち込んでいたのでは
JML:最後の最後でポディウムを逃したのだから、辛いだろう。3番手につけて最終ステージを迎えた。自分でも何度もポディウムを逃したから、気持ちは分かる。タカは昨年もシーズンの滑り出しがよく、見事な成長を見せてケニアでポディウムに上がった。でも、シーズンの後半は非常に苦しい時期があり、立ち直ろうとしていた。6、7ヶ月と苦しい時期を経て、ポディウムのチャンスが巡ってきた。でも、ダニは彼よりも速かった。タカは必ず、今回の経験から学び、成長してくれる。次はペースを上げていく。いい経験になったよ。

Q:新しいハイブリッド・ヤリスの強さはどこにあると感じているか
JML:ドライバーたちはマシンに満足していると思うし、ドライバーがドライビングしやすく、マシンが機能しているからこそ、限界までプッシュすることができるのだと思う。

記者席からの質問
アンドレ・ゴンカルベス(Record、ポルトガル)
Q:カッレ、9秒のリードを握って最終ステージを迎えたが、上位を追っているかのような走りを見せた。最終ステージに向けて何を考えていたのか

KR:特に何も考えていなかった。ステージのコンディションがいいことは分かっていたので、速く走ることに挑めた。とにかく攻めていい走り、いいプッシュをしたら、マシンからも攻められる手応えを感じたし、リスクを負わず無理のない走りができた。

Q:最終ステージでのカッレの走りについてどう思ったか
JML:2台で優勝争いをしているなかで速度を抑えるのは簡単ではない。自分は日頃から、我々はチームオーダーは出さないと言っている。出したいとは思っていない。それに従うのは簡単なことではない。それに、彼らがミスをする可能性だってある。彼らはするべきことを理解していると、100%信頼している。口出しはしたくない。

Q:カッレ、ポルトガルで勝った気分は。ほかとは違うか。エルフィン、いま自分の自信はどうか
KR:特別なことは感じなかった。ポルトガルのラリーはいつも素晴らしいし、特にステージがいい。みんなも同じだ。ファンもたくさんいるし、国全体がラリー好き。もちろん、ここで勝つのはうれしいよ。
EE:自分としては、ポイントを重ね始め、勢いをつけ始めるためにも、ここでいいリザルトを残さなくてはならなかった。週末の内容には完全には満足していないが、これを糧にがんばっていきたい。

アントニオ・ロドリゲス(Lusa、ポルトガル)
Q:ヤリマティ、クロアチアのフィニッシュで、カッレはミラクルだと話していた。今回もミラクルだったか

JML:私が思うに、ラリーの歴史に彼のようなものはいない。過去には偉大なドライバーがたくさんいた。ローブやオジエも、初日先頭走行からラリーを勝ったことがある。でも、今のカッレの年齢でそれを成し遂げたものはいない。そこが違う。ラリーの歴史にはなかったことだ。これだけの若さで、トップレベルに立っているんだからね。



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