全日本ラリー唐津:再び全SSを制覇し、コバライネンが今季2勝目 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー唐津:再び全SSを制覇し、コバライネンが今季2勝目

©RALLY PLUS / JN-1クラス優勝のヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)

全日本ラリー選手権第2戦ツール・ド・九州2022 in 唐津は、4月3日(日)に競技最終日を行い、シュコダ・ファビアR5のヘイキ・コバライネン/北川紗衣が前戦に続きシーズン2勝目を獲得した。2位にはトヨタGRヤリスの奴田原文雄/山本磨美、3位には同じくトヨタGRヤリスの勝田範彦/木村裕介が入っている。

この日は3SSを2度走行する6SS、SS総距離33.58kmで争われた。選手たちは7時15分から15分間のサービスを挟んで7時30分に出発。オープニングのSS5は8時8分のスタートとなっており、昼からスタートした前日と比べて路面温度は低い状態であることが予想される。ハイスピードなコース設定で、タイヤをどう活かすかもポイントとなりそうだ。

JN-1クラスはコバライネンが再び快走、6SSすべてでベストタイムをたたき出すスピードを披露し、今季2勝目を獲得した。2位にはSS6のHACHIMAN 1(6.07km)でコバライネンの0.8秒差に迫るSS2番手タイムをマークした奴田原、3位には勝田とGRヤリスが続いた。4位はスバルWRX STIの鎌田卓麻/松本優一、5位はこの日ポジションアップに成功した眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリス)、6位にはSS7/SS8のBIZAN REVERSE(6.87km)で苦戦を強いられた新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が入った。

JN-1クラス優勝のヘイキ・コバライネンと3位の勝田範彦 / Naoki Kobayashi


コバライネンは「こうやって2勝目を獲得できたことに驚いているよ。ペースノートはラリーを進めるごとにどんどん良くなっていった。新しいステージでもね。それもあって、ノートを信頼して、最初のループからしっかりアタックすることができた。マシンに関しても、トラブルなく良いフィーリングでドライブできたよ。次の久万高原ラリーでもプッシュするよ」と笑顔。次戦に向けても手綱を緩めずにアタックすると語った。2位の奴田原は、「今回はトラブルフリーで走れたことが良かったです。今回コ・ドライバーを務めた山本選手は色々なドライバーと組んでいるだけあって、臨機応変に動いてくれました。タイミングもまったく問題なかったです。やっと1年かかって、スタートラインについた気がします」と、2021年の唐津以来1年ぶりのポディウムフィニッシュに安堵の表情を見せた。3位の勝田は「お昼のサービスでリヤデフを交換して、テストも兼ねて走りました。メカニックはよく頑張ってくれて、20分くらいで作業を終えてくれました。交換したデフが良かったので、久万高原もこれで行こうと思います。次の久万高原こそはタイヤマネージメントをしっかりします」とコメント。気持ちを切り替えて次戦に臨むとした。

JN-2クラス優勝の中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3) / Jun Uruno


JN-2クラスは中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3)がクラス首位を譲ることなくフィニッシュ。2WD車のトップで今シーズン2勝目を挙げてみせた。2位にはGRスープラで2戦目のAKIRA/美野友紀が入っている。

前日からのトラブルは解消し切れなかったものの、中平はこの日も6SSでクラストップタイムをマーク。SS6/9のHACHIMANでは4WD勢に食い込む8番手タイムを刻むなど好ペースをみせた。「色々な課題はありましたが、それをクリアして、結果も残すことができて良かったです。2輪駆動のトップで帰ってこられたのが一番良かったですね」と中平は笑顔でラリーを振り返った。2位のAKIRAは朝のステージでタイヤの内圧が上がり切らずに苦戦。ブレーキフィールにも改善の余地があると語っている。「良いところでは中平選手と1kmあたり2秒くらいの差だったので、ようやく土俵に乗れた感じです。スロットルの踏み方を少し工夫しないと、難しいと実感しました。次の久万高原が楽しみです」と、手応えを感じた様子だ。

JN-3クラス優勝の山田啓介/藤井俊樹(トヨタ86) / RALLY PLUS


前日に続き大接戦となったJN-3クラスは、新型BRZをドライブする竹内源樹/木村悟士が6SS中4SSでベストタイムをマークする力走を披露。最終的に山田啓介/藤井俊樹(トヨタ86)の2.0秒後方まで迫ったが、山田が前日までのマージンを活かして逃げ切り、全日本ラリーでの初優勝を飾った。竹内は前日の5番手から追い上げたものの、一歩及ばず2位。3位には山本悠太/立久井和子(トヨタ86)、4位に山口清司/漆戸あゆみ(トヨタ86)、5位にはSS7でベストタイムをマークした久保凜太郎/丸山晃助(スバルBRZ)が入っている。クラストップの山田から5位の久保まで8.5秒という僅差での戦いとなった。

うれしい全日本ラリー初優勝を飾った山田は、「ここまで苦しいことも多かったんですが、チームは一丸となってクルマを作ってくれましたし、コ・ドライバーの藤井選手も僕をコントロールしてくれて、勝たせてくれました。路面によって速い走らせ方が違うということが分かったので、その点をしっかり整理して次の久万高原に挑みたいです」と、チームへの感謝を口にした。2位の竹内は、「自分としてはしっかり走れましたが、山田選手が思ったよりも粘りましたね。若いのにプレッシャーに崩れず頑張ったと、素直に讃えたいです。レグポイントは3点取れましたし、シリーズを考えれば、この結果は大きいと思います」と山田に賛辞を送った。3位の山本は「本当にコンマ差で走り切ったので疲れました。ここまでの混戦はなかなかないですね。順調にいけば次は新車で臨む予定なので、マイナートラブルなどのないよう、限られた時間でしっかり準備したいです」と、次戦でのGR86投入に言及している。

JN-4クラス優勝の鮫島大湖/船木佐知子(スズキ・スイフトスポーツ) / RALLY PLUS


スズキ・スイフトスポーツ3台による上位争いが繰り広げられたJN-4クラスは、鮫島大湖/船木佐知子が接戦を制して今季初勝利。2位には黒原康仁/松葉謙介、3位に西川真太郎/本橋貴司という順位になった。最終日は、初日をトップで終えた黒原を、西川と鮫島が追う展開でスタート。前日3番手の鮫島はSS5、SS6と連続ベストタイムをマークしてクラス首位に躍り出る。続くSS7は西川が制するが、黒原も負けじとSS8とSS9を獲り、鮫島を逆転してクラストップに返り咲いた。最終SSを前に、黒原と鮫島の差は1.9秒、黒原の15.5秒遅れで3番手西川というオーダーに。そして最終SSでは、鮫島が渾身の一番時計で黒原を再逆転。今シーズン初勝利を飾った。

鮫島は、「黒川選手に一度まくられてしまったんですが、得意のSHIRAKIKOBAで一発頑張りました。思い切り踏んだら、クルマがグダグダになって、危ないシーンもありましたが、なんとか逆転できました」とラリーを振り返ってコメント。次戦に向けてはクルマに見つかった課題を直して挑みたいと語った。2位の黒原は「朝のセクションで失敗してしまった分、午後はミスしないように頑張りましたが、鮫島選手の方が一枚上手で最後に負けてしまいました。今後に向けては色々と考え中です」と悔しさをにじませる。3位の西川は「個人的には手応えがあったのですが、結果がついてきませんでした。周りのペースが上がったのかもしれませんね。褌を締め直して、しっかり対策して、次戦に挑もうと思います」と、今後への意気込みを語っている。

JN-5クラス優勝の天野智之/井上裕紀子(トヨタGRヤリスRS) / RALLY PLUS


JN-5クラスはGRヤリスRSの天野智之/井上裕紀子がシーズン2勝目を獲得。2位に渡部哲成/橋本美咲、3位に小川剛/梶山剛と、トヨタ・ヤリス勢が並ぶかたちとなった。前日をクラス3番手で終えていた渡部は、車両セットアップを変更しSS5、SS6で連続ベストタイムをマーク。クラス首位の天野や2番手の大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリスRS)とのタイム差はあるものの、着実にペースを上げてきている。SS7、SS8は天野が一番時計を刻んでリードを拡大するが、SS9では再び渡部がベストタイム。最終のSS10は天野がトップタイムで締めくくり、今季2勝目を獲得した。クラス2番手につけていた大倉はSS6でブレーキトラブルに見舞われ、SS8を終えてリタイアに。その後大倉は、審査委員会からSSラリー開催規定の『別添5:スペシャルステージラリーに適用される罰則』により、失格の裁定を受けている。

天野は、「渡部選手が速かったですね。彼は前回の久万高原でも速かったですし、コースとCVTとの相性もいいと思うので油断できません。我々は前回からタイヤサイズを変えたので、そのタイヤを活かすセッティングをもう少し考えて挑みたいと思います」と語っている。2位の渡部は「まだまだ課題があります」と、ラリーを振り返る。「2位が獲れて良かったです。クルマのセットアップはもっと詰めることができる部分が見えてきたので、インタバールをしっかり使いたいです」と、コメントしている。3位の小川は「交換したショックの感触が良かったので、あとはギヤ比の問題が解決すれば、少しは戦えると思います。あとはスタートが全然ダメなので、練習します(笑)」と、手応えを語っている。

JN-6クラス優勝の海老原孝敬/山岸典将(トヨタ・ヴィッツ) / Jun Uruno


3台の争いとなっているJN-6クラスは、海老原孝敬/山岸典将(トヨタ・ヴィッツ)が今季2勝目。2位にマツダ・デミオの中西昌人/有川美知代、3位にトヨタ・ヤリスの佐藤セルゲイビッチ/中嶌杏里が入っている。海老原は午前中のセクションでタイヤと路面がマッチせず、思うようにペースを上げられなかったというものの、この日の6SSすべてでベストタイムを並べ、リードをさらに拡大して危なげなくフィニッシュを果たしている。

2勝目を決めた海老原は「午後のセクションでは硬めのコンパウンドのタイヤを選び、安全に走ることができました。久万高原は距離が長いSSがあったり、季節も暑い時期に差しかかります。熱対策をしっかり考えて臨みたいです」と語っている。2位の中西は「クルマは去年と比べたら、ちゃんと走ってくれました。コ・ドライバーの有川選手とは今回が初めての組み合わせだったで、次の久万高原に向けて、もう少しペースノートの精度を高めて走りたいです」と振り返った。3位の佐藤は「CVTをどう扱うかがキモなのだと分かってきましたが、なんともスッキリしない感じで探り探りが続きますね。次の久万高原では、問題の解決策を見つけるのが大きなテーマです。どこが原因なのか明確にしたいです」と、次戦に向けた思いを語っている。

次戦は4月29〜5月1日にかけて、愛媛県久万高原町で開催される久万高原ラリー。初日に6SS、2日目に距離の長い2SSが設定され、計8SS、SS走行距離110.10kmという構成。2021年は実質的に最終戦として開催されており、その際は勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)が勝利を飾っている。今回の結果を受けて上位3台の最低重量に加算されるウエイトの合計は、コバライネンが+50kg(1位2回/規定上限)、奴田原が+20kg(2位1回)、勝田が+20kg(3位2回)となる。なお、今回のラリーに+20kgで臨んでいた福永は、リタイアしてしまったため-30kgとなるが、もともとの規定最低重量は下まわることができないため、次回参戦時は規定最低重量の1230kgで臨むこととなる。

ツール・ド・九州2022 in 唐津 結果
1 ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5) 52:53.2
2 奴田原文雄/山本磨美(トヨタGRヤリス) +44.9
3 勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス) +1:03.7
4 鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI) +1:27.4
5 眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリス) +1:30.6
6 新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI) +1:31.7

10 中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3) +3:54.2
12 山田啓介/藤井俊樹(トヨタ86) +4:12.4
18 天野智之/井上裕紀子(トヨタGRヤリスRS) +4:53.3
19 鮫島大湖/船木佐知子(スズキ・スイフトスポーツ) +5:00.0
36 海老原孝敬/山岸典将(トヨタ・ヴィッツ) +10:59.6



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