全日本ラリー丹後:初日を終えて、ヘイキ・コバライネンが首位。2番手に奴田原文雄 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー丹後:初日を終えて、ヘイキ・コバライネンが首位。2番手に奴田原文雄

©RALLY PLUS / JN-1クラス首位のヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)

全日本ラリー選手権第4戦ラリー丹後は、5月21日(土)の競技初日を終えて、シュコダ・ファビアR5のヘイキ・コバライネン/北川紗衣が6SS中5SSでベストタイムをマークし首位に立っている。2番手には21.2秒差でトヨタGRヤリスの奴田原文雄/東駿吾、3番手には23.9秒差でシュコダ・ファビアR5の福永修/齊田美早子というトップ3。福永の0.1秒背後にはトヨタGRヤリス勝田範彦/木村裕介がつけている。

全8戦のシーズン折り返しの1戦となる第4戦の舞台は、京都の北端、丹後半島。スペシャルステージは、半島を南北に貫く丹後縦貫林道を区切って設けられ、初日には北から南へ3SSを2回、2日目には初日のSSを逆走する形で3SSを2回、2日間で計12SSが行われる。したがって、SS走行距離も初日に52.16km、2日目に55.92kmと、似たような長さで争われる。路面はおおむねスムーズ、ところによって道幅が狭くコーナーが連続するセクションや、2車線を目一杯使って走るハイスピードなセクションなど、SSの性格は様々だ。21日(土)、選手たちは京丹後市役所の駐車場に設けられたゲートからSS1へと向かっていく。天候は曇りだが雨の気配はなく、路面はドライという状況でラリーがスタートした。

なお、今季から性能調整が導入されているJN-1クラスは、今大会における最低重量は下記のようになっている。
前戦1位:勝田範彦(トヨタGRヤリス)1298kg(最低重量+50kg)
前戦2位:福永修(シュコダ・ファビアR5)1250kg(最低重量+20kg)
前戦3位:新井敏弘(スバルWRX STI)1408kg(最低重量+10kg)
前戦4位:奴田原文雄(トヨタGRヤリス)1258kg(最低重量+10kg)
前戦リタイア:ヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)1250kg(最低重量+20kg)

JN-1クラス首位のヘイキ・コバライネン / Naoki Kobayashi


スタート前に「今回はミスなくしっかり完走することが目標」と語っていたコバライネンが午前中の3SSできっちりベストタイムを並べ、首位でサービスに戻ってきた。この時点で8.6秒差のクラス2番手には勝田、9.0秒差の3番手には奴田原がつけている。ふたりとも、今回のラリーからカーボンボンネットを投入。軽量化による効果よりも、特にエアアウトレットの排熱効果が大きいのだという。サービスを挟んだ午後の1本目、SS4では奴田原がコバライネンを0.1秒下すベストタイム。これで奴田原が2番手に浮上した。福永もSS6で盛り返し3番手にポジションアップ。2番手の奴田原から4番手の勝田まで2.8秒という団子状態で2日目を迎えることとなった。スバルWRX STIの鎌田卓麻/松本優一が5番手、トヨタGRヤリスの眞貝知志/安藤裕一が6番手という格好で初日を終えた。

トップのコバライネンは「マシンのバランスはとてもいいし、フィーリングもいい。でもあまり無理なアタックはせず、コントロールした。明日は今日と同じ戦略で、ミスをしないようにフィニッシュを目指すよ」と、淡々。2番手の奴田原は「ベストをなんとか、頑張りました。いつも頑張ってるんですけどね(笑)。明日はミスしないよう、勝田選手に負けないように頑張ります」と初日を振り返った。SS3で痛恨のスピンを喫しながらも、3番手まで盛り返した福永は「SS6はいい走りができましたが、他がまったく勝負になっていないのがまずいですね。僕が頑張るしかないです」と、打開策を探る。

JN-2クラス首位の中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3) / Jun Uruno


トヨタGT86 CS-R3の中平勝也/島津雅彦とトヨタGRスープラのAKIRA/美野友紀が走るJN-2クラス。今回ルノー・クリオ・ラリー4でエントリーしていた横嶋良/小藤桂一が不参加となったため、2台での戦いとなった。中平はマシンのセットアップを探り探りのアタック。見た目よりもグリップの薄い路面にアジャストし切れず、本人としては納得のいく出来ではないようだが、6SSすべてでベストタイムをマークし初日を終えている。一方のAKIRAは、ブレーキに厳しい部分もあり、こちらもなかなか思うようなタイムをマークすることができずにいる。

首位に立つ中平は、「クルマの動きはいいのに、今ひとつグリップを得られていない感じがします。午前と午後でセッティングをガラリと変えてみたり、ドライバーも色々な走らせ方をしているのですが、リズムに乗り切れていないですね。ここのコースにクルマを合わせ切れていない感じがします。明日は違うタイヤを試してみるつもりです」と、試行錯誤を語る。2番手のAKIRAは「道が綺麗なので、気持ち良く走りました。ブレーキはキツかったですが、制御の関係もありリヤはノーマルキャリパーしかつけられないので、一生懸命合わせ込んでいます。2ループ目でタイムを伸ばすきっかけがほしいですね。良くも悪くも安定してしまっているので、削れるところを明日は研究したいですね」と、初日を振り返った。

JN-3クラス首位の山田啓介/藤井俊樹(トヨタ86) / Jun Uruno


毎戦熾烈な戦いが繰り広げられるJN-3クラスは、4台でのバトル。初日を終えて山田啓介/藤井俊樹(トヨタ86)がトップ、8.6秒差の2番手に竹内源樹/木村悟士(スバルBRZ)、竹内と1.8秒差の3番手に山本悠太/立久井和子(トヨタGR86)というトップ3が並んだ。山田は1ループ目の3SSすべてを一番時計でまとめ、ラリーをリード。2ループ目最初のSS4は竹内が獲るものの、SS5、SS6と再び山田が2連続ベストタイムをマークし、主導権を握って初日を終えている。

快走を見せた山田は「リズム良く走れました。コ・ドライバーとのコンビネーションもうまくいっています。前戦久万高原の最後の方で『コレかな』と思った感覚を、今回の路面状況でも少しずつ再現できるようになってきています。明日も、リヤタイヤをしっかり使うことを意識して、全体的なタイムアップを図りたいです」と、手応えを語る。2番手の竹内は、「山田選手が崩れず、いいペースで走っていますね。差がないなか、頭ひとつ抜けている印象です。明日に向けてタイヤの選択を少し考えます。SS7/10とSS8/11でしっかり走りたいです」とコメント。3番手の山本は、「セットアップを変えたんですが、あまり変わらなくて、自分がタイムアップした分、周りもタイムアップした感じです。制御の問題でエンジンが吹けなくなるのが頻発していて。大きなタイムロスにはなっていないと思いますが、コンマ差の争いではキツいですね。明日は暑くなるそうなので、体調管理も含めて頑張ります」と気を引き締めた。

JN-4クラス首位の西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ) / RALLY PLUS


スズキ・スイフトスポーツ7台による争いとなったJN-4クラスは、前回勝者の西川真太郎/本橋貴司がアタマひとつリード。7.6秒差の2番手には鮫島大湖/船木佐知子、鮫島から0.5秒遅れに3番手の岡田孝一/河本拓哉、岡田の4.8秒差で4番手の須藤浩志/新井正和が続く状態となっている。アンダーステアに悩みながらも、西川が序盤からリードを築く展開となったが、後続は順位を入れ替えながらの戦いに。後半2番手を守っていた岡田をSS6で鮫島が逆転、僅差で2番手に浮上している。

首位の西川は、「一応トップで戻ってきました。午後はセットアップを変更して乗りやすくなりましたが、タイムは右肩上がりかと思いきや、右肩下がりでした。減衰を固くしていったのが裏目に出てしまったのかもしれません。明日は久万高原のセットアップに戻して、まず走って様子をうかがってみます」と、苦笑い。2番手の鮫島は「出だしはセッティングが合わず、ペースが上がりませんでしたが、午後はベストも獲れて、2位にも上がれました。優勝も狙える位置にいるので、セットアップの方向性を考えて頑張ります」と意気込みを語る。3番手の岡田は、「プッシュしたんですが、タイヤをちょっとケチったこともあって、厳しかったですね(笑)。前後の差が詰まっているので気が抜けないです。明日は優勝目指して展頑張ります」と語っている。

JN-5クラス首位の天野智之/井上裕紀子(トヨタGRヤリスRS) / Jun Uruno


JN-5クラスは、トヨタGRヤリスの天野智之/井上裕紀子が大きくリード。2番手にはマツダRX-8の藤原直樹/中嶋健太郎、3番手にはトヨタ・ヤリスの小濱勇希/竹下紀子というオーダーになっている。小濱は2年ぶりのJN-5クラス参戦だ。ラリーは藤原がSS1とSS2で連続ベストタイムをマークし、序盤をリードする展開でスタート。しかし下り主体となるSS3では、天野がそれまでの差を一気にひっくり返すスーパーベストをたたき出して1ループ目を首位で終える。2ループ目最初のSS4では再び藤原がベストタイムをマークするが、天野も反撃に転じてSS5、SS6を連取。天野は最終的に、藤原に対して15.7秒のリードを築いて初日を終えた。その藤原は2ループ目、ラジエターにピンホールを開けてしまい、冷却水が漏れるトラブル。サービスで必死に修復し、ペナルティなく初日をまとめた。

トップでサービスに戻ってきた天野は「クルマはちょっと熱の面で厳しさはありますが、タイヤに関しては18インチなので余力がありますね。パワーがないので不利になる部分もありますが、これだけクネクネしていると、18インチのメリットを活かすことができると思います。特に明日の逆走でも有利になるのではないでしょうか」とコメント。藤原は「クルマの仕上がりはかなり良く、2ループ目にニュータイヤを入れてタイムアップを狙ったのですが……。ラジエターは応急処置を施しましたが、明日は少し不安です」と、懸念を残すかたちとなってしまった。3番手はMTのヤリスで参戦する小濱。「2年前に唐津で優勝した時はRPN車両でしたが、今回はRJ車両になって、大きく進化しています。それでも天野選手がやっぱり強いですね。JN-5クラスは日々進化しているクラスだと実感します。明日はガラリとセットアップを変え、サーキットのようにスタビリティを上げて臨みます。ドライバーにはピリ辛の方向ですが」と、追撃に気迫を見せた。

JN-6クラス首位の海老原孝敬/蔭山恵(トヨタ・ヴィッツ) / Jun Uruno


5台が参戦するJN-6クラスは、トヨタ・ヴィッツの海老原孝敬/蔭山恵がトップ。2番手には同じくトヨタ・ヴィッツの兼松由奈/原田晃一、3番手にマツダ・デミオの中西昌人/有川美知代という展開となった。海老原は序盤安定したペースを発揮したものの、午後のSS4ではエンジンの制御が介入してしまいペースを上げ切れず。それでも6SSすべてを制して後続に大きなマージンを築いている。2番手には、約1年ぶりの全日本ラリーとなる兼松。思うような走りができず、2ループ目でタイムを落としてしまう我慢の展開となった。

ここまで勝利を重ねている海老原は、「レッキや前戦からフィードバックしたセットアップがハマり、序盤は作戦どおりに行きました。午後はSS4でエンジンが吹けなくなるなどの症状が出てしまいました。セットアップもうまくいくようになってきたので、明日もこの調子のまま走りたいです」とコメント。2番手の兼松は「なかなかうまく走れませんでした。ちょっとクルマに色々と難しさを感じています。仕様は以前と変わっていないはずですが、自分の運転が変わっているのかもしれません。明日はこの位置を守れるよう頑張ります」とのこと。3番手につける中西は「クルマにエラーが出てしまって、全部がセーフティがかかった状態で走りました。ずっと床まで踏んでました。エラーが入り始めた時の対処が分からなくて、それがキモでしたね。明日に向けて、なんとかトラブルを解消したいですね」と、終日トラブルに悩まされてしまった。最終サービスでマシンを修復して、翌日のポジションアップに挑む。

ラリー最終日の5月22日(日)は、丹後縦貫林道を南から北へと向かう3SSを2度走行する。6SS合計のSS距離は55.92km。初日のコースを逆走する設定だが、多くの選手はオープニングステージのSS7/10 Nariai Reverseの攻め方が変わると語っている。序盤からダッシュを決められるかどうかがひとつのカギを握りそうだ。

ラリー丹後 SS6後結果
1 ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5) 38:42.4
2 奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス) +21.2
3 福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5) +23.9
4 勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス) +24.0
5 鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI) +46.4
6 眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリス) +56.3

10 山田啓介/藤井俊樹(トヨタ86) +2:11.0
14 中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3) +2:52.3
17 天野智之/井上裕紀子(トヨタGRヤリスRS) +3:31.2
19 西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ) +3:32.6
38 海老原孝敬/蔭山恵(トヨタ・ヴィッツ) +6:40.1



ラリプラメンバーズ2022募集中!!