世界RXベネルクス・スパ:ヨハン・クリストファーソンが今季2勝目、選手権でも2番手に浮上 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

世界RXベネルクス・スパ:ヨハン・クリストファーソンが今季2勝目、選手権でも2番手に浮上

©Rallycross Promoter

世界ラリークロス選手権第6戦は10月10日、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットでファイナルが行われ、昨年王者のヨハン・クリストファーソン(アウディS1)が、前戦ラトビア・リガに続いての連勝を収めた。

KYB EKS JCのエースとして今季を戦うクリストファーソンはこれまでに世界RXタイトルを3回獲得しているが、スパのサーキットを舞台とした大会に参戦するのは今回が初めて。しかし、選手権ライバルに対してのディスアドバンテージも感じさせなかったクリストファーソンは予選4ヒートを終えた時点で2番手につけると、セミファイナルのレースをトップフィニッシュ。決戦のファイナルではほぼ完璧に近いレース運びで勝利を収め、ドライバーズ選手権争いでも2番手に浮上して首位との差をわずか12ポイントにまで詰めることに成功した。

「ここで勝つことができて、素晴らしい気分。スタートからかなり走りやすさを感じていた。スパでの大会にはこれまで参戦したことがなかったが、路面が2019年に比べて少し変わっていたことで、ほかのみんなは出だしがあまりよくなかったから、自分にはいい形に動いたのではないかと思う」とクリストファーソンは今回の快進撃を分析する。

「セミファイナルとファイナルでは最高のペースが出せて、どちらもトップタイムだった。いつまたポディウムの頂点に上がれるかなんて誰にも分からないから、とにかくこの瞬間を楽しみたい。全体としては、選手権争いでも高ポイントを獲得できたので、すごくハッピーだよ」

Rallycross Promoter

2位には、ハンセン・ワールドRX・チームのプジョー208を駆るケビン・ハンセンが入り、同じくタイトル獲得に向けて大きく前進。ハンガリーのクリスチャン・ザボ(ヒュンダイi20)は3位に入り、世界RX戦で初めてポディウムに上がった。GRX-SETワールドRXチームから参戦するザボは、今季はここまで全戦でファイナルに進出していたが、今回はティミー・ハンセン(プジョー208)、イデ・エンゾ(アウディS1)、アントン・マルクルンド(i20)を抑え切ってチェッカーを受けた。

選手権リーダーのティミー・ハンセンは、セミファイナルのレース1でトップフィニッシュを飾ったが、予選トップで通過したケビン・アッブリング(ルノー・メガーヌRS)にヘアピンで接触したことでペナルティを受けた。アッブリングはファイナル進出を逃したが、「ホームコース」と呼ぶスパで強さを見せ、残り3戦に向けて存在感を示した。

地元ベルギーのイデは5位でフィニッシュ、ヘドストローム・モータースポーツのi20での初めての参戦となったマルクルンドがファイナルに進出し、6位でフィニッシュした。一方、ダブルヘッダー開催の前戦リガで一戦を制したニクラス・グロンホルム(i20)は、セミファイナルのレース2でスタート時に膨らんでしまいファイナル進出を逃した。グロンホルムは、タイトル争いでは4番手に後退している。

世界RXの次戦、第7戦は10月16〜17日、スペインのモンタレグレで開催される。

一方、併催のヨーロッパ・ラリークロス選手権、ユーロRX1はこのスパで最終戦を迎え、この日30回目の誕生日を迎えたアンドレアス・バックラッド(シュコダ・ファビア)が自身3度目となるタイトルを獲得した。

Rallycross Promoter

今季から始まった電動マシンによるワンメイクシリーズ、RX2e部門は、地元ベルギーのギヨーム・デ・リダーが、タイトルライバルのエッセ・カリオとの激戦を制してシーズン2勝目をマークした。前日はカリオが首位に立っていたが、この日はデ・リダーが巻き返しを図り、ファイナルでは好スタートを決めリードを握ると最後までその座を守り切った。この勝利により、デ・リダーはタイトル争いではカリオとの差を9ポイントに広げ、11月のニュルブルクリンクでの最終戦を迎える。

Rallycross Promoter

「土曜日はQ1とQ2でトラフィックにつかまったが、今日はすべてのヒートでトップタイムをマークした」とデ・リダー。
「ファイナルでは、スタートが鍵だった。必死にセッティング作業を行い違うことを試して、それが報われた。選手権争いは本当にタフになっている。ライバルたちはみんな速いし、どのレースでもペースはだいたい同じだから細かい点を煮詰めていかなくてはならない。まだ勝負は終わっていないし、ニュルではビッグファイトになると思っている」

「スパで勝つことができて最高の気分だ。どの勝利も特別だが、ここでの勝利は言葉にならない。まだ実感がわかないが、世界屈指の名門サーキットでベルギーのファンの前で勝てたのはアメージング。子どもの頃からの夢が実現した」

Rallycross Promoter

世界RXベネルクス・スパ ファイナル結果
1 J.クリストファーソン(アウディS1) 3:10.857
2 K.ハンセン(プジョー208) +0:02.601
3 K.ザボ(ヒュンダイi20) +0:05.338
4 T.ハンセン(プジョー208) +0:05.663
5 E.イデ(アウディS1) +0:06.119
6 A.マルクルンド(ヒュンダイi20)+0:06.648

RX2e部門 ファイナル結果
1 G.デ・リダー 3:21.816
2 J.カリオ +0:01.078
3 I.ショクビスト +0:01.758
4 K.アンダーソン +0:03.021
5 P.シュアレス +0:06.216
6 F.トーレン +0:10.558



ラリプラメンバーズ2024募集中!!