道路橋用鋼製伸縮ジョイントのラインナップを拡充
横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は道路ジョイントの新商品として、小伸縮タイプの「YHT-20」「YHT-30Ⅲ」「YFS-20」「YFS-30Ⅲ」の4種を12月に発売した。道路ジョイントは道路橋の橋桁間の遊間(隙間)をつなぎ、橋桁の温度変化による伸縮や地震の揺れに追従させるための伸縮装置。ジョイント部からの水漏れは橋梁下部の付属物類が腐食する一因となるが、YHTおよびYFSシリーズは内部の伸縮ゴムと側板を一体加硫成形しているため、長期にわたり高い止水性を維持できる。
一般的な小伸縮(許容伸縮量が30mm未満)のジョイントと比較して、より広い遊間に対応できるのも特徴。伸縮量が小さくても床版遊間が広い場合は、床版遊間に合わせて必要以上に許容伸縮量の大きいジョイントを選定しなければならない事例が多かった。新商品は4種とも100mm前後の標準遊間に対応できるため、こういったオーバースペックを解消でき、コスト削減も可能となる。
また、接合面のゴム形状と接合方法を見直すことで、道路ジョイントの現地接続部を改良し止水性を高めた。併せて、軽量化やコンパクト化により施工性も向上させた。「YHT-30Ⅲ」の場合、当社従来品よりも必要箱抜き深さが20mm浅くなり、1m当たり約16kgの軽量化を実現している。
新商品4種は近年の橋梁長寿命化対策の一環で、補修用として鋼製の小伸縮ジョイントの需要が拡大していることから開発した。「YHT-20」「YFS- 20」は許容伸縮量20mmのタイプで、「YHT-30Ⅲ」「YFS-30Ⅲ」は許容伸縮量30mmのタイプ。このうち、「YFS-20」「YFS-30 Ⅲ」は降雪地向けで、除雪車のグレーダーによる道路ジョイント本体の破損やグレーダーへの衝撃を防ぐため、アンカー部分に誘導板(グレーダーガイド)を設置している。