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WRCドイツ:勝田貴元は慎重なペースを堅持。マシンにも手応え

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は、ドイツ最長となる土曜日の8SSを無事に完走。前日より順位をひとつ上げて10番手につけている。

午前8時から午後8時近くまで合計157kmのステージ距離を走るこの日、まず挑むのは、ドイツのステージの中でも比較的ノーマルな路面が続くカントリーロードでの2SS計4ステージ。勝田はプランどおりの慎重な走りを続けながら、リグループを挟んだ2ループ目には少しずつクルマへの理解が深まっている手応えをつかんできた。

「2ループ目は少し楽しめたかな(笑)。どんな風にドライビングしたらいいか、グラベルが出ているところでヤリスはどんな動きをするか、などを学びながら走っているのですが、少なくとも路面がクリーンなところでは少しずつ感触をつかめてきた感じです。もちろんまだ十分じゃ無いですが。すごく気をつけて走りながら、トップと1kmあたり1秒という遅れは悪くないんじゃないかと思います」

ランチタイムのサービスを挟んで迎えたのはラリー最難関の軍事演習地ステージ、パンツァープラッテ。
「何が起きるか分からないところなので、午前中よりさらに気をつけて走りたい」と語っていた勝田は、SS12を走り出して4つ目のコーナーでコースオフ。いきなり洗礼を受けることになった。
「びっくりしました。ブレーキしたら、シュッと行っちゃって。昨日オフしたところと一緒で、ルーズとペースノートに入れてはいたんですが、実際はもっと手前からルーズになっていて、ブレーキ踏んだ瞬間にロックしちゃった感じです。でもすぐに右側が空いてるのが見えたので、良かったです」

TOYOTA


ことなきを得た勝田だが、その後、激しく変化するパンツァープラッテの路面に驚かされることになる。
「路面もバンピーで常に飛んでいるような感じだし、100メートルのストレートがあったとしたら、2、3回路面が変わるようなステージなので、そこのグリップレベルの変化を見るのがものすごく大変で、どこがグリップがあるかどこがスリッパリーなのかを判断するのが難しい。すごくそっくりな路面でも、まったく違うグリップだったりするんです。経験のない自分にとってはそこが一番難しかった。サバイブできて良かってです」

サービスを挟んだ夕刻の2ループ目ではひとつ目の短い10.73kmのアリーナ・パンツァープラッテでパンク。スペアタイヤを1本しか積んでいなかったため、長い41kmのパンツァープラッテではリタイアを避けるため、1ループ目よりぺースを落としての走行を余儀なくされた。

「普通にストレートを走っていた時にターマックとターマックの切り替わりの継ぎ目の、大きさで言うと3〜4cmのギャップでなぜかパンクしてしまいました。午前中同じところを通ったんですけど、その時はパンクしなかったのでちょっと不可解なんですけど、でもいつか大事な時に起こるよりは、今起きた方が良かったかな。次の41kmもパンクする可能性が高いステージなので、ベタ落としという感じで走りました。走りながら、ああ、ここはなんとかなくつかめてきたのになあ、もっと試してみたかったなあ、という部分もがあって、そこは悔しかったですが、でもそれはまたいつかにとっておきます。今回はそもそもそういうのが目標ではなく、チームからもとにかく耳にタコができるくらいベタ落としでいいから全部のステージを走れと言われているので、明日も周りは気にせずにこのペースでいこうと思います」
ラリー最終日に残されたのは4SS、79km。まだ予断は許さないが、目標の全ステージ完走が見えてきた。

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