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WRCセントラルヨーロッパ:トヨタは競技2日目を終え、オジエ、ロバンペラ、エバンスの1-2-3体制

©TOYOTA

WRC第12戦セントラルヨーロピアンラリー(ドイツ/チェコ/オーストリア、ターマック)の競技2日目となる金曜日のSS3〜8の走行を終えて、トヨタはセバスチャン・オジエ/バンサン・ランデ、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンの順でトップ3を形成。また、勝田貴元/アーロン・ジョンストンは一時総合7番手までポジションを下げたが5番手まで順位を戻している。

(以下、発表リリース)


WRC 第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー デイ2
ヨーロッパ三ヶ国のステージを一日で走破する競技2日目は
オジエが首位を守り、ロバンペラは総合2位、エバンスは総合3位につける

10月17日(金)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」の競技2日目デイ2が、ドイツ南東部パッサウのサービスパークを起点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 17号車)が首位を守り、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合2位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車) が総合3位、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合5位、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が総合7位につけました。

セントラル・ヨーロピアン・ラリーのデイ2はドイツ、オーストリア、チェコでそれぞれ1本のステージを、タイヤフィッテイングゾーンでの簡易的な整備作業を挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は99.00kmでした。デイ2は朝から空に雲が多く一日を通してどんよりとした天気でしたが、それでも降雨はなく概ねドライコンディションの路面での戦いになりました。

TOYOTA

デイ1の2本のステージを終え、総合2位のロバンペラに1.6秒差をつけて首位に立ったオジエは、オープニングステージのSS3で4番手タイムを、続くSS4ではベストタイムのロバンペラと2.1秒差の8番手タイムを記録。2人の差は0.6秒差に縮まりました。しかし午前中最後のチェコのステージ、SS5ではオジエがベストタイムを刻み、総合2位のロバンペラとの差を3.9秒に拡げました。その後方では、デイ1のSS1でヘイベール(大きな干し草の俵)に接触したとして走行終了後に5秒のペナルティを課せられ、総合6位から8位に順位を下げていたエバンスが、総合4位まで順位を挽回。前日の総合4位から7位に順位を下げた勝田も、総合5位まで挽回しました。

チェコの古都チェスキー・クルムロフでのリグループと、カプリツェでのタイヤフィッテイングゾーンを経て始まった午後の再走ステージでは、ロバンペラがチェコとオーストリアの2ステージで連続ベストタイムを記録。オジエとの差を0.3秒まで縮めました。その後、暗闇の中ドイツで行なわれたデイ2最終のSS8ではエバンスがベストタイムをマークし、オジエは2番手タイム、ロバンペラは3番手タイム。その結果、オジエは僅差ながら首位の座を守ることに成功しました。総合2位には0.6秒差でロバンペラがつけ、SS7で総合3位に順位を上げたエバンスは、ロバンペラと28.9秒差でデイ2を終えました。また、ステージの出走順がやや後方だった勝田とパヤリは、前走車がインカットで舗装路面に掻き出したグラベル(未舗装路)により非常に滑りやすくなった路面を走ることになり、多くのコーナーでタイムを失いました。それでも勝田はオーストリアのステージを2回とも3番手タイムで走行し、総合4位のオィット・タナック(ヒョンデ)と2.9秒差の総合5位でデイ2をフィニッシュ。また、オーストリアでのSS4で2番手タイムを記録したパヤリは、総合7位で一日を終えました。

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なお、GR Yaris Rally2で出場のオリバー・ソルベルグ(スウェーデン/プリントスポーツ)はRally2クラストップ、総合でも10位につけています。また、同じくGR Yaris Rally2で出場のアレハンドロ・カチョン(スペイン/トヨタ・スペイン テオ・マルティン・モータースポーツ)はRally2クラス2番手につけ、サポート選手権のWRC2では2位に34.2秒差をつけてトップに立っています。

ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
我々にとって良い一日でした。今朝最初のステージを終えた時点ではライバルと激しく戦うことになると思いましたが、その後のより滑りやすいコンディションは私たちにとって有利に働いたようです。より困難かつ滑りやすいコンディションだった3本目のチェコのステージで、我々のドライバーは大きな差をつけました。セブとカッレの素晴らしいバトルは見ていて楽しく、彼らは非常に優れたドライバーなので、滑りやすく困難な状況でも心配する必要はありませんでした。それは、ペナルティによる遅れを見事に挽回したエルフィンについても同様です。明日、彼らは後方の出走順からスタートすることになり、道にはより多くのダートが出ていると思うので、彼らにとってはより難しいコンディションになるでしょう。しかし、彼らなら乗り切ることができると確信しています。また、貴元とサミもいくつかのステージで良いスピードを示したので、今後さらに速さを増すことを期待しています。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
今日は何度か良い瞬間もありましたが、全体的には期待していたほどではなく、特にチェコのコル・ド・ジャンでは、セブとカッレに少し遅れをとってしまいました。1回目の走行はスタートでやや慎重になりすぎ、その後少しオーバーシュートしてしまいました。そして2回目の走行でも思うように追い上げることができませんでした。今日は、ダートが出て路面が汚れているセクションでのタイムロスが大きかったようなので、今夜その原因を調べる必要があります。総合3位につけることができたのは良かったですが、依然としてかなりの接戦なので、プッシュし続けなくてはなりません。

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カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
今日は本当に素晴らしいステージが何本かあり、激しい戦いが終日続いた、とても楽しい一日でした。出走順が3番手だったにも関わらず、セブにここまで接近できたのは、状況を上手くコントロールすることができたからだと思うので、とても満足しています。良いステージで良いタイムを記録し、そして接戦を繰り広げることができました。明日はスタート順が後ろになるためコンディションが変わり、難しい一日になるでしょう。それでも接戦は続くと思うので戦い続けます。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)
カッレとのエキサイティングなバトルを楽しみました。一日を通して首位を守ろうと戦い、差はごく僅かですが依然ラリーをリードしているのは非常にポジティブなことです。今日は路面がドライでかなり埃っぽかったため、ターマックステージでの出走順トップのアドバンテージを、いつもほど得られなかったように思います。つまり、ほぼ全員にとって公平なコンディションだったということで、それは自分たちが望んでいたことです。明日は簡単な戦いにはならないでしょうし、雨が降ったらより大きなチャレンジになると思いますが、私たちは戦い続けます。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
予想していたように、非常に厳しい一日でした。特にSS5と6は路面に多くのダートが出ていました。それでも、まずまずのステージタイムで走り切ることができました。理想的とはいえないスタート順だったため、おそらくタイムを失ったとは思いますが、それでも表彰台圏内まで僅か6秒なのでプッシュし続けます。決して悪い一日ではなかったので、明日はさらに良い順位を目指したいと思います。

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サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
ステージも自分たちのパフォーマンスも、良い面と悪い面が入り混じった一日でした。非常に良いタイムを記録したステージがあった一方で、良いペースからほど遠いと感じるステージもありました。もちろん、もっと良い走りをしたいとは思いますが、一歩一歩確実に前進する必要がありますし、明日より安定した走りをするために何かを見つけようとしています。明日は出走順が良くなるはずなので、それが助けになるでしょうが、コンディションがどうなるか様子を見たいと思います。

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セントラル・ヨーロピアン・ラリー デイ2の結果
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) 1h03m29.8s
2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +0.6s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +29.5s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +32.8s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +35.7s
6 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +46.1s
7 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +56.0s
8 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m55.8s
9 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +2m50.2s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +3m37.6s
(現地時間10月17日19時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技3日目となる10月18日(土)のデイ3は、パッサウのサービスパークを起点にドイツで1本、チェコで2本の計3ステージを、クラトヴィ(チェコ)でのタイヤフィッテイングゾーンを挟んで各2回走ります。6本のステージの合計距離は103.64kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は553.68kmとなります。



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