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2025年シーズンWRC第12戦セントラルヨーロッパ(ターマック)は、10月17日(金)に6SSを走行し、セバスチャン・オジエがカッレ・ロバンペラに0.6秒差の首位。29.5秒差の総合3番手にエルフィン・エバンスが続き、トヨタがトップ3を独占した。
16日木曜日にシェイクダウンとセレモニアルスタート、さらにサービスが設置されたパッサウ周辺の2SSを走行。本格的なラリーが幕をあけた17日金曜日は、ドイツ、チェコ、オーストリアに設定された3ステージを、チェコのカプリツェに設定されたタイヤフィッテイングゾーンを挟んでリピートする6SS、99.00km。
オープニングのSS3はティエリー・ヌービル(ヒョンデ)がオィット・タナック(ヒョンデ)に0.2秒、アドリアン・フルモー(ヒョンデ)に0.4秒、セバスチャン・オジエ(トヨタ)に0.7秒差のベストタイム。首位オジエと総合2番手のカッレ・ロバンペラ(トヨタ)との差は2.7秒、3.6秒差の総合3番手にフルモーがつける。その後方では、ヌービルとタナックが勝田貴元(トヨタ)とサミ・パヤリ(トヨタ)をかわし、同タイムの総合4番手にポジションを上げた。
SS4はロバンペラがパヤリに0.1秒、勝田に1.3秒、タナックに1.4秒差の一番時計。首位のオジエは2.1秒差の8番手タイムに留まり、総合2番手につけるロバンペラとの差は0.6秒と、一気に縮まった。続くSS5は首位のオジエがロバンペラに3.3秒差をつけ、この日初のベストタイムを刻む。午前中のセクションを終えて、ふたりの差は3.9秒に拡大。
「特にSS5はチャレンジングなステージだった。すべてのコーナーを全開で攻めるにはリスクがあったよ」と、オジエは慎重に振り返った。
総合3番手を走行していたフルモーは、インカットにより掻き出された泥を警戒。思うようにペースを上げられず、26.5秒差のSS6番手に沈み、総合6番手にドロップ。総合5番手のヌービルはバンクにヒット、マシンの右フロントにダメージを負ったうえ、左リヤタイヤをパンクし、1分以上をロス。首位から1分25秒6差の総合8番手まで順位を落とした。この結果、22.7秒差の総合3番手にタナック、24.1秒差の総合4番手にエバンス、26.8秒差の総合5番手に勝田と、3人が僅差で3番手を争う展開となっている。
カプリツェでの15分間のタイヤフィッティングゾーンを挟んだ午後のセクション。午前中とは逆の順番でSSを走行し、パッサウへと戻るルートだ。SS5のリピートとなるSS6、ロバンペラがオジエに1.5秒、エバンスに8.1秒差のベストタイム。オジエとロバンペラの差は、再び2.4秒に縮まった。
SS7もロバンペラが制し、2.1秒差の6番手タイムでまとめたオジエとの差を、射程圏内となる0.3秒差に縮めてみせた。その後方ではエバンスがタナックをかわして総合3番手に浮上。総合3番手のエバンスからタナックを挟んで総合5番手の勝田までは3.9秒差となっており、この後の展開次第では大きく順位が変わる可能性がある。
この日を締めくくるSS8は、エバンスがオジエに1.1秒、ロバンペラに1.4秒差をつける今回初のベストタイム。首位オジエと総合2番手のロバンペラは、0.6秒と僅差のまま3日目に向かう。29.5秒差の総合3番手にエバンス、32.8秒差の総合4番手にタナック、35.7秒差の総合5番手に勝田が入った。
「ターマックでの先頭スタートは思ったよりも難しかったよ。ドライだったこともあって、路面に積もったダストと戦うことになったんだ。それでもいい1日だった。明日もかなりの接戦になるだろうね」と、オジエは笑顔を見せた。
競技3日目はSS9〜SS14の6SS、SS走行距離は103.64km。オープニングのSS9は、日本時間10月18日の日本時間15時15分にスタートする。
WRCセントラルヨーロッパ SS8後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:03:29.8
2. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +0.6
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +29.5
4. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +32.8
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +35.7
6. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) +46.1
7. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +56.0
8. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +1:55.8
9. J.マカリアン(フォード・プーマ・ラリー1) +2:50.2
10. O.ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +3:37.6