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WRCセントラルヨーロッパ:トヨタ、ロバンペラが総合首位に浮上、オジエはデイリタイア

©TOYOTA

WRC第12戦セントラルヨーロピアンラリー(ドイツ/チェコ/オーストリア、ターマック)、競技3日目土曜日はトヨタ勢にとって波乱の展開となった。カッレ・ロバンペラと首位争いをしていたセバスチャン・オジエがコースアウトによりデイリタイアとなる。ロバンペラはその後、総合首位を維持するが、ヒョンデのオィット・タナックが追い上げ総合2番手につけた結果、エルフィン・エバンスは総合3番手で最終日を迎える。勝田貴元は総合4番手まで順位を上げている。

(以下、発表リリース)


WRC 第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー デイ3
チェコとドイツが舞台の競技3日目は波乱の展開に
ロバンペラが首位に立ち、エバンスは総合3位につける

10月18日(土)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」の競技3日目デイ3が、ドイツ南東部パッサウのサービスパークを起点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 69号車)が首位に立ち、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車) が総合3位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合4位に、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が総合6位につけました。なお、デイ2首位のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)は、コースオフによりデイリタイアとなりました。

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セントラル・ヨーロピアン・ラリーのデイ3はドイツで1本、チェコで2本のステージを、タイヤフィッティングゾーンでの簡易的な整備作業を挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は103.64kmと、4日間で最長の一日でした。デイ3の午前中はステージによって路面コンディションが異なり、ドイツでのオープニングステージ、SS9は多くの区間がドライ路面でしたが、チェコでのSS10はウェット路面、SS11は概ねドライ路面となるなど、コンディション変化の大きいループとなりました。

デイ2で3本のベストタイムを記録し、首位オジエとの差を0.6秒まで縮めた総合2位のロバンペラは、デイ3オープニングのSS9でベストタイムを記録。オジエを抜き、0.7秒差をつけてトップに立ちました。さらに、ロバンペラはウェットコンディションとなったSS10でもベストタイムをマーク。このステージではオジエが、タイヤの空気抜けが原因となるコースオフを喫し木に激突。オジエとコ・ドライバーのランデに怪我はありませんでしたが、走行を続けることはできずデイリタイアを余儀なくされました。なお、オジエは明日のデイ4でスーパーサンデーとパワーステージのボーナスポイントを獲得すべく、再出走に向けて準備を進めています。

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オジエがデイリタイアとなった結果、2番手タイムのエバンスが総合2位に、勝田が総合4位に、パヤリが総合6位に順位を上げました。そして午前中最後のステージ、SS11では勝田がベストタイムを記録。チェコのクラトヴィでのタイヤフィッティングゾーンを経て始まった午後の再走ステージ1本目、SS12ではベストタイムのオィット・タナック(ヒョンデ)が総合2位に順位を上げ、エバンスは1.9秒差の総合3位に後退しました。この時点でタナックに39.7秒差を築いていたロバンペラは、確実性をさらに高めた走りにシフト。続くSS13では再び勝田がベストタイムを刻み、総合3位エバンスとの差を18.5秒に縮めました。さらに勝田は、暗闇の中で行なわれたデイ3最終のSS14で3番手タイムを記録し、エバンスとの差を13.6秒に縮めて一日を終えました。一方、安定した走りで午後のループを走り切ったロバンペラは首位を守り、総合2位のタナックに対し36.3秒のリードを確保してデイ3を走破。エバンスはタナックと8.4秒差の総合3位で、SS13で3番手タイムを記録したパヤリは総合6位で土曜日を走り切りました。

なお、GR Yaris Rally2で出場のオリバー・ソルベルグ(スウェーデン/プリントスポーツ)はRally2クラストップの座を守り、総合では9位に順位を上げました。

ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
セブに起きたことを除けば良い一日でした。あのコーナーは特に難しいわけではなかったので、何かおかしいと思いましたが、案の定スローパンクチャーによりクルマが曲がらなかったのです。かなり強い衝撃でしたが、主にホイールへのダメージでクルマに大きな損傷はなく、明日は再スタートできる状態です。明日は出走順トップでスタートすることができるので、セブのモチベーションは高まるでしょうし、彼の速さが発揮されるのは間違いないと見ています。これで選手権は確実に面白くなります。カッレは依然として首位で素晴らしい走りを見せていますし、エルフィンとタナックも良い戦いをすると思うので、明日が本当に楽しみです。

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エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
今日はまずまずの一日でしたが、特に午後のペースは満足のいくものではありませんでした。プッシュはしていましたが、ペースを十分に発揮することができず、望むレベルには達していませんでした。日中クルマにいくつか変更を加えたのですが、必ずしも良い方向には向かいませんでした。ですので、明日多くのポイントを獲得できるように、今夜その原因を解明する必要があります。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
自分たちにとっては良い一日でした。セブとは本当に緊迫した良い戦いを続けていましたが、彼と戦うのは決して楽ではありません。彼のアクシデントは残念ですが、セブとヴァンサンが無事で何よりです。その後は、自分たちの仕事に集中するだけでしたが、前に走ったクルマによって大量のダートが道に掻き出されていた状況で、かなり上手く対応できたと思います。良いペースとリズムを保ち、リスクを冒すことなく運転を楽しむことができました。自分たちを含む全員ができるだけ多くのポイントを必要としているので、明日はシーズン終盤において重要な日です。優勝も確実なものにしなければならないので簡単ではありませんが、ベストを尽くすつもりです。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)
雨と落ち葉により、今日の2本目が最も難しいステージになることは分かっていましたが、それでも私たちは良いリズムとフィーリングで走っていました。残念ながら、ステージの終盤に差し掛かった頃、フロント左タイヤの空気圧が低下し始めました。そして高速の右コーナーを走行中に、どうすることもできずアンダーステアが出て側溝に落ち、木に当たってしまいました。悔しいですが、あの状況で他にできることはなかったと思いますし、運に左右される時もあります。それでも、明日再スタートできる見込みがあることは良い知らせですし、10ポイントのボーナスポイントを全て獲得できるように、全力を尽くすつもりです。

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勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
全体的には良い一日でしたが、午前の2本目のステージでかなりタイムを失ってしまったので、完全に満足しているわけではありません。非常にトリッキーなコンディションのセクションもあり、そのような場所では十分に力を発揮することができませんでした。一方、全てが順調に機能していたクラトヴィではベストタイムを2回記録することができましたし、他のステージでもクルマのフィーリングは良く、プッシュすればタイムが出たというのは良い兆候です。日曜日はまだ長い距離を走るので、プッシュし続けるつもりです。

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サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
今日もまたトリッキーな一日でした。昨日と同じようにステージのタイムは良い時もあれば、そうでもない時もありました。そのことから学ぶべき点は多いですが、ミスやトラブルなく安定したペースで上位に近づけたことについては、概ね満足しています。明日は、非常に長いパワーステージを含め、まだかなりの距離が残っていますが、どれも良いステージなので走るのが楽しみです。

セントラル・ヨーロピアン・ラリー デイ3の結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 1h56m14.7s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +36.3s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +44.7s
4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +58.3s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m37.8s
6 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m59.0s
7 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +2m30.9s
8 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +4m39.3s
9 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +6m32.5s
10 ヤン・チェルニー/オンドジェイ・クラジュカ (シュコダ ファビアRS Rally2) +8m26.1s
38 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +49m49.9s
(現地時間10月18日21時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技最終日となる10月19日(日)のデイ4は、ドイツとオーストリアでの4ステージを、ローアバッハ(オーストリア)でのタイヤフィッティングゾーンを挟んで走行。SS15とその再走ステージSS17「ビヨンド・ボーダーズ」は、その名が示すように国境を越えて走るステージです。また、SS16の再走となるオーストリア国内でのSS18「ミュールタール2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されています。4本のステージの合計距離は77.78km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は290.22kmとなります。



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