ERCズリン:レグ1トップは新鋭エリック・カイス、僅差でヤン・コペッキー – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ERCズリン:レグ1トップは新鋭エリック・カイス、僅差でヤン・コペッキー

©FIAERC / Jorge Cunha / DPPI

ERC第4戦チェコラリー・ズリン(ターマック)は8月28日、レグ1の競技が再開。この日は8SS・127.18kmのステージが行われた。

この日を終えて並み居るシュコダ勢を抑えてトップに立ったのは、22歳の新鋭エリック・カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)だった。マウンテンバイクのダウンヒル出身というカイスは、ズリン在住の地元。前日にズリンの市街地で行われた開幕ステージでは、トップタイムのヤン・コペッキー(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に6秒差。この日も最初のステージではコペッキーに2.1秒遅れのタイムだったが、18.95kmのSS5でコペッキーに8.5秒差をつける激走を見せてベストタイムをマーク。その後もじわじわとコペッキーとの差を詰めていくと、SS5のリピートとなったこの日最後のSS9でも、雨に見舞われながらもコペッキーに7.9秒差をつけて、短いラリーキャリアの中で自身初めて総合首位に立ってこの日を折り返した。

「地獄あり、天国もありのジェットコースターで、これまで乗って来た中でもベストに入るステージだった」とSS9をフィニッシュしたカイスは語った。
「素晴らしいステージ、アメージングだ。自分もものすごくプッシュしたし、観客もいて、新年よりもたくさん花火が上がっていた。ちょっとしたラリーモンテカルロだったよ」

このSS9を制したことで、ERCミシュラン・タレントファクトリーのドライバーのひとりであるカイスは、元ラリードライバーだった父・ミロスラフが果たせなかった、総合首位に立つという偉業を達成した。
「カイスの名前をトップに掲げるために、父も僕もプッシュしてきたが、ミロスラフ・カイスがいなければエリック・カイスは存在しなかった。この選択肢を与えてくれた父にとても感謝している。父が今日のことを誇りに思ってくれていることを願うよ」

9回目のチェコラリー・ズリン優勝を目指す2013年のERCチャンピオン、コペッキーは、前日夜のズリンでのスーパーSSでトップタイムをマークしていたが、ズリン在住のカイスのペースが脅威となった形だ。
「こうしたコンディションの中でも速く走れる経験を活かしたい」と語るコペッキー。
「少し無茶をしてリスクを負わなくてはならないが、自分はそれをしていない。このラリーはなんとしてもトップ3でフィニッシュしなくてはならない。明日は長い1日になる。挑んではいくが、大きなリスクは負いたくない」

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予選でベストタイムをマークし、先頭走行を選択していたアンドレアス・ミケルセン(ファビア・ラリー2 Evo)は、SS4でベストタイムをマークし、この日は総合3番手。レグボーナスポイントを3獲得したことで、イベント前テストでクラッシュを喫しズリンを欠場したアレクセイ・ルキヤナクをかわして、ドライバーズ選手権で暫定首位に立った。
「照明と泥で、グリップを予想するのが本当に大変だった」とSS9をフィニッシュした後にミケルセンは語った。「20秒差を詰めることもできれば、森の中で立ち往生する可能性もあった。すごく難しかった」

FIAERC / Jorge Cunha / DPPI

ミケルセンはカイスに16.6秒遅れだが、4番手のサイモン・ワグナー(ファビア・ラリー2 Evo)には54.6秒と大差をつけている。そのワグナーは午前中、ポップオフバルブのトラブルに悩まされた。一方、チームMRFタイヤから初参戦に挑んだヤリ・フッツネン(ヒュンダイi20 R5)は、SS7でクラッシュ、リタイアとなった。

ERC2はチボール・エルディJr.(三菱ランサーエボリューションX)が首位をキープ。ERCジュニアは、SS2でオスカー・ソルベルグ(フォード・フィエスタ・ラリー3)がコースオフ。ケン・トーン(フィエスタ・ラリー3)が部門を単独で戦う形となっている。

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ERC3/ERC3ジュニアで前日トップタイムをマークしたジャン‐バティスト・フランチェスキ(ルノー・クリオ・ラリー4)は、この日朝のサービスに早着し3分のペナルティを受ける大波乱。これにより、ERC3はジョセフ・バサス(プジョー208 ラリー4)、ERC3ジュニアはノルベルト・メイオール(208 ラリー4)がこの日を首位で折り返した。

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FIAERC / Jorge Cunha / DPPI

フィアット124アバルトRGTのワンメイク、アバルト・ラリーカップではダリウス・ポロンスキ、ルノー・クリオ・ラリー5のワンメイク、クリオ・トロフィーbyトクスポーツではアンドレア・マベリーニがそれぞれ首位を維持している。

FIAERC

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競技最終日となる29日日曜日のレグ2は、3SSを2ループする6SS・83.74kmが設定されている。

ERCズリン 暫定結果(レグ1終了時点)
1 E.カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) 1:13:41.0
2 J.コペッキー(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2.1
3 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +16.6
4 S.ワグナー(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +54.6
5 F.マレス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:02.9
6 N.ヘルチグ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:05.3
7 M.マルチェク(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:30.9
8 E.ラレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:04.5



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