【速報】WRCサファリ:ヌービルがリタイアしオジエが逆転勝利。勝田は総合2位で初表彰台 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【速報】WRCサファリ:ヌービルがリタイアしオジエが逆転勝利。勝田は総合2位で初表彰台

©TOYOTA

WRC第6戦サファリはすべての競技日程を終え、トヨタのセバスチャン・オジエが総合優勝。2位に勝田貴元、3位にヒュンダイのオィット・タナックが入った。トヨタは前戦に続く1-2フィニッシュ。勝田はうれしい自身初表彰台を獲得した。日本人ドライバーとしてWRCでの表彰台獲得は、1994年サファリの篠塚建次郎(2位、三菱ランサーエボリューション)以来だ。

競技最終日はSS14〜SS18の5SS、SS走行距離53.49km。サービスを挟まないため、マシントラブルやセッティングミスは大きなタイムロスに直結する。SS距離こそ短いが、勝負の行方はまだ分からない。

オープニングのSS14でベストタイムをマークしたのはオジエ。SS2番手にはMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーが入った。勝田は慎重な走行でSS6番手。このSSでは首位のヌービルが右リヤサスペンションを破損するアクシデントが発生。ヌービルはなんとかSS14を走り切ったが、マージンをすべて失い、総合2番手の勝田に11.7秒、総合3番手のオジエに16.3秒差に。

TOYOTA


フィニッシュ後のロードセクションで修復を試みたヌービルだが、それが叶わぬほどマシンのダメージは深く、最終日にまさかのリタイアを喫することに。これで勝田が総合首位に繰り上がり、2番手オジエ、3番手タナックというオーダーとなった。勝田にとっては初のラリーリーダーだ。2番手オジエとの差は4.6秒。続くSS15はコースの修復のため、当初の10.56kmから5.63kmに短縮されて行われた。パワーステージでは全行程が使われる予定だという。ここではエルフィン・エバンスがベストタイムをマーク。勝田はオジエに次ぐSS4番手タイムでフィニッシュし、0.8秒の僅差ながら首位の座を守ってみせた。

SS16ではフルモーが自身初のベストタイムをマーク。これでチームメイトのガス・グリーンスミスをかわして総合4番手に浮上した。オジエはSS3番手タイム、勝田はSS4番手タイムでそれぞれフィニッシュ。オジエが勝田のタイムを0.8秒上まわり、同タイムでふたりが総合首位に並ぶ展開となった。

続くSS17では、オジエが堂々の一番時計をマーク。SS4番手となった勝田に対して8.1秒差をつけて単独で総合首位に立つこととなった。SS2番手にはフルモー、SS3番手にはグリーンスミスが入り、4番手争いも白熱した展開となっている。

HYUNDAI


そして迎えた最終SS、SS18パワーステージ。ステージはWRC3勢からスタート、ワールドラリーカー勢最初のソルドがマークした6分17秒5というタイムが、後続のターゲットとなる。そのタイムを、ソフトタイヤを4本装着したエバンスが塗り替え、さらにカッレ・ロバンペラが上まわるかたちでステージは進行。Mスポーツ・フォード同士による4番手争いはフルモーがグリーンスミスのSSタイムを上まわり、自身最上位の4位以上を確定。

続いてコースインしたタナックは、無駄のない走りでロバンペラの暫定トップタイムを0.7秒更新、これで自身の3位以上も確定させたことになる。そして勝田がスタート。勝田はマシンをフィニッシュに運ぶことを最優先とし、リスクを避けたドライビングで最終ステージを駆け抜けた。これで勝田は2位以上を手中に収めた。勝田にとって自身最高位でのフィニッシュであり、今季すべてのラリーで完走を果たしたことになる。勝田のゴールの瞬間、チームテントは大きな拍手に包まれた。

そして上位陣最終走者のオジエはSS4番手タイムでフィニッシュ。これで各順位が確定し、オジエは今シーズン4勝目を獲得した。パワーステージはタナック、ロバンペラ、エバンス、オジエ、ソルドのトップ5がポイントを手にしている。

勝田はフィニッシュ後のインタビューに対し、「長い週末だったけど生き残ることができて良かった。完璧な仕事をしてくれたチームに感謝したい」と笑顔で語った。

M-SPORT

第6戦までを終えて、ドライバーズランキングはオジエが133点でトップ、エバンスが99点で2番手、ヌービルが77点で3番手に続き、今回2位の勝田はタナックに3点差の66点で5番手。マニュファクチャラーズランキングはトヨタ273点、ヒュンダイ214点、Mスポーツ・フォードが109点、ヒュンダイ2Cが28点となっている。

次戦は7月15日〜18日に開催される、高速グラベルラリーのエストニア。WRCとしては2020年が初開催で、前回大会ではヒュンダイのタナックとクレイグ・ブリーンが1-2フィニッシュを飾っている。勝田はリタイアを喫したものの一時総合5番手を走行するなどスピードを見せており、サファリの結果を糧に、さらなる活躍を期待したいところだ。

※6/28追記
ラリーフィニッシュ後、審査委員会はMスポーツ・フォードのフルモーにコースのショートカットで10秒のペナルティを科すことを発表。これによりフルモーとグリーンスミスは0.1秒差で順位を入れ替えることになり、グリーンスミス4位、フルモー5位という結果になった。

WRCサファリ 暫定結果 ※6/28追記
1. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) 3:18:11.3
2. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +21.8
3. O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:09.5
4. G.グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) +1:54.6
5. A.フルモー(フォード・フィエスタWRC) +1:54.7
6. K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) +10:53.4
7. O.レイ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +29:26.4
8. K.パテル(フォード・フィエスタR5) +33:30.4
9. C.ツンド(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +36:40.7
10. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) +49:22.7



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