ERCポーランド:シーズン開幕戦、初日はアレクセイ・ルキヤナクがトップ – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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ERCポーランド:シーズン開幕戦、初日はアレクセイ・ルキヤナクがトップ

©ERC / Bastien Roux / DPPI

2021年のERCは6月18日、ラリーポーランド(グラベル)で開幕した。この日は予選に続いてミコワイキ・アリーナに設定された2.50kmのスーパーSSを1本走行。19日には、3SSを2ループする6SSを走行した後、再びミコワイキのスーパーSSで締めくくられ、レグ1に設定された8SSを終えた時点で、昨年チャンピオンのアレクセイ・ルキヤナク(シトロエンC3ラリー2)がトップに立った。

開催100周年を迎えた歴史あるラリーポーランド。序盤で速さを見せたのは、このイベントでの2度目の勝利を狙うニコライ・グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)だった。SS1から連続5SSでベストタイムをたたき出し40.5秒の大差をつけての首位を独走していたが、この日最後から2本目のSS7で2本のパンクに見舞われ、まさかのリタイアに追い込まれてしまった。
「タイヤが壊れたようだった」と悔しさを見せるグリアジン。
「何かにヒットしたと思ったが、(フロントサスペンション)のボルトが原因となったようだ。起きてしまったことは仕方がない。スペアは1本しか積んでいなかったし、タイヤが1本ない状態で走ることは禁止されている。ほかにできることはなかった。1ループ目でかなり差をつけられたので、2ループ目はもっと差を広げようとしていた。このステージはダストが多くて道を目視することができなかったが、(パンクがなければ)自分はフィニッシュすることはできた」

ERC / Bastien Roux / DPPI

このSS7でベストタイムをマークしたのはルキヤナクで、グリアジンに10.6秒差をつけての首位に浮上した。しかし、その後、グリアジンがリタイアに追い込まれたことで、マージンを29.7秒差に広げてこの日を終えた。

「いい気分だよ。みんなががんばってくれたおかげで、午後は満足した戦略がとれた。いい1日になったし、いいマシン、いいセッティングでまたグラベルステージに戻れたことは最高だ」と語るルキヤナクは、2019年にラリーポーランドを制している。ルキヤナクは、火曜日のテストでアクシデントに見舞われたが、チームが突貫で修復作業を行った末に、代替のマシンでのドライブとなっている。

2番手に上がったのはアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)。3番手には、ERC‐ミシュラン・タレントファクトリー計画対象の6人のドライバーのひとり、ミコ・マルチェク(ファビア・ラリー2 Evo)がつけている。

ERC / Bastien Roux / DPPI

ERC / Bastien Roux / DPPI

一方、このポーランドから5週間の間にグラベルラリー4戦の参戦が予定されているクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)はSS6を終えた時点で5番手につけていたが、SS7のフィニッシュ手前1kmのところでサスペンション破損によりリタイアを余儀なくされた。チームMRFタイヤのチームメイト、シモーネ・カンペデッリ(ポロGTI R5)も、パワーステアリングのトラブルで日中サービスでリタイアとなっている。

ERC

ERC2部門では、スペインの若手、ハビエル・パルドが初参戦のポーランドでトップに立っている。パルドは、スズキ・モーター・イベリカが今季から投入したラリー2(旧R4)キットを装着したスズキ・スイフトR4lly Sをドライブしている。序盤は昨年チャンピオンのチボール・エルディ(三菱ランサーエボリューションX)が首位に立っていたが、SS7でリタイアしたことでパルドが首位に浮上。 30.2秒差の2番手には、自らラリー2キットを装着して製作したトヨタ・ヤリスR4を駆るビクトル・カルティエがつけている。

FIAが新設した2WDからのステップアップモデルを目指した4WDマシン、ラリー3は、地元Mスポーツ・ポーランドが製作した注目のフォード・フィエスタ・ラリー3の国際格式戦デビューを飾った。ラリー3マシンが対象となるERCジュニアではジョン・アームストロングがトップに立っている。チームメイトのケン・トーンは序盤にイグニッションのトラブルにより4分近くのロスを喫したが、トップタイムも連発した。

ERC / Bastien Roux / DPPI

ERC3・ERC3ジュニアでは、フォード・フィエスタ・ラリー4のサミ・パヤリが首位に立っている。また、今季から創設されたルノー・クリオ・ラリー5のワンメイクシリーズ、クリオ・トロフィーbyトク・スポーツWRTでは、アルゼンチンのパウロ・ソリアが3分近くの大差をつけてトップで初日を折り返している。

ERC

ERC / Bastien Roux / DPPI

競技最終日となるレグ2には、6SS・69.64kmが設定。2SSを2ループした後、17.90kmステージを1回走行。最終SS14(1.96km)には「Rally Poland 100th anniversary」のステージ名が与えられている。

ERCポーランド 暫定結果(レグ1終了時点)
1 A.ルキヤナク(シトロエンC3ラリー2) 1:10:23.2
2 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +29.7
3 M.マルチェク(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:15.6
4 W.シュシュワ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:46.4
5 N.ソランス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:22.3
6 N.ヘルチグ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:38.6
7 Y.ボナート(シトロエンC3ラリー2) +2:41.9
8 E.ラレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:43.9

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