WRCサルディニア:波乱の2日目、トヨタのオジエが逆転首位に。勝田は4番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア:波乱の2日目、トヨタのオジエが逆転首位に。勝田は4番手

©TOYOTA

WRC第5戦サルディニアは、競技2日目を終えてトヨタのセバスチャン・オジエが総合首位、2番手にエルフィン・エバンスとトヨタ勢が1-2体制を構築した。3番手にはヒュンダイ勢で唯一生き残ったティエリー・ヌービル。勝田貴元はやや離れて4番手につけている。

競技2日目はSS9〜16の8SS、129.62kmがその舞台となる。初日と同じく午前中に2SSを2度、午後に2SSを2度走行するパターンだ。午前中のSS10/12は有名なミッキーズジャンプを含むステージとなる。タイヤ選択は各選手によって割れることとなった。ハードコンパウンド3本+ソフトコンパウンド3本というチョイスはオィット・タナック、ダニ・ソルド、ヌービル、ピエール‐ルイ・ルーベのヒュンダイ勢と、トヨタのエバンス、勝田の計6名。オジエとカッレ・ロバンペラはハード4本+ソフト2本、Mスポーツ・フォードのテーム・スニネンとガス・グリーンスミスはハード2本+ソフト4本でステージへと臨む。

HYUNDAI


2日目最初のSS9でベストタイムをマークしたのはタナック。追いすがるライバルやチームメイトを尻目にタイムを伸ばした。総合2番手のソルドはウォータースプラッシュ通過後わずかにエンジンが吹け上がらなくなりタイムロス、スタート時点で19.4秒だった首位タナックとの差は、34.8秒にまで拡大することとなった。続くSS10ではオジエが一番時計をたたき出し、リズムに乗り切れないソルドを逆転。オジエは首位タナックの40.3秒差で総合2番手へと駒を進めた。総合6番手の勝田はこのSSで、道の真ん中に転がり出た大きな岩を乗り越えた際にアンダーガードを強打し、あわやコースアウトという場面も。

SS11を制したのはエバンス。上位陣も軒並み僅差で続き、大きな順位変動はなかったものの、総合4番手のエバンスと、背後につけるヌービルとの差は着実に広がってきていた。そしてSS10の再走となるSS12では、大きな波乱が待っていた。まずはグリーンスミスがマシントラブルでストップ、ルーベはSSをフィニッシュしたものの同じくマシントラブルで再び戦線離脱を余儀なくされた。勝田は右前輪と左後輪の2本をパンク。タイムはロスしたもののステージを走り切った。そして首位タナックはライン上に出ていた大きな石にヒットしてマシンを傷め、まさかのストップ。この日の競技続行を諦めている。この結果、首位に躍り出たのはオジエ。岩にヒットしながらベストタイムもマークして、2番手ソルドとの差を17.5秒に拡大している。

TOYOTA


サービスを挟んで午後は全員がハードコンパウンドを主軸としたタイヤ選択に。トヨタ勢の4人とスニネンはハード6本、ソルドはハード5本+ソフト1本、ヌービルはハード4本+ソフト2本という組み合わせだ。午後1本目のSS13、首位に立ったオジエは「堅実に走りプッシュしたわけではない」としながらもベストタイムをマーク、総合2番手ソルドとの差を拡大していく。そのオジエは続くSS14でも一番時計。ソルドはSS4番手タイムで総合2番手の座はキープしたものの、背後のエバンスがじわじわと詰め寄ってくる展開だ。

オジエはSS13の再走となるSS15でもベストタイムをマーク。0.7秒差でチームメイトのエバンスがセカンドベストを刻んでみせた。このSSでは、総合2番手につけていたソルドが横転。左コーナーアウト側の溝に隠れていた岩でサスペンションを破損してしまい、万事休す。これで総合順位はオジエ、エバンス、ヌービル、勝田のトップ4となった。勝田はバンパーに取り付けられているラジエター過冷却防止のための板を外し忘れ、スタート直後にストップを余儀なくされた。この結果、ベストタイムのオジエから1分14秒4遅れてのフィニッシュとなったが、後続は大きく離れているため総合順位を落とすことはなかった。2日目最後のSS16は、エバンスがこの日2度目のベストタイムで締めくくった。上位陣に順位の変動はない。

M-SPORT


競技最終日に残されたSSは、SS17〜SS20の4SS。46.08kmと距離はさほど長いわけではないが、SS17/19は2009年以来、SS18/20は新設ステージとなる。各車ともタイム差が開いてはいるが、まだまだ何が起きるかは分からない。オープニングステージのSS17は6日の日本時間14時33分スタート。

WRCサルディニア SS16後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) 2:50:33.1
2. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) +38.9
3. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:01.6
4. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +4:01.2
5. J.フッツネン(ヒュンダイi20 R5) +8:09.6
6. M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) +8:12.3
7. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +8:57.5
8. P.ロペス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +9:35.3
9. J.ソランス(シトロエンC3ラリー2) +9:45.0
10. M.ブラシア(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +10:13.1



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